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その日からソノはパメラに会うことが楽しみになっていた。パメラは外見の美しさを原因としない自尊心で立っている。潔く気高ささえ感じさせる。パメラもソノに好感を持っていた。ソノの筋の通った凛々しさを好んだ。そして地の果てからやって来たソノの勇気を尊敬した。
「よく行くカフェがあるのよ。今度一緒に行きましょう。」
半ば好奇心と親切心からパメラは気安くソノを誘った。
「えぇ、課題が完成したらね。」
「いいじゃない、締め切りなんて何とでもなるわ。」
「でも・・・私はあまりお酒も飲めないし。」
「じゃあ、町を散策しましょうよ。いろいろ紹介するわ。」
「来たばかりで学校と家の往復しかしていないの。」
「そんなの駄目よ、芸術家なんだから、いろんなことを自分の目で見て経験しなきゃ。」
パメラに押されるように、ソノは自分の義務と忠誠を新しい世界での均衡に掛けて、時間を作り出してはパメラの後について行くようになった。
パメラと歩く巴里の街で、ソノはどの街角でも絵を描きたいと思った。歴史のある美しい建物、古くなって崩れ落ちそうな壁、物売りたちの活気、見るものすべてを自分の絵の中で表してみたかった。パメラは流行りのドレスを見せたり、食べたことのない甘いものをソノに食べさせては反応を喜んでいる。
何か月もかかった巴里までの航海のこと、昨日食べたお菓子のこと、パメラにとってもソノにとっても珍しく新鮮なことばかりで、二人は真剣になったり、笑ったり、その会話を止めることなく歩き続けた。
するとふと空を塞ぐ薄雲を見上げて、パメラはさらけ出して誰かに見せたかった思いを急にソノにぶつけた。
「私、大事な人がいるの。」




