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実況してたら、トリップしました(汗)  作者: 橿原 錬
第一章
5/13

これこそ、意味不明です(笑)




 画面を通して聞こえてきたのは、子供の声だった。アルファースと俺は未だに混乱していて、なにがなんだか分からないような感じだった。


〈初めまして、僕は君達を迎えにきたよ〉

「───迎えに……」

『きた?』


 顔は見れていないのだが、この子供は糞餓鬼だと考えられる。


 例えば俺のスマートホンとパソコンの番号とメルアドを知っていて、わざと掛けてきた……。ということでいけば、大体の予想はできる。


 だが、あんな高度なプログラミングのアルファースを負かす勢いで、しかも俺の苦手分野である“オセロ”を知っていた。苦手分野を知っていたといったほうが早いだろう。


〈そんな怖い顔しないでよ、錬さん!〉


 ──……んっ?


「アルファース……、俺はこの糞餓鬼に名前など教えたか?」

『教えたの?』

「確認だわっ!……もし、教えたとしたら、俺はバカだろ」

『元からバカじやない?』

「っ、てめぇ……!!」


 俺ら二人は糞餓鬼なんかほっぽいて口喧嘩に没頭している。


 あの糞餓鬼の顔を見ることができるはずもなく、今どんな表情をしているのだとか、どんな服装をしているのだとか、そこら辺が理解しがたいところだ。


〈いきなり二人の世界に入らないでよ。あ、名前教えていなかったね。僕はテルミアス!よろしくねっ〉


 いきなり出てきて、いきなり名乗りやがったこの糞餓鬼……、テルミアス。何を考えているのかさっぱり掴めない。


〈ねぇ、何で名前を知っているか……だったね。僕の答えられる範囲なら大丈夫だけど、……覚悟とかは出来ているかな?〉

『覚悟……?』

〈うんっ!あぁ、やっぱりアルファースちゃんの声は萌えるね!可愛いよ!〉

「いきなり話反らしやがった……」


 この話ぶりからいくと、昔から俺やアルファースのことを知っているようで……、いつから?いつから俺らがこのネットワーク世界に入り込んだことを知っているんだ?


 どんどん謎が深まっていくばかりで、アルファースとテルミアスのことをすっかり忘れていた俺は、アルファースを一先ずスマートホンの中に組み入れた。


 今後何があるからわからないから。──もしも、離ればなれとかになって終わぬように。


「んで、テルミアス。俺ら二人に何の用があってここに来たんだよ……。パソコンやスマートホンを持っている家庭なら沢山あるじゃないか?」

『そうよ。何でわざわざここに?』

〈それは今からゆっくり話すよ……。出発までまだ時間はあるからね……〉


 最後にボソリと呟かれた一言は、俺には聞き取れなかった。だが、アルファースは聞いていたようで、その一言を聞いた途端に顔をしかめた……。


「あ、アルファース……?」

『……っ……?あぁ、ごめんなさい、貴方に悪気がある訳じゃないの』

「……お前……」

『錬────』

「デレることができたのかっ!」

『…………はぁ?』


 ──アルファースがデレてくれた!俺の好みにぴったりに設定しておいてよかった!!まったくぅ!


『……人がせっかく心配してあげてんのに、その態度は何かしら?錬……』

「あ、アルファースぅ?」


 ──このときの俺は、アルファースに殺られてしまったのだった。ちゃんちゃん───……。じゃ、ねぇーよっ!!


〈……、一先ず簡単に説明するね?君達を迎えにきたよって言ったよね?〉

「あぁ……」


 テルミアスに話を戻され、俺はテルミアスに言われたから相槌をうつと、テルミアスは顔をしかめた。


〈君達はこれからここではなくて、別の世界……、そう……。“異世界”に行ってもらうために、君達を選んだんだ……〉


 お父様、お母様、兄貴、アルファースよ……。



 俺は死ぬの?

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