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パメラの怒声を遮るようにドアを閉めると、ジョエルは自分を落ち着かせるように下腹部をゆっくりと擦った。エドアルドと自分の間をこじ開けてパメラが入ってくることは絶対にできないと確信を強めるために腹を擦る。


このひと月食欲がなく熱っぽい。気分が優れないことはこれまでもあったけれど、これは風邪ではなかった。ジョエルの確信は月の物が来ない日が続くほどに強くなっていた。エドアルドとの愛の結実が確実なものになることを心から願って待った。


これでエドアルドは自分との繋がりを絶つことはできなくなるだろう。腹に手を当てるとジョエルから不安が消えて揺るがない明日が広がった。パメラも怖くはない。必ず去って行くのだ。


ソノは毎朝決まった時間に教室の決まった場所で絵を描き始める。巴里の学生生活にも慣れて順調に技術を習得していた。そしてクラロッシに出席しなくなっていたパメラを心配し、一緒に過ごした楽しい時を思い返していた。


するとイーゼルを引き摺って、あまり直射の差さない場所でデッサンを始めるパメラが見えた。ソノはいつものように声を掛けたかったが、精気の薄れた瞳の下には影ができ、薄汚れたように見えるパメラに唖然として言葉が出なかった。初めて会った時、彼女の顔から放たれていた輝きはもうない。勝手にしていた心配は現実の心配になり、ソノは静かに話しかけた。


「こんにちは。どう?」


近づいて覗き込んでみるパメラの顔はやはり精気がなく肌が死人のように見える。


「あぁ、ソロ、元気にしてた?」


虚ろな目で見上げて、それでも嬉しそうな顔でパメラは返事をする。


「えぇ、毎日勉強が忙しいわ。でも楽しい。」


ソノはいつもより快活な声で二人の間を盛り立てるように話してみる。


「よかった。楽しんでるみたいね。」


快活な空気に馴染むことができないパメラは、彼女の小さな囲いの中にいるようだった。


「大丈夫?体調が悪そうに見えるけど。」


「えぇ、大丈夫よ・・・そうだ、このあと、私の彼の家に一緒に行かない?」


ソノは以前パメラが彼を紹介すると言っていたことを思い出した。


「・・そうね、久しぶりに会えたし、少し話しましょう。」


初めてクラロッシに来た時にパメラが助けてくれたように、ソノもパメラのために何かしてやりたかった。そんな恩がなかったとしても、やつれて見える彼女をソノは放ってはおけなかっただろう。


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