表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/55

第一章 小説家・アイドル・王様 7

 僕は夢見がちな少年だった。

 だから、四十歳になってもバイトをしながら、小説を書き、新人賞に応募しては落選し続けてきた。

 少年時代はよく特撮ヒーローにあこがれ、大人になってから特撮ヒーローものの中にも物語が大人向けの作品が多いことに気づき、再び、特撮ヒーローに憧れた。


「僕はこの戦いで負ける気がしていない――」


 《夢を叶えるもの》は想像力を力に変えることができる。


 だから――

 僕は魔法少女エリコに手渡してもらった「平凡な剣」と「平凡な盾」を地面に落とす。

 そして、僕は右手の掌を臍の少し下にかざす。


「ここでの魔物との戦いはきっと神様が僕にくれた最後のチャンスなんだ」

 右手のひらの下に大きな丸い、大きなバックルが出現し、帯状のヒモが伸びて、僕の腰にベルトとして、巻き付く。

 変身ベルトの誕生だ――


 左手を天に向かって手を伸ばすと、左手には金色に輝く、ガジェットが出現する。


 左手にガジェットを握りながら、ゆっくりと変身ベルトに左手を近づけていき、変身ベルトにガジェットがカチリとはまる。


 後は変身ベルトのスイッチを動かせば、僕は絶対に負けないスーパームテキファイターとして、無双することができる!

 ムテキ状態では相手の攻撃は一切無効になるんだから――


「変身! スーパームテキファイター! ノーコンテニューで魔物を撃破だ!」

 僕は変身ベルトのスイッチを動かす。



 しかし――何も起きない。


〔スーパームテキファイター発現条件を満たしていません(条件:消費可能な十万ラピスの保有。または、残存ラピス量十以下の危機的状況〕〕


「バーカ! 新人君! 大きな力を手にするためには、想像力だけじゃなくって、保有するムーンストーン量も想像力に相当する量を保有していなきゃいけないの」


 僕は最強最終フォームのガジェットをつけた変身ベルトを巻き付けたまま、何も言うことができなかった。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ