短編 34 カモノハシだぜブラザー
……迷走してたんです。ええ。
ネタが無いとこうなるんです。ええ。
それでも書かねばならんのですよ。ええ。
ブラザー。
俺の話をしようじゃないか。
俺はカモノハシ。
カモノハシって知ってるか?
尻尾がしゃもじみたいな形をしてるビーバーみたいな生き物なんだぜ?
でも俺達なんと卵生なのよ。そう、つまり鳥とかそんな感じ。
ビーバーなんだぜ? ネズミとかカワウソっぽいのに卵で殖えるんだぜ?
すげーだるぅ?
思わず巻き舌になっちまうくらいの衝撃だるぅ?
見た目はダックに近ぇとかよく言われる。まぁ親戚なんだろうなぁ。生活圏は遠いけど。
あのくちばしには親近感を覚えるぜ。グワッとな。
俺達カモノハシには他にも驚きの特徴ってのがある。まぁ生きる上で別に知らなくても良い知識なんだけどな。
あれだぞ? 俺達のくちばしはすっげー敏感に出来てるから優しくしろよ?
くちばしを見たら部位破壊!
とか止めろ。
マジで止めろよ?
火とか吹けねぇし超音波も出せねぇからマジで止めろ。
ダメージ倍率うはうはですー。
とかないからな。マジで止めろ。
俺達は一応ほ乳類ってことになる。鳥じゃねぇのよ。別に鳥でもいんじゃね? とはみんな思ってる。鳥は鳥でも鳥竜も良いよなぁ。やっぱドラゴンは一度なら憧れるよなー。くわわわわーとか叫んでみたい。
……止めろよ? くちばしは止めろよ?
俺達は卵で生まれて孵化したあとはママンのおっぱいで育つのさ。おっぱいとは言うけどおっぱいっぽいおっぱいじゃねぇぞ? いや、雄っパイでもねぇぞ。
乳腺って奴だな。
うん。よくわかんねぇよな。でも人間にも副乳ってのがあるんだよな? 複だっけか? 腹だっけ。
元々6つぐらいあったんだよな、人間にも。その名残があるって聞いたぞ。この前ビーバーさんに。
あ、ビーバーはダムを作ることで有名だけどカモノハシはそうでもないから期待すんなよ?
巣は作るけどビーバーみたいなダムは作んねぇよ。あれ、やりすぎじゃん? ほら、俺達卵生だし。卵を置くために家を作るんだよ。
家と言うか……巣?
外敵から襲われないよう水中を経由しないと入れないマイホームを土手とか掘って作るんだよ。
なんつーか……隠れ家的な?
体力減ったらここでオネムなのですー。すぴー。
そんな感じの巣だけど寝てるカモノハシは殴るなよ?
寝ててダメージ三倍やでー!
とか、ないから。
うへへ、爆弾で一撃必殺じゃー!
とかも止めろ。
最近のガキはその辺の区別が付かなくて本当に困る。
この前は『サイコキネシス使えるのー?』と言われて絶句したぜ。使えてたまるかボケ。
いい年こいた大人からもそんなことを言われてみろ。
呆れてくちばしをカタカタさせちまうぜ。HAーHA-HA!
……カモノハシジョークだぜ?
そんなわけで俺達カモノハシは色々と……あ、そうだ。俺達の雄には毒の爪があるから迂闊に触んなよ?
かなり特殊な毒らしくてなんか……すごく痛いらしいぞ?
まぁ俺には分からんけど。
俺……メスだし。
今は巣の中で卵を抱いてるんだぜ。
つまり暇だ。
火を吹く練習してみっかなー。
毒の爪とかそれっぽいよなー。
でも飛べないんだよなぁ。
だって俺らはカモノハシだし?
今回の感想。
ワキ毛の後にこれですからねー。はははー。波ってあるんですよ。