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ヘタレ女の料理帖番外編  作者: 津崎鈴子
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あの人達のあの日あの時。(アヤ編)1

その日。ムシの知らせっていうんだろうか、なんか得体のしれない予感がして、幼馴染のユキに連絡を入れた。


しかし、電話には出ず、LINEも既読にならずでいつまでも連絡が取れない状態。


思い切ってユキのアパートに行くと、そこはすでに退去した状態になっていた。

メーターには停止の札が付いていて表札もなくなっている。


ここに引っ越した時にプレゼントした手作りの表札。


 わけわかんなくて実家に押し掛けると、いつも朗らかなおばさんが沈痛な面持ちでユキが実家に居ないと教えてくれた。


しかし、今の居場所を尋ねるとそれはちょっと…………と言葉を濁される。


私とユキとテルは小学校の頃からの幼馴染で、昔から泥んこになって

一緒に遊ぶ仲だった。


三人はいわば家族ぐるみの付き合い。


それなのにおばさん、私に居場所を教えてくれない。


ユキに何が有ったんだ!!モヤモヤとする。



彼氏のテルなら何か知ってるんだろうか。


テルの実家に行くと、テルは家にいた。


ユキの話を聞こうとしたらちょっと表に、と外に連れ出される。


ユキと連絡が付かないことを話すと、テル、明らかに狼狽している。


これは何か知ってる!!!女の勘が鳴り響く。


テルは真っ青な顔をして、実は結婚することになったと告げる。


ユキとテルは10年付き合ってる。


テルが結婚するのは、ツレも近所もふたりを知る人たちの中の選択肢は

ユキ一択だと無条件に思うだろう。


でも違った。別の女と結婚すると言った。


年下の可愛い女で、護ってあげないといけない人なんだと臆面もなく口に出す。

頬を少し赤らめてすらいる。


10年…………。


10年も付き合った女を簡単に捨てて若い女に乗り換えるのか?!


テルは、天真爛漫っていえば聞こえがいいけど、かなりの甘ちゃんだ。


そもそも、ユキが別のクラスの男子に告白されそうって噂を聞いたテルが、

ヤキモチを焼いて慌てて告って付き合いだした。


ユキは、いろんな人から好かれていたのに

天然で気が付いていなかった。もっといい男は居たのに。


 テルに告られて、初めてだったから舞い上がってOKしちゃったって

言ってたけど、すごくうれしそうで幸せそうだった。


 10年続いたのは、ひとえに喧嘩しても最終的にユキが折れて再構築ってことばっかりだ。

テルが頭下げて戻ってもらったって話ばかり聞いていた。


 デートの約束をすっぽかしたり、仕事没頭でユキに連絡入れなくて疎遠になってみたり。


ユキは、いわゆる自分の都合に合わせてくれる都合のいい保護者女だった。


 テルもいいところはあるけど、私だったらデートでレストラン前で1時間も待たされたらそれで別れるけど、ユキはいつもテルをかばってた。仕事が忙しいんだよ、仕方ないじゃんって。


 ユキの献身で続いていたというのに、テルは当たり前だと思ってる。


ユキみたいな女はテルの人生でもう巡り合えないよ。馬鹿じゃないの?!


今までユキが陰でどれだけ時間をすり減らして居たと思ってるんだ。


思わずぶん殴っていた。グーパンチで。


テルが殴られた頬を抑える。うつむいていた。


「ユキ、納得して別れてくれたと思っていたのに……。やっぱり俺のこと、好きだったんだな。悪いことした」


テル、切なそうに笑う。


はぁ?!


お前は真性の大馬鹿だな!!!反省してる風のセリフだけど、それ、自己陶酔して俺ってモテモテ?ってうぬぼれてるだろ?なに悲劇に浸ってんだ。すべてはお前が元凶なんだよ。


「あんたの顔は二度と見たくない!!連絡してくんなよ!!このことはツレ全部に拡散するからな!」


絶叫して絶縁の言葉を叩きつける。



その一言の方がテルには響いたみたいだ。


ずいぶん後で、そのあとすぐにユキんちに押し掛けておじさんにつまみ出されたって近所の噂好きのおばさん連中から聞いた。


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