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40歳を迎える僕は小説家になるという夢を叶えることができるのか  作者: 御蔭クリケット
第5章 灰色の暴走・緑色の敗北・赤色の勝利
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第5章 灰色の暴走・緑色の敗北・赤色の勝利 4

〔瞬時スキル 耐荷電粒子シールドを発動(消費:千ラピス)〕

 辺り一面がピンク色に染まる中、僕は躱すのではなく、正面からシールドで受けることを選択する。


 ビーム砲が長い。

 バチバチとビーム砲とシールドが音を立て、シールドががたがたと震え、真っ赤に熱を帯び始める。


〔瞬時スキル 耐荷電粒子シールドを発動(消費:千ラピス)〕

 僕はシールドの内側に2枚目のシールドを張ると一枚目のシールドが消滅する。

 

 耐えるだけだ。


〔瞬時スキル 耐荷電粒子シールドを発動(消費:千ラピス)〕

 3枚目――


〔瞬時スキル 耐荷電粒子シールドを発動(消費:千ラピス)〕

 4枚目――


〔瞬時スキル 耐荷電粒子シールドを発動(消費:千ラピス)〕

 5枚目――


 ビーム砲の発射が終了する。

 シールド生成だけで5000ラピスの消費だ。戦闘不能に換算しても5~6回分のため、戦闘離脱し、グリゾスとの戦いをやめた方がよかったのではないかという気持ちがよぎる。


 青空が見えた。

 空には翼を広げたグリゾスが以前として浮遊している。


 周りを見ると、伊達エリカは無傷で地上に立っていて、火野千世子と泉少年は見当たらない。


「ったく、やってくれるじゃないの。がっつりムーンストーン減ったじゃないの」

 伊達エリカが呟く。


「新人君もよく耐えた。ボクちゃんは戦闘離脱か。シンタローは? 戦闘離脱していないみたい。シンタローなら問題ないとは思うけど、新人君、いける?」

「問題ない」


「《夢を叶えるもの》も《欲望を育てるもの》も基本的にはムーンストーンを消費してお互いを攻撃する。今回のグリゾスの攻撃でがっつりムーンストーンを減らされちゃったけど、それはグリゾスも同じ。あのビーム砲を放つためには、かなりのムーンストーンを消費したはず。逃げられはしたけど、わたしたちの攻撃でかなりダメージを与えている。もう少しで倒せるはずよ」


 チリーン――

 鈴の音が響いた。


 一つのトンネルから全身を真っ白なローブで覆った人間が現れる。大きなフードで頭をすっぽり覆っているため、誰だか分からない。

 右手には大きな鎌を持ち、左手には小さな物体をぶら下げている。


 チリーン――

 鈴の音が響いた。


 左手の物体が放り投げられ、僕と伊達エリカの目の前に落ち、転がる。

 泉慎太郎だ――動かない。


「あんた誰?」

 伊達エリカが問う。


「《夢を刈り取るもの》」

 白いフードを外すと――


 里中ひとみ、いや、ふたみ、どっちだ。


「あなたは、死んだはずじゃ」


 双子姉妹の女優。NHKの朝の連続テレビ小説「ダブル」で初主演。大麻所持の容疑で逮捕・起訴された里中ふたみ。乗用車での練炭自殺した僕より前の黄色い猫との契約者。


 チリーン――

 里中ひとみ・ふたみは、僕の方に近づいてくる。手には大きな鎌を持っている。


 死神の鎌。

 勝手にそう認識する。


「約束どおり、会えたわね。真木英司さん」

 里中ひとみ・ふたみは、僕にキスをした。


 それは、冷たい唇だった。

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