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アトリエをいじることはできず、ジョエルは階下の部屋の床を拭き始めた。


女は巣作りをする。寝具を整え、台所で料理もできるようにした。数日のうちに部屋には新鮮な風が入り、暖かい光が満たすようになった。ジョエルは自分の金で買ったレースのクロスで食卓のテーブルを覆い、大好きなアネモネの花を飾った。


白いレースの上で咲くアネモネの真紅は、苺の赤にも、血の赤にも見える。無邪気な情熱がジョエルを生かすのか殺すのか、19年の知識では制御できない。エドアルドだけが彼女の世界にある。エドアルドだけが自分の心を満たす。愛するとはこういうことなのかもしれない。胸に湧き上がって溢れ出す喜びの中でジョエルは眩しいほどに輝いた。


「手を前で交差させて。」


エドアルドは家にいるときはいつもジョエルをモデルにデッサンを重ねていた。部屋の変化に男は無関心である。自分の情熱を好きな時に好きなところで自分勝手に押し付けるだけだ。


それを愛だと思っている。愛するということがどういうことか、それすらも無関心なのかもしれない。ジョエルが愛おしいのは嘘ではない。


彼女を自分だけで占有したい。それを愛という言葉で表せるのかわからない。概念の境界すらわからない。エドアルドはジョエルの瞳を愛した。ジョエルはエドアルドの瞳を信じた。


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