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囚われアリス、  作者: 葉山 樹
3/11

旦那様、






「はじめまして、可愛いお嬢さん。」





 ニヤニヤと“旦那様”らしき男が着物で座っている。いつかの時代の殿様みたいな、ポーズに部屋でまったく、緊張してしまう。






 私は、笑顔を貼り付けようとしつつも、やっぱり、そんな男を睨んでしまうのである。







「まあまあ、そんなに睨まずに茶でも飲みな。爺の1人酒に付き合ってくれよ。」








 「ガハハ、」とやっぱり、殿様みたいな男に勧められた茶を手に取る。そして、一口、口をつけた後、口当たりのいい茶にホッと息をついた。






「旦那、酒をお持ちいたしました、」






 遥が襖を開いて、盆を男に差し出す。男は、お猪口に並々と酒を瓶から注ぎ、口に運んだ。くいっ、とお猪口を傾けると、「くぅっ、」と喉を鳴らした。







 私は、飲んだことがないが、やっぱり、お酒というものは美味しいのだろうか。まあ、飲もうとも思わない。





 昔は、赤字だらけで荒れた父が、酒を飲んで暴れたものだ。その時は、割れそうなものを手に持って、部屋に避難したのだ。おかげで酒については、いい思い出がない。







「お嬢さん、」





「有栖川 亜理紗です、」







 “お嬢さん”と呼ばれるとむず痒いので、訂正を入れておく。それに、何となく馬鹿にされている気分になるのだ。







「あぁ、すまないね。女の子の名前を呼ぶことに慣れていないものでね。

 …亜理紗君、が呼びやすいかな。

 私は、龍崎(リュウザキ) (ゼン)という。

 旦那様でも、漸でも、好きに呼んでくれ。」









 私は、「はあ、」と会釈をしてから、話を促した。











***





 旦那様はつかみどころの無い人のようです。







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