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「どうもありがとう。」


ソノは寸分の狂いもなく神様が作ったパメラの顔に見惚れながら、丁寧にお礼を言った。日本には絶対に存在しない頭部であるとソノは確信する。


「私はパメラ。私もここに来たばかりよ。よろしく。」


頷くソノにパメラは快活に話し続けた。


「男ばっかりでしょ。女なんてここじゃ存在していないようなもの。女がヴァジャイナにしか見えない低能な男は相手にしちゃだめよ。」


本当の愛を知っている、持っているという自信と確信は、奔放なパメラに更に強さを与えていた。呆気にとられたソノは返す言葉がない。黙って美しいパメラを見つめる。


「好きな絵を描くだけ・・大丈夫?私の言っていることがわかる?フランス語話せるの?」


話し続けるパメラを見つめるばかりで、言葉を発しないソノを訝し気に眺めて言う。


「えぇ、フランス語は一生懸命勉強してきましたから。」


ソノは慌ててフランス語で言葉を組み立てて返事をする。


「わかった、わかった。ははは、変な発音だけど言いたいことはわかるわ。私が教えてあげる。」

「あぁ、ありがとう。」


面倒見がいいのか、日本人が珍しいのか、パメラはソノに近づいた。


「あなたいくつ?家族はいるの?日本はどんなところ?日本の人は着物着ているんじゃないの?」


子供のような好奇心で矢継ぎ早に質問するパメラに、すべて答えようとソノは努力する。


「23です。家族は日本にいるわ。日本はこことは全然違う、なんていったらいいのか・・・」


質問に答え終わる前にもうパメラは次の質問をする。


「なんでそんなに背中が真っ直ぐなの?コルセットが硬いの?なんかドレスに入っているの?」


姿勢のいいソノの背中に手を当てて、パメラは不思議そうにソノを眺める。


「えっ?いえ、普通です。ただ普通にしているだけ。」

「ふぅん、きっといい家柄の出身なのね。そんな感じがする。」


邪気のない透明の生気を宿したパメラの美しさが、ソノの肩の力を緩ませた。


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