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「先生様、どう、これが私の作品。」
パメラは、小さな部屋の壁に後ろ向きに立てかけた数点の油絵を、ふざけた調子でエドアルドに見せた。キャンバスからはみ出しそうな肉感的な裸婦が、強烈な赤と緑の背景に負けない迫力で横たわっている。作品はパメラのように大胆で、彼女の顔立ちのようにはっきりしている。
「ふぅん、いい色だね。オレもまた絵を描こうかな。絵が描きたくなったよ。」
「それって褒めてるの?」
「構図をもう少し考えたらいいんじゃないか。」
「・・・えっ?どういうこと?」
パメラはエドアルドに食い下がるように質問する。エドアルドは彼女の負けん気のような活力に一瞬面食らったが可愛らしくも感じる。
酒を飲みながら芸術を語り続ける。煙草の煙が部屋に充満する。若いパメラの着眼点はエドアルドには的外れだったり、浅はかに見えたりするが、新鮮で楽しい。大笑いして何度大家に叱られても話し続けた。
左手の人差し指と中指にずっと挟まれているエドアルドの煙草を奪い、パメラはひと吸いすると灰皿で消して、飲もうとしたグラスも奪いテーブルに置くと、エドアルドの唇に自分の唇をゆっくりと近づけた。エドアルドの唇を楽しむようにその舌を這わせる。パメラの情欲がエドアルドの中心まで到達すると、今度は彼がその四肢すべてでパメラを絡めとる。
筋肉質で張りのあるパメラの体は、エドアルドには炎のように熱く、薬のような刺激だった。愛し合うと生を感じられた。安らぎでも快楽でもなく、生きる力に触れられる。生きている迫力がパメラとともに燃える。エドアルドはその生気を愛した。もう一度死の淵から生還できそうな感覚がする。




