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ヘタレ女の料理帖番外編  作者: 津崎鈴子
12/17

あの人達のあの日あの時。(テル編)1

ユキの後輩のあいちゃんから告白されてあの時は舞い上がってた。


10年も付き合うと、倦怠期ってうかユキの言ってる事がすごく正論だって頭では理解できてるんだけど、素直に認めたくないっていう男のプライドでしょっちゅう喧嘩していた。

大概のことはユキが折れてくるのでついつい甘えていたんだけど、年下の可愛い女の子が上目遣いでおねだりしてきたり、アプローチしてきたリして、一晩だけ、思い出をくださいなんて泣かれたら、どんな男でも落ちるだろう?落ちないっていう男を見てみたいよ。落ちない奴はきっとホモだよ。間違いない。


 まさか、そのたった一回で子供が出来ちゃうなんて。


もちろん、あいちゃんはユキさんと別れられないでしょう?堕ろしますって泣くんだよ。

なんて健気なんだろうって思ったし、俺の子が出来たっていう感動もあったから、即あいちゃんに結婚しようってプロポーズした。


 あの時、冷静に考えて調べたらわかった事なんだろうけど、そのままユキと別れ話をするのにユキの職場に近い待ち合わせによく使った喫茶店に仕事帰りに呼び出した。

 ユキが怒って怒鳴ったり泣きわめいたら近所迷惑だからって思ったから、家の近所じゃない方がいいしね。


 でも、拍子抜けだった。あっさり別れ話は成立。ユキは最初こそ怒ってはいたけど淡々と家の合いかぎを返してと、俺の部屋の合いかぎをキーリングから外して渡してきた。

俺の私物だけ取りに行くのに最後にユキの部屋に上がる。


歯ブラシとかマグカップは新しの買うから捨てといてって言って、ユキが誕生日に買ってくれた5枚刃のシェーバーとかお気に入りのCDとか必要なものを紙袋に入れてさよならした。


 ユキの私物は捨ててくれってことだったけど、あいちゃんがこれ可愛いとかもったいないって言ってユキの要らないって言ったピアスとかサンダルを使うって言ったので置いといた。歯ブラシとかマグカップとか化粧品はさすがに安物だから要らない~ってゴミ箱にポイポイと捨てていく。


 そして、新しく増えていくあいちゃんの私物。


 実家にあいちゃんを連れていく相談をしに行った時、ユキと同じく幼馴染のアヤがやってきた。まだ肝心の話を親にしてなかったから、いったん外でアヤの対応をする。


すると、アヤからとんでもないことを聞かされたんだ。

ユキがアパートを引き払って姿を消したって。

なんてことだ…………ユキ、あっさり別れ話了承してくれたのに。

 そんなに俺のこと好きだったのか。泣きわめきもしなかったのに。


 アヤの右ストレートが決まる。


昔っから凶暴だったけど、アヤ、いいパンチ持ってるなぁ。


「あんたの顔は二度と見たくない!!連絡してくんなよ!!

このことはツレ全部に拡散するからな!」


 そのひとことに震え上がった。


アヤとは学校の友達がまるかぶりしてるんだ。ユキの肩持ってる状態だったら俺の悪口のような話が回されるじゃないか!!とにかく誠意をもって謝ったっていう事実をわかってもらわなくちゃ。


ユキのおばさんなら、ユキがどれだけ俺のこと好きか知ってるから、きっと悪い話は回さないだろう、喧嘩してもユキじゃなく、俺の味方してくれていたんだから。


 それなのに、いきなり怖い顔して帰ってくれの一点張り。おまけに運悪く俺を目の敵にしているユキのお父さんが在宅していて、誠意を持って謝ろうとしたのを阻止されつまみ出された。

子供のころからこのおじさんとはウマが合わない。


 仕方ない、ユキの弟のユウキが帰ってくるのを待とうとしたら血相変えて走ってきたおふくろにぶん殴られてそのまま家に連れて帰られた。


 どうも、何日か前にユキのアパートに謝罪に言ってたらしい。

なんだ。それなら早くいってくれよ。誠意を込めた謝罪がすでにされてたんじゃん。

ちょっとホッとした。


 あいちゃんのお腹の子が目立たないうちに式を挙げるっていうから、県外に嫁いだ姉ちゃんや寮生活している妹のハルカを家に呼ぶことにしたけど、ハルカは、あいちゃんに挨拶されてるってのにユキちゃんはどこ?の一点張り。姉ちゃんは姉ちゃんであいちゃんに俺の子かどうかわからんからDNA検査をして証明しろってうるさいし、あいちゃんは姉ちゃんに怒鳴り返すし。俺はふたりの間でオロオロするしかなかった。


 そんな気まずい午後に、隣の県の商店街のイベントのニュースをやっていた。

喧嘩は続いていたけど、TVの声にみんなが振り向いた。


 ユキだ。


10年付き合って、聞き間違える筈もない。ユキだった。

こだわって伸ばしていた長い髪をバッサリと切っておかっぱ頭にしていた。

すごく新鮮だ。元気そうだなぁって思っていたら。


 なんか知らない男といい雰囲気で話して居るのが見えてなんだろう、すごくモヤモヤした。

 いや、俺にはあいちゃんがいるよ、でもさ、こんなに早くにほかの男にいかなくてもいいじゃん。

なんかムッとする。あいちゃんは、あんなかっこいい人とありえないって呆然とするし。


 なんだろう、ユキは絶対俺に惚れてるんだから、こんなすぐに他の男が出来るなんてってイライラする。いや、わかってるよ、俺にはそんな資格ないって。でも理性はそうでも感情としてはモヤモヤする。

 気が付いたらハルカがいない。


近くを見て回ったけど、どこにもいなかった。

あいちゃんにムカついて寮に戻ったのかもしれないとおもってほっておいたら

その時ユキのところに行ってたらしい。ユキの親戚の人から電話があった。

おふくろは泣いていたけど、ユキとちょっと話そうと電話を貸してくれって騒いだら。おふくろに蹴り倒された。おふくろは大昔にツッパリっていう人種だったらしい。結局話させてもらえずに電話は切られた。電話で話出来なかったと口惜しがっていると、あいちゃんが気分を害しちゃので謝り倒した。結局お目当てのブランドの指輪を買う事でご機嫌は治ったようだ。ユキだったら笑って終わる話なんだけど。


女って面倒くさいけどかわいいよな。


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