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7 外交Ⅲ

現実も腹の内では似たようなことを考えていそうです。

 「来てやったぞ」


 「おう、あれだけ吹かしてよく来れたもんだな」


 「ケッ、お互い様だ」


 ジョーカー大統領の前にF国大統領が腰掛け互いに軽口を叩き合う。


 合衆国大統領とF国大統領との首脳会談はこうして軽いジャブの応酬で始まった。


 「で武器輸出の件だが・・・」


 「おう、持ってけ持ってけ。アカと犯罪者どもをどんどんぶち殺してやれ」


 「話しがわかるじゃあないか」


 「そりゃあ奴らを駆除するのは首長としての責任だろう。人権なんぞくそ食らえだ」


 「そうだろう、そうだろう。逆らう奴らは皆殺しだ。今度のトップは話しが分かる奴で助かるぜ」


 「フッ、そんなに誉めるな。いままでの奴らが甘かっただけさ。しかしC国の方はどうするんだ?居座られているんだろ。エラく甘い対応をしているようだが」


 「ケッ金を搾り取るだけ搾り取ったら追い出すぜ。そんときには頼むぜ。代わりにまた安く基地を置かせてやるからさ。お前のとこだってウチに中継基地がないと不便だろ」


 「チッ、仕方ないな。今度だけだぞ。それに駐留経費はそちら持ちだ」


 「それならC国向けの産品をそちらに回すから関税を低くしてくれ」


 暴言王達の会談は意外にすんなりと進んでいくのであった。





 「大統領、よろしいのですか?CIAからの報告ではこのまま武器を輸出しますと数万人規模に犠牲が拡大ずるとのことですが」


 会談終了後、補佐官がジョーカー大統領に話しかけた。


 「構わん、構わん、有色人種のサルどもがいくら死のうとこっちは痛くも痒くもないわ。それに軍需産業には選挙の時にたっぷり献金してもらったからな。飴をしゃぶらせてやるさ」


 「はぁ・・・」


 こうして大量に供給された武器によって無実の者を含む数万人の人間が虐殺されることになるのだがこれもまた別の話しであった。

次回は内政編の予定です。

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