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諸所諸々のエッセイ  作者: 粘土
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白く、白く

白い事は好い事ですね。

 行く手を遮るかの様な白き霧雨。果つるとも知れず、只々、振り、風に舞う。其の先に行くには、何うしたら好いのか。少しく迷う。

 眼前に拡がるは、真白ましろき霧。何時晴れるとも無く、風も無いのに只々揺蕩たゆたう。向こうから観たりなば、如何に映るだろう。

 そらに伸びるのは白き輝き。あたかも純白のベールの如し。包まれたなら、もう地を踏むまい。他意無く無邪気なる輝きは、何物にも勝る。

 鱗雲の白き事。規則正しく並び、列を作るは、或いは、人に告げる可き温かさかな。何事にも従わず、又、媚びず、違わず並ぶはまことなり

 きゅうが有っても見惚れてしまう白き綿雪わたゆき。深々(しんしん)として、優しく世界を包む。考える事さえ野暮に成る。

 真摯に生きて行こうとすると、そんな壁に打つかってしまう。云わずもがな、四季を描いたのである。“白き事”を前提に。何時からだろうね。私達の色がヘンチクリンに成ってしまったのは。禅の教えに“一善一汁一菜のみ”と云うのが有る。正しく、其の通りだと思う。然し、私達は一時の快楽として、食への逃避を自らに謀る。頭を剃れば好いのではない。読経をすれば好い訳でもない。又、頂きますやら、神に感謝しますなどと云うのは、自身の生を正当化しようと云う、或る意味スケープゴートを拵えているに過ぎない。今更、羊飼いでも無かろうに。まだ、死して尚、鳥に其の身を喰わせる方が潔い。嗚呼、私には唄を唄う事しか出来ない。世を憂う唄を。現世の次に世界が有るとしても、私の心臓は崇高なる羽よりずっと重い。蜘蛛の糸を垂らされても、登り切る自信が無い。先に挙げたが、スケープゴートを用意するには、余りに罪深い。そもそも、生の果てに世界が在ると云う前提なのだから、全く無意味な思慮思考である。詰まり、生き物をっ殺して生きて居るのだから、精々精進し給えよと云うのが自身への答えなのである。然しながら、基本的にはポジティヴな人や、自身の考えをひっくり返してでも歩み寄る可き処を等閑なおざりにしている連中とは決して手を繋がない。そう云う場合も有るのだ。何もかも上手く行って、皆が笑えるとは限らないのである。仲間が居れば、必ず敵が居る。打倒して行くのか、スルーを決め込むのか。其れは人其々であろうと思う。だからして、自分が信じた事を疑わないで欲しい。私は、既に其れを手にしている。こうして書く事も、其の一つである事は云うまでも無いだろう。一々難しい漢字を遣うのは、其の方が読み易いからであって、鼻を天狗の如きにしているのではない。以前、知り合いだった女の子は、其の辺が理解出来ていないから、未だにプロに成れないらしい。文章力や、世界観は完璧であるから勿体無く思う。けれども、私は、私の物を読んで呉れる皆が大好きなのだ。若し、皆に危機が迫ったなら、命を懸けて護りたい。大袈裟ではない。之までの感謝なのである。そして、之からも宜しくお願いしますと、そう云う意味なのである。……

 私は最初に綴った白き、美しき路を、皆と一緒に歩きたい。其れはきっと贅沢だ。けれども、私は欲張りなので、夢が適ったなら、皆と手を繋ぎたいのである。罪だと云われても構わない。きっと、そうして歩いて見せるよ。

黒い事も好い事ですね。

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