現想異文奇譚。～One World One Life～

彼は、目が覚めたら、森の中にいた。
戸惑いながらも、生きるために食料や水を探しに、歩み出す。
ここは一体どこなのだと、森の違和感に疑問が頭の中で回り出す。
後ろで、葉の音が聞こえると、そこには自分の常識を逸脱した、水を雲の様に漂わしている蛇がいた。

それを見て、あることが頭の中に思い浮かぶ。

彼は森の中を進んで行くと、見たことのない果物や、摩訶不思議な、生物と思われるものと遭遇した。
霧が晴れて視界が鮮明になる様に、自分がいた世界とは違う、異世界、という言葉が浮き上がる。

彼は、自分の身長より高い木々を、空から見下ろしているのかと思うほど、高い崖に立った。
水平線の向こうを見ると、左手に街がある。
そこに行こうと決め、崖を降りる手立てを探した。

彼は、街に訪れた。
衣食住を確保し、元の世界に戻る手がかりがあるのを知った。
それは、英雄に値する者になること。
彼は、その為に冒険者になると決める。
英雄になる、それは、強さと功績が必要らしい。
自分にできるのだろうかと不安になる。
だが、彼は、やるしかない、と思いこの世界で生きることを決めた。