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ヘタレ女の料理帖番外編  作者: 津崎鈴子
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あの人達のあの日あの時。(電気屋のエイジ編)1

正直、街の電気屋ってお得意さんからの電話一本で修理に出かけたり配線工事したりってことが多い。お得意さんは、爺さんの代からのお客さんばっかりなのでほんと、家族ぐるみのお付き合い。


 最近は、TVで大々的に宣伝される家電量販店に押されてて、売り上げはお得意さん頼みなのが辛いところ。品物はメーカーから仕入れているんだけどやっぱり量販店みたいに仕入れることができないのでおのずと原価は高くなってあんまり値下げも出来ない。


 取引によっては、量販店と契約している問屋みたいな会社に加盟して量販店の卸値で仕入れることが出来るって手もあるらしいけど、そういうのはもちろん加入費とか月会費が発生するから悩みどころ。


 悩みどころは、もうひとつ。こういうお客さんのところを行ったり来たりする生活で、女の子と知り合う機会が少ないこと。いっつも母さんから、彼女作れ、彼女作れって圧力かけられるけどさ、しがない電気屋の彼女になってくれる人、探しに行く暇ないじゃんよ。


 しかも、自分でわかってる。ルックスにはまったくもって自信がない。


幼馴染の八百屋のタカシや魚六のマサキ位のイケメンだったら入れ食い状態で彼女ができないとか悩まないんだろうけど、地味で真面目しか売りがない、いや、それも売りにはならないか。

取り立てて特徴のない僕には彼女なんてどうやって作るのかわからない。


 そんな時だった。近所の世話焼きおばあちゃんのエミさんの所に可愛い女の子が引っ越してきたのは。


 商店街中の独身貴族たちがちょっとざわざわしていたけど、なんか確かに可愛いんだけど、ちょっと暗い感じがした。張り付いたような笑顔で、エミさんと一緒にあいさつ回りに来てくれたけど、覇気がないというか病気なのかなぁって位、元気がない。

 まぁ、後になってあの時は彼氏に一方的に別れ話されたばっかだったって聞いて、あんな可愛い子を振るなんて見る目のない奴もあるもんだって驚いたもんだ。きっとそういうやつって女に不自由したことない人なんだろうな。地獄に落ちろって感じ。後から聞いた話、実際それ以上の目にあったらしいけどね。


 次第に笑顔の増えていったユキちゃんの傍に、マサキが気が付いたらいるって感じ。やっぱイケメンパワーってすごいのな、と思ってたよ。


 今日もいつもの居酒屋で、モテない悩める若手同士で親睦会をしていると、マサキとタカシがユキちゃんとそのお友達2名を引き連れて飲みに来た。


おお!!さすがタカシとマサキ。1人余る女の子と何とかお友達になれないかなぁと声をかける。


「おーい。マサキにタカシ、かわいい女の子連れてるね~一緒に飲もうよー」


もう、ライオンのおこぼれに預かるハイエナと呼ばれてもかまわない。

出会いがないんだ、必死だよ。


 久々に楽しい飲みの会。女の子が飲みの席にいるだけでこんなに華やぐんだね、癒されるわー。


女の子たちが帰るっていうので駅までお見送りすることに。


スーツの女の子もかっこよくていいけど、ポニーテールの女の子、すごくさわやかな感じでイイ!!


ポニーテールって女らしくていいよ。マジで。うなじの色気と揺れる髪。下せばまた変わった雰囲気にすぐにイメチェンできるっていう神が懸かったヘアスタイルだ。おお。ポニーテール発明した人間はノーベル賞を受けてもいいくらいの世紀の大発明だと思う。


 ポニーテールの子、アヤちゃんか。また遊びに来ないかな…………。



 そうこうして、エミさんがニュースになるような事件に巻き込まれ、生死をさまよっていたらしい。意識を取り戻すまでは商店街も自粛モードになっていた。居酒屋も久しぶりで、花屋のユージとその仲間たち独身貴族の会で飲んでいると、アヤちゃんとユキちゃんとクミちゃんの三人娘がやってきた。


 アヤちゃん、今日も可愛いなぁ。


飲み過ぎたのもあるけど、ちょっとぼやいてしまった。


「なんかさぁ、出会いがないんだよねぇ。実家の家業を継いでいるとなかなか出会いがなくてさぁ」


「タカシとかマサキみたいにイケメンだったらモテるから選び放題だけどさぁ」

花屋のユージもぼやく。


すると、アヤちゃんが忘れられないひと言を放つ。



「イケメンって確かにポイント高いけどさぁ、顔だけ良くてもダメじゃん。二股かけたり不誠実だったりするよりは、人柄って大事だと思う人も多いよ?特に結婚とか考えてるんだったら経済力が条件の上位に浮上してくるんだからさぁ」


でもさぁ、女の人ってそういいつつ不動の一位が顔じゃんよ。イジケるわ。



「それぞれの好みのタイプってあるしね、私は手先が器用で機械に強い人が好きだなぁ」


上目遣いでいうアヤちゃん、酔って赤くなってるのか、照れているのかわからないけど、イイ!!


め、女神降臨!!!!


神様ありがとう、アヤちゃんは女神です!!!


 手先が器用で機械に強いって、僕のこと?!そうだよね!!そうだと言ってほしい。

上目づかいに一気に心臓が早鐘を打つ。


アヤちゃん、僕のこと、アヤちゃんが僕のこと!!!!!



そのあとの会話は正直うろ覚えだけど、夏祭りの企画で街コンを企画しようかなって話で盛り上がっていた。ほかのメンバーは目が血走っていたけど、僕にはアヤちゃんしか見えなくなりそう。


アヤちゃん、彼氏いないのかな?


アヤちゃんの彼氏に立候補していいですか?


ああ、はっきり言えたらなぁ。


言えない分眼力で伝われ!!!!



「???エイジさん、どうかしました?」


アヤちゃんが僕に声をかけてくれた。眼力レベル、1アップ?


アヤちゃんに惚れさせるべく、男子力?アップ目指そうと誓った今日この頃だった。


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