俺とおじいの出会い
それは本当に突然だった。
俺が朝起きると、天井はいつもと違っていて、敷布団が薄いせいだろう、背中が直接地面にあたる感じがとても不愉快だった。ここはどこなのか、疑問に思いながらもとりあえず体を起こしてみると、呆然とした。なぜなら、俺がいたのはだいぶ昔のものであろうと思われる古い家であり、かつそこに見知らぬお爺さんが一人でやたらと何かを一生懸命にしていたからであった。
「す、すみません。ここはどこでしょうか?」
「おぅ、起きたか、ちょっと待っといてな。今、朝ごはんができるから。」
そう言われた俺は理解が追いつかないのを、一旦無視し、布団を畳んだ後で、座って待つことにした。
「ほら、食べてみなさい。美味しいぞ」
お粥をお爺さんは茶碗によそい、俺に渡してくれた。この状況に理解はできないがこのお爺さんはいい人らしいというのを感じ取った俺はそのお粥をなんの疑いもなくいただいた。
「ご馳走様でした。おいしかったです。ところで質問があるのですが、」
「そうじゃったな、ここがどこかってことじゃったかのぅ」
「はい、それとあと一つ。私はなぜここにいるのでしょうか?」
お爺さんはお茶を一口飲んだ後、落ち着いた声でこう答えた。
「ここは三郡にある大津山、そしてわしはお主さんを拾ったんじゃよ。ここからちょっと降りた川の付近で倒れてたからのぅ。」
驚いた。昨日は普通に家のベッド寝たはずだったのに、なぜ川辺に倒れていたのか。
「どうなっているんだ、、、」
「まぁ、よい。わしもわからんし、お主もわからんのだから。とりあえず今日は街に買い出しに行くぞい。お主の帰る場所についての手がかりが何か見つかるかもしれんぞ。」
「なるほど、それもそうだ。お供します。」
それから俺とお爺さんは街に買い出しに行った。