2 争乱
あれ?暴徒が数の力に委せて蹂躙するつもりが・・・。
N市某ストリート。
そこに多くの人々が集い一方向に向かって歩いていた。
彼らの憎しみがこもった目は皆一つの方向を向いている。
そこにはジョーカー大統領の邸宅があり既に多くの群衆で溢れかえっていた。
大統領宅を派遣されてきた州兵と警官隊が囲みその周囲に数千人規模の大統領支持派が屯しグルリと堀のように数メートル離れて不支持派の群衆が詰めかけ互いに睨み合っていた。
大統領支持派の多くは手に小銃を手にして多くが素手の(携帯のカメラを向けている者はいたが)不支持派を威嚇していた。
一触即発の状況だ。
実際には続々と詰めかける群衆の圧力に大統領支持派は緊張感が限界に近かった。
「大統領命令だ!暴徒は死んじまえ!」
あっさり大統領支持派の一人が限界に達し不支持派に向けて小銃を乱射し始めた。
つられて他の大統領支持派も発砲を始めた。
不支持派にも銃を所持した者はおり応射する者もいたが銃所持の密度が違い(発砲する大統領支持派の背中を同じ大統領支持派が撃つという間抜けなことが各所で起こっていた)大多数の者が逃げ惑った。
しかし詰めかけてきた不支持派の数の多さが災いし互いが人の壁となって逃げ道を塞ぎ犠牲者の数を増やしていった。
警備の州兵や警官達は積み重なっていく犠牲者達を青くなってただ見ていることしかできなかった。
この時点では不支持派にはまだ根性が足りていませんでしたね。
次回に期待です。




