表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
18/30

繰上げ抱擁(BB)

もし死ぬなら2人で・・・とかいうさびしんぼでもないしロマンティストでもないし。じゃあ何でこんなの書くの?と聞かれると「わかんないんですよねー」としか言えない・・・。

少し早いけどもう眠ろうか

明日の準備は整ったし

君と手を繋いでまどろむ


死んだ母親の夢を見た

僕の手を引いて配給のお米を片手で担ぐ貴方

父親は朝から酒を飲んでいて昨日はTVを壊し

今日は茶の間の出窓を割った

そんな夢のような 過去で現在で未来は明日か

飛鳥 僕もまた酒飲みでそう仇名されていた


一週間前も六日前も五日前も四日前も三日前も一昨日も昨日も

ずっとずっと飲んでいたんだ 何だかわからないけどやりきれなくて


色々考えてみたけど妻には内緒にしておきたいし愛してるとは言っておいたから

不思議な顔して貴方どうしたのって彼女は聞いたけど本当は気付いてる


君の存在がパッションなんだ 売れない作家のちんけなプライドに付き合ってくれて

ありがとう


僕は一度寝た女と出会うと一度きりの関係だと割り切れない

泥酔してまた再交という事になる その時思い出すんだ 

念仏の夫婦の間でも邪淫するなという言葉を

けれど生まれたときから刻印された快楽児の呪いは消せなくて


だから一緒に眠った事はあるけど抱いた事はない君を選んだんだ

少し寒いな 明日は雪の予報だから


ぐっすり眠れたよ さっぱりしたものさ さあ出かけよう


でも意気地がなくてやっぱり朝から酒を飲んでしまったね

これも仏典には反するみたいだけど不安だし青ざめた顔でいたら不審がられるから


いつの間にか夜になってしまったね 月明かりが本当に綺麗だ今夜は

涙が出ちゃうほど


最後になるけど温もりに触れさせて 繰上げ抱擁


じゃあロープを貸してくれるかな きつくきつくだよ

まずは足から そして二人背中を向け合って手首を縛った


寂しいね 明日朝日は昇るかしら きっと昇るよ その前に行こう


二人は川に飛び込んで翌日死体で発見された


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ