2話
まあ、とりあえずそれは置いておいて、今週末のライブについて考えてよう。
今は昼休み時間で1人ボッチよろしく弁当を食べている。
「とりあえず12時スタートで開演が11時だから…」
ライブは単独ではなく合同なので、メッセージアプリのグループチャットにて参加者で打ち合わせをしている。まぁ、結構なんというか以前自分がいたところの現場より参加者はのほほんとしている。殺伐としていない雰囲気が気に入ってはいるが。
トーク画面に文字を入れようとした瞬間、何故か机に影ができる。はて、と思いながらスマホから目を外し目の前を向くと、
何故かクラスのカースト上位の女子、倉科 美星が俺の机の前に腕を組みながら立っていた。ギャルですと言わんばかりの金髪にバッチリ化粧、着崩した制服、陽キャ集団の1人だ。
「ねぇ、あんたさ」
「は!はい!なな、なんですか…」
めちゃめちゃ小さい声で挙動不審に返事をしてしまった。やばいこれは絶対きもいと思われてる。というかなんでこいつが話し掛けてきたんだ。いつものチャラチャラした奴らとなんで一緒にいないんだ、と思ったら少し離れた所にカースト上位集団がいる。俺に話しかける罰ゲームか?
「なんでいっつもそんなダサい格好してるの?」
「えーと???」
「髪ぐらい整えたら?そんなだからいろいろ言われんのよ」
美星はため息を大きく吐きながらチャラチャラ集団もとい陽キャ集団のの元へ向かって行った。
え、結局何が言いたかったの??俺の姿が不潔だから整えろってこと?(そこまで言っていない)
一体なんだったんだ。兎にも角にも、妹に任せたこのコーディネートはやはり悪目立ちしてるし失敗だろ。今更変えないけどさ!!!!
引き続き、週末の予定の確認やら進行中のレコーディング予定の楽曲の確認、ネット関係の知り合いと動画作成やらコラボの確認をしていたらいつの間にか昼休みの終わりを告げるチャイムがなる。
倉科 美星がいきなり喋りかけてくるというイベントはあったが、今日もしっかりぼっち時間を堪能してしまった…。
さすがに1人ぐらいクラスメイトの友達が欲しい…。
さっきの美星ではないが、小さくため息をつきながら授業科目の教科書、ノートを出す。もういい俺はガリ勉を極めるんだ…。
学生の本分はほら勉強じゃん!
休日や放課後は配信業のため勉強できてないし、休み時間は予定確認以外は予習問題を解いたりしてて、あの陽キャ集団がガリ勉陰キャって呼んでるのも仕方ないことだとぼんやりと思った。