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ぼくの詩集

友よ

作者: 桜井あんじ

友よ

君ほど生生しいひとを ぼくは見たことがない


君はちっとも 他のひとのように 人形のようでない

君はちっとも すまして座ってなど いない

君の心は南国の花のように 肉厚で

繊細過ぎず 逞しく 鮮やか過ぎるほどの色で 存在を主張する


時には目を背けたくなるほどに

君は生生しく

あけっぴろげで 正直だ

君は大きく 口を開け

この世界で 君の欲するものを 全て 飲み込もうとする


君は妬み憎み嫉み

怒り叫び歌い踊る

悪態をつき嘘をつき

思いのままに食らいつく


考え 語り

受け入れ 行動し

喜び 悲しむ

時に浅はかで 弱い


人とは生生しいものだね

君はとても 人らしい

ともすれば肉の身であることから目を背け

フワフワしがちなぼくの 目を覚ます


友よ

いつも優しく穏やかで 親切でなくて構わない

空気を読んで気を使い 微笑まなくて構わない

癒やし系なんかじゃなくても ちっとも構わない


友よ

いつも幸せな人なんかじゃなくて 構わない

君ほど幸福なひとを ぼくは見たことがないのだから

君はちっとも 「何か」や「誰か」をやろうとしない

君は全力で 「君自身」を行う

君は人間だ

ぼくは この世界で 少なくともひとり 人間に出会えて 良かった

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