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無機質な朝日

作者: 小春 佳代

香月よう子さまのお題

『「朝」を表現してみましょう。』

に参加させて頂いた作品です。

目覚めると同時に

まるで自分にとっての朝日のような

小さな四角い液晶の光を浴びる


「きてない」


声にならない声でそう呟き

顔を枕に突っ伏した


私が一日を始める前に欲しいもの

それは


あなたからの

愛の言葉でも

声の軌跡でも

切り取られた瞬間美でもなく


私への関心


もう何年も何年も前に

廃れてしまったSNSのひとつを

未だに更新し続ける私


一人二人とログインしなくなっていく中で

最後に残ったのは

誰でもない

元彼だった


元彼のフォロワーも誰も更新していない状態で

突然気がついたようにログインの跡が残るのは

私を思い出したという他ならぬ証拠だと考えても

いいのだろうか?


「きてない」


それでも元彼が私を毎日思い出すわけもなく


「さぁ……起きるか」


声にならない声で呟いて

いい大人が

同じような一日を今日もまた始めようとする


あなたからのLINE、着信、写真を

望んでいるわけではない


『たまには私を思い出してね』


まるで消え入りそうな灯火


液晶の朝日で見えなくなってしまいそうな

最後の儚い願い



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― 新着の感想 ―
[一言] 上手く表現できない感傷を抱く詩でした。 SNSは栄枯盛衰が激しいですよね。 あの2chも名前が変わり今では変わり果てたように感じます。 今回の詩ですと、mixiが近そうですね。 twitte…
2024/02/22 13:30 退会済み
管理
[良い点] 企画より拝読いたしました。 切ないですね。 未練のような感情、それだけに元カレの存在は大きなものだったのでしょうね。 ミクシィ、懐かしいです。 10年前くらいならギリギリログインしてい…
[一言] はじめましてです、企画からまいりました。 LINE、着信、写真を望んでいるわけではない この一文が好きです。 でもこれこれペタ?は確認してる、関心まで失いたくない、そんな切ない感傷がどこ…
2020/11/07 19:35 退会済み
管理
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