表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
25/51

25

「こんにちは。パメラの友だちで・・・エドアルドとも同じ学校で・・・」


ソノは刺すような女の視線をかわすために、急いで自己紹介をしながら階段を降りた。と同時にその顔に見覚えがあるとも思った。そうだ、彫刻の女性の頭部はこの人だ。その他の絵も彫刻もこの人である。それに気づいた途端にアトリエとパメラの裏にあった仕掛けを読み取った。


「こんにちは。」


ジョエルはソノが敵ではないと直感したのか、小さな安堵を持って挨拶した。


「ソノって言います。日本から来ました。」

「そうですか、遠くから。私はジョエルといいます。」


ジョエルは少しはにかんだ少女のような顔で微笑んで返す。ソノはその瞳の深い美しさに魅了された。


「ここに住んでいるんですか?」

「えぇ、エドアルドと。」

「・・そうですか。・・私、外套を取りにきたんです。」

「あぁこれかしら?」


ジョエルは壁に掛かった外套に手を伸ばし手鉤から外すと、ソノに丁寧に手渡した。


「ありがとう。」


短いやり取りからでも、ソノはジョエルの教養のようなものを感じた。


そして日本人に近い性質を持っていると分析した。内心の感情を不用意に表現することはなく、物静かで従順、礼儀正しい。ジョエルは静かにエドアルドを愛している。静かだが確固として揺るぎない。


パメラはジョエルに勝てないだろう。ソノは直感した。自分の激しさを制御できないパメラは、きっと壊れるまで燃え続けるしかできない。その炎は内側に収まるほど小さくもないし、制御できるほど予測可能でもない。ソノの心配はさらに大きくなった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ