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二人で並んでお喋りしながら歩く楽しい時間が蘇ったかのようで、ソノは心軽く歩き出したが、もはやそれは思い出の中にしかなかった。パメラはあまり話さなくなり、出てくるのはエドアルドのことばかりである。パメラの思考にはもうエドアルドしかないのではないかとソノは思った。
「エドアルドはこの頃また絵を描き始めたの。彫刻をやっていたんだけどね。私の絵を見てまた絵を描き出したの。」
「パメラの絵は私も好きだわ。情熱的で鮮やかな緑と赤が強烈で忘れられない。」
「エドアルドも私の緑の色に影響を受けているみたい。」
「素敵ね。同じ絵を描く人ならお互いに刺激があって。」
「そう、よく言い合いになるけど、彼はずっと年上だから、なんでも受け入れてくれる。喧嘩にはならないわ。」
関係が築けているような二人なのに、なぜパメラに影が差しているのか、ソノには不可解だった。
「ここよ。」
パメラは慣れた手つきで鍵を開けて外套を壁に掛けると、ソノを促してアトリエに上がって行った。




