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「阿片チンキにも手を出してるみたいだな。」


リッカルドはエドアルドの後ろ姿を見ながら、呆れたような諦めたような顔でガブリエーレに言ってみた。


「あぁ、そうみたいだな。作品が売れても、酒に女に、その上、薬まで買ってたら、彫刻材を買う金もなくなるよ。まったくな。」


エドアルドの醜態がいつ始まったのか、二人は各々出会ってからの十数年を回想していた。


巴里に来てアカデミーに入った時から、何処か陰が拭えない雰囲気を持っていたが、まだエドアルドには志す芸術があった。今でもそれは変わらないが、芸術は彼の人生を豊かにはしてくれず、生きる苦悩だけを与えた。


人間として生きるには、芸術は彼に冷淡だった。芸術は屋根の下で食べて寝ることすら困窮させる。表現したいことを作品にするのか、金のために作品を作るのか、生きることの根本を考える。美術商の注文通りに彫っている自分が、エドアルドである必要があるのだろうか。生きることに見放されればされるほど、彼は酒を飲み薬に溺れ、芸術にのめり込んでいった。


人は闇の中に生まれてくるのだろうか、闇を選んで落ちていくのだろうか、エドアルドの腕をいくら掴んで引っ張っても、闇から出てこないのは彼の意思なのだろうか、力の及ばない運命なのだろうか、ガブリエーレの煙草は吸わないまま灰になっていった。


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