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諸所諸々のエッセイ  作者: 粘土
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生は何処?

私の父は、何時でも死にたければ死ねと云います。

 又、遣ってしまった。手首を裂いたのである。今回は七針で済んだ。少しく笑える事に、ザクザクと切っている同室に父が居た。彼は当然、私が何をしているのかを知っている。然し、全く止めない。どうせ、中途半端で終るだろうと高を括っているのか、或いは、脅しであろうと思っているのだろう。まぁ、勝手にそう思って頂いて結構だが、此方は本気で切り刻んでいるので、其の後の始末は付けようぜ?と思っている。実際今回は神経が切れる一歩手前まで切れていたらしい。自分では解らないから、医師に訊いて初めて「そうか」と認めたのであるが、先ずは、父だ。息子が自分の所為で手首を、菜切り包丁とは云え、刃物で刻んでいるのを勝手にし給えと云う態度。其れが先ずオカシイ。私をネガティブな人間だから嫌いだと云う人には一生解るまい。地獄の家だ。そんな家で、誰からも虐められて育ったのだ。判然云おう『ネガティブにも成るっつーの』。生きて居る事が罪悪なら、死ぬしかあるまいよ。

 もう一つには、其処で働こうと思っていた矢先に此の始末だ。連絡を待たずとも結果は知れている。もう、末期の不運者だ。そして、予想通りの連絡。死にたくも成るっての。ポジティヴ諸君、一度レッテルを貼られて生きて見給え。世の不合理が好く解る筈だ。若し、解らないなら、「君」は“人間失格”だ。と、こうしてタイプを叩くのにも苦労する。父と云う名の生き物が、外でなら暴れても好いと云うから、其れに甘んじたのであるが、既に右手の人差し指の第二関節が裂けていたので少々庇い気味にガード下を殴ったら、骨が折れてしまった様だ。まぁ、以前にも同じ事を遣って、左手の、薬指の付け根を折り、肉も裂けたので存外安楽な気持ちである。あぁ、今回はこんな程度かと、そんな風に思うだけである。いっそのこと、三十針位の怪我をしてみたいものだ。其の時にはきっと死ねるだろう。いや、其れ以前に肝硬変にまで成って、未だに呑み続けているのだから、何時血を吐くやも知れん。其の時には恐らく手遅れだと、医師は言うだろう。只、其れが哀しい事だと思えない自分がオカシイのか、一々、命とはなどと云々する他者が正しいのかは甚だ疑問である。世界は何時でも巡っていて(之以上“人”なる生き物が増長しない限りは)、其の時々を彩り、其れは詰まり此の世界に生くる者達への贈り物であり、同時に、命の限りを報せるものだからだ。従って、世界を重んずる可き処を、人の命に駆り立てられた心を披露しようと云うのは勘違いであり、思い上がりでもあるのだ。何故? そう云う事しか出来ない。君達は何時からそんなに偉く成ったんだ? 農作物の被害に対して“駆除”。危険だからと云って“殺処分”。遣るからには遣れよ。殺し合いの最中に、後に生きる自身の未来を観ろよ。其れでも多くを語れるだけの人生にしなよ。もう、解るだろう? 私は、君達健常者に因って殺されかけているんだ。大袈裟じゃないぜ? 之は事実だ。ちっと障害が有ると、不良品扱いだ。そもそも、人の“不良品”て何だよ。病気を持って産まれて済みませんでした、って? そんな事云う訳無いでしょ。所謂“普通”より頑張らなくちゃ直ぐにクビだ。誰よりも頑張ったって無駄なんだよ。誰よりも優れていたって淘汰されるんだ。之は経験済みだから、胸を張って云えるよ。何処にだって主が居る。社員でも無く、パートでも無く、只のアルバイトの癖に其の場を自分の縄張りの様に振る舞うカスが。大体、そんな奴は女だ。困った事に女と云う生き物は、自己顕示欲が甚だ強い。自身が仕損じたと見抜かれたなら、他の連中の気の付く前に先手を打って来る。長く勤務している自分に歯向かう新入りが居るとでも言ったのだろう。其の所為でクビにされたのが私だ。本来なら、クビにする為には其れなりの理由と、其の後の手当てを必要とするが、現代、今に至ってはそんな事も知らない連中が正規として雇用されているのだからウンザリする。

 そう云う訳で、私が不良品である以上、何もかも巧く行かない事が判然した。此処では家庭での例を挙げたが、之を読む人が居るならくれぐれも注意した方が好いと、そう助言したい。命を棄てる覚悟を持った者からの際どい贈り物だ。

なのに、生きて呉れと云うのです。

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