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エドアルドは体調がいいと階下に降りて、ジョエルのベッドの脇で過ごした。


「眠っていいよ。ここにいるから。」


エドアルドはジョエルをスケッチしながら、話しかける。


「子供の時、花を育てていたの。庭師のところにいつもいるから、よく怒られたわ。」


ジョエルはエドアルドの動かす手先を眺めながら静かに思い出した。


「内緒で土をいじって、苗を植えたり、球根を植えたり・・育つのが楽しみだった。でもどうしてもアネモネだけはうまくいかなかった。花を咲かせることができなかったの。」

「だからよく買ってくるんだね。」

「お父様は私が欲しいと言うと何でも叶えてくれたけど、アネモネだけはそうはいかなかった。欲しくても手に入れられない物もあるのよ。」

「お嬢様は買える物では満足できなかったんだ?」


エドアルドが、木炭の手を止めずに少し茶化すように話を遮った。


「えぇ、蕾をつけて、花を咲かせるところが見たかったの。」

「愛しているよ、ジョエル。」


ジョエルの美しさに不意を突かれて、エドアルドの口から愛という言葉が零れ落ちた。


「・・私も愛している、ずっと。」


エドアルドと交わされる視線にアネモネの花が咲く。ジョエルはエドアルドの瞳から愛を受け取り心の中で開かせた。エドアルドは痩せ細り肌の光沢のなくなったジョエルの瞳に、初めて出会った時から変わらない美しい深い色を愛しく見つめた。


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