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前世に未練を遺した異世界人  作者: テキラデ
第一章 禁忌魔術”凡人“召喚
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一話 「始まりは美少女を見て」

始めて小説を書きます。語彙力不足、描写不足など、至らぬ点があると思いますがよろしくお願いします。

誤字脱字報告はぜひお願いします。他にも、この表現はこっちの表現の方がスマートで良いんじゃない?なども歓迎します。


描写不足は10話毎に補充していきます。


補足※KY=空気読めない。


7月31日、描写を加えました。600字くらいです。

何の変哲も能力も顔面偏差値もクソも無い普通の人生。良く言って天然、悪く言ってKYと皆から口々に言われ、おかげで彼女いない歴=年齢と化した34歳のおっさん。もちろん童貞。ありがとう俺の息子、君はもう使われない運命なんだ!ははははは……。



というか、


  ・


そもそも今、


  ・


”生えてない”んだよね……。


俺の息子が消えたのは大凡1ヵ月前だろうか。


◆◇◆


「久っしぶりにうちのブラック上司が‘‘有給取れ’’なんか言ったよなあ。これも働き方改革の影響か?んなわけ……と、とりあえず今日は休みだけど何しようか」


うーん……と金月新維(アラタ)は思案する。思いつかないのは今熱いゲームもアニメもテレビもないからだ。


「仕方ない、外行こう」


言うて引きこもりでもないし!何か新たな発見でもあったらいいなぁ。そんな気軽な気持ちで。


それが彼の命運だった。


外は空が澄んでいて、気持ちの良いほどの真っ晴れだった。


気持ちがいいなぁ。とつぶやきながらも怠惰な日を過ごす事にする。


本屋寄って、その辺ぶらぶら、コンビニ飯食って、その辺ぶらぶら。いつの間にか日も沈む時間。

新たな本も発掘できず、結局いつもの休日と同じとなってしまった。


「今日も何の収穫もナシと……最近、時間の流れが早いのは日々がパターン化されているからじゃね……」


くだらない事を考えながら道を歩いていると、目にしたのは帰宅途中だろうか、片手に持つのは最近流行りのタピオカミルクティー、友達同士でくっちゃべっている女子高生。そしてそれを眺めるおっさん。


“うわぁ、若いなぁ”


心の底から、声にも出さずそう言った。この歳でははしゃぐ気力も体力もない。それに34歳が道端ではしゃいでいたら、周りの人は共感性羞恥によって死ねるだろう。

性欲が湧いて来ないのは年齢のせいか、高校生は守備範囲外か、それともトラウマからか。


普段は別段静かに過ごすタイプ。一人の時間が好き。


そんな彼は


ふとブランド物のバックが入ったショーウインドを見た ———————————————


その時。




“は?お前誰?”


目の前に写るのは絶世の美少女。髪色は金髪。あざとい小顔で正に絶世の美。お前誰と言うのは少し語弊がある。正確にはどこかで見た様なそんな記憶があるのだが、思いだせない。


俺では無い何かが写っている。奇声をあげたり発狂したりもなく、あまりの衝撃に言葉をなくして呆然と立つ。


えっと……


最初はグーじゃんけんぽん!返ってくるのはもちろん同じ。

ぽん あいこで ぽん あいこで ぽん あいこで ぽん

全部同じ。それどころか動きまでも。


「どんな役者だよ!?」


と俺らしくツッコミを入れた時。


「ちょっと、何独りで言ってるの?」


小高い声、少年のようなそんな声が聞こえた。


「ヒョヒョヒョイ!?」


素っ頓狂な驚き方をし、何事かとゆっくりと後ろを振り返る、そこには……。


「? さっきから言動がおかしいよ。何かあったの?」


喋るのは  猫  チャトラで 宙に浮き 人語を話す。可愛らしい見た目だ。

周りには多種多様な動物達。髪色、目色、種類もバラバラ、中世風な建物が並ぶ、異世界な景色が見渡せた。


「え、俺はその辺ぶらついて何も無かったから帰宅するとこだけど?」


至って冷静に、この場ではふざけているようにしか聞こえない真面目な受け答えをした。


「は?急に何で男の口調になったの?帰宅と言っても帰る家無いけど?」


「てめぇふざけんなよ!?俺がどれだけ童貞でどれだけクズで凡人だからと言っても帰る場所がねぇだと!?俺にはあのボロいけど何故か居心地のいい1DKのアパートがあるんだ!俺はあの場所が好きで好きでたまらんのだぞ!?」


冷静ではなかった、半ば狂人と化していたのかもしれない。

認めたくなかった、今、自分の置かれている状況が。


「いやいや、ちょっと落ち着いて、君はもしかして彼女ではない?思考が追いつかないけれど、とりあえず認識の擦り合わせをしよう」


嫌にこの猫は冷静だなと思いつつ、それから‘‘付いてきて’’と言われてどうやら宿屋っぽい所に案内される。外観からは想像出来なかったが、部屋は割とオシャレな雰囲気。


アンティークな椅子に腰掛け、話す事10分。


「つ、つまり俺は突如異世界召喚されて見知らぬ美少女の身体に憑依したって訳か?信じられんけど……」


猫の話を聞く限りここが現実ではなく夢ではないかと思えてきた。


と言っても信じるしかねぇのがこの状況だよな……。


紛れもない事実として俺はここに確かに存在している。触覚も視覚も嗅覚も身体は俺のものではないとしても完璧に機能しているのだ。


どうしたもんかと宙に浮く猫を見る。


「そうだな、僕にも信じ難い事だけど、それしか考えられない。君は彼女に憑依し彼女の身体を動かしている。記憶は魂に保存されてるだろうから、君は彼女の記憶を持っていないだろ?」


冷静だな、と思っていたがそうでもなさそうな様子。

声が若干震えていた。

どうやら相手も動揺しているらしい。そりゃそうだよな、たぶんこの猫はこの美少女のペットみたいなもんだろうし。記憶は魂に保存されているのか、確かに、この子の過去を知らないし俺の記憶も受け継いでいるようだ。それにしても異世界召喚かよ……前に異世界から日本に来たとか言う頭のおかしい男の本を読んだが、実際に起こるとは……。


考えつつ、次にこれからの事を話さねばならない。俺は何をすれば良いか、戻る方法はないか、この子……はどうなっているのか。正直、元の世界に未練は無い。


どうせ毎日扱き使われるだけだし、何も楽しく無いもんなぁ……この子にはどうにか幸せに暮らしてほしいもんだけど……。よく知らない34歳童貞男に憑依された時点で幸せじゃないのはそうだ。悲しいもんだけど。


「この世界の事を教えてくれ、そしてお前とこの子の境遇と関係もだ」


この世界の事を何も知らない、金も日本円しかない(しかも残金500円)無一文。突如現れたのはスーパーヒーローではなくただの凡人。この世界を救うために異世界召喚されました、とかではない。だがこの子を救いたいという気持ちは何故か分からないがある。そのためにもまずはこの新たな世界を知らなくてはならないのだ。


「そうだね、まず彼女と僕の事から話そうかな」


そうして俺の初めての異文化プラス異世界コミュニケーションが始まったのだった。

後書きは基本次回予告にします。

次回も説明回。重要人物が多く出ます。


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