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第一章 小説家・アイドル・王様 5

 タタタタタタタタッ―――――

 ゴリラのサブマシンガンから弾丸が掃射される。


 当たる! と思った瞬間、僕の右手に大きな盾が出現し、すべての弾丸をはじき返した。

〔左手に物理防御可能なシールド「平凡な盾」を装備(消費:五ラピス)〕


 バキーンッ―――――

 続けて、ゾウのスナイパーライフルから弾丸が発射されるが、僕の目にはその弾道がはっきりと見えていた。


〔常時スキル「平凡な見切り」を発動(消費:十ラピス)〕

 頭を狙っていた弾丸を盾で受け流す。


 想像を力に変える力――なるほど、分かってきた。

 左手には盾、それなら右手には剣を。


〔右手に物理攻撃可能な剣「平凡な剣」を装備(消費:五ラピス)〕

 僕が念じると、僕の右手に剣が出現する。

 

 僕はヒーローとなり、アワーリティアに取り付かれたあの魔物を倒す――


「真木英司。おまえの想像する力の使用方法は正解なのであります。《夢を叶えるもの》はラピスを消費することで、自身の想像力により武器や防具を生み出し、基礎的能力を補助するスキルを発現させることが可能なのであります。想像力の使い方、応用の仕方は無限大―――イマジネーションは無限大なのであります!」


 僕は動きの鈍そうなゾウに向かって走り出す。


 タタタタタタタタッ―――――

 ゾウのスナイパーライフルから再び弾丸が発射されるが、その軌道はスキル「平凡な見切り」の効果でしっかりと見えていた。

 弾丸はゆっくりと、まるでスローモーションのように向かってきているように見えた。左手の「平凡な盾」で軌道をそらし、ゾウの懐に飛び込めば、「平凡な剣」を突き付けられる間合いまで近づいた。


 僕は「平凡な剣」でゾウに切りかかった。

 僕の剣は豆腐を切るようにゾウの左肩から胸に、そして右の腰のあたりまでゾウの肉体を切り裂く――その傷口から赤い石が、血液ではなく、赤い石が周囲にこぼれ出す。

 ゾウは慌てることなく、後方に避難し、瞬時に傷口を修復する。


〔アワーリティアの損壊により、ムーンストーンを獲得(獲得:七ラピス)〕


 その瞬間、ゾクッとした嫌悪感に体をその方向に向けると、サイが拳銃を僕の額に狙いをつけて、一メートルほどまで、近づいていた。

 必死に体を移動させたものの、サイの拳銃から発射された弾丸が僕の右肩に大きな穴を開ける。


 必死に後退し、距離を取る――僕に痛みはない。

 傷を見ると、右肩の傷は元通りに戻っている。


〔ダメージ回復(消費:十ラピス〕〕


 落ち着け。

 今回は初戦だ。力の使い方を含めて、戦い自体に慣れることも必要だ。


「決戦の地マールスでアワーリティアから受けたダメージの回復や肉体の再生成にもラピスが消費されるのであります。RPGではHP、MP、攻撃力、防御力、素早さ等々といったステータスが存在するのでありますが、決戦の地マールスでは、装備・スキルの発動も含め、ラピスを消費することでステータスを向上させることが可能なのであります。そのため、保有ラピス量の管理とラピス発動による能力強化が重要なのであります! これで吾が輩のチュートリアルは終了なのであります。戦いは怖いのでサラバなのであります」

 黄色い猫が消える。




――だらだら戦ってるんじゃねーぞ、新人くん


 空から声がした。

 僕が空を見上げると、赤く染まった満月を背景にして、ピンク色マントを羽織ったピンク色の髪の少女が浮いていた。


 まさか。

 彼女の顔は、アイドルグループ○○の伊達エリコ。


 エリコ様!


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