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臍の下あたりがふっくらと膨らんできて、嬉しい想像を確信に変えたジョエルはエドアルドに打ち明けるのが待ち遠しかった。彼の表情が楽しみである。どんなに喜んでくれるだろうか。これからは二人で同じ喜びを味わえる。ジョエルはお腹の子供が愛の証であると信じている。エドアルドがいつも自分の中にいる。


この膨らみはエドアルドがくれた私だけのもの。そしてこの愛は他の誰も彼に与えることはできない。エドアルドと自分だけの繋がり。


アトリエにこもるエドアルドに浮き立つ心で近づいて、ジョエルは思い切って告げた。

 

「エドアルド、私・・・子供ができたみたい。」

「えっ・・・」


エドアルドは驚いて硬直した顔をジョエルに見せた。


「・・・本当に?絶対に間違いないの?」


何度も確かめるエドアルドに少しの違和感はあるものの、ジョエルは華やいだ微笑みで返した。


「本当よ、あなたの子よ。」

「・・あぁ・・・」


エドアルドの頭には咄嗟に金の算段が浮かんだ。喜びの欠片は現実の生活の困窮に消えていく。


「嬉しくないの?」


大喜びするはずのエドアルドに笑顔すらないことを、ジョエルは単に不思議に思った。


「嬉しいよ。体に気を付けないとな。」


作った微笑みをジョエルに与えたが、エドアルドは少し先を憂いた。可視化できない縛りが見えそうである。忘れたいとすら思う。


「ええ。」


あっさりとあしらわれても、ジョエルの喜びは変わらず大きいままだった。彼女には牢固たる腹の膨らみしか見えていない。それは不安定なエドアルドとの生活に下ろされた錨であり、未来を確約する引換券であった。


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