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sliva tropica~ジャングルの王女~

作者: Seashore


雨のような細い木の間から光が漏れだしている



内側と外側のリンク先を知りたくて 密林ジャングルの奥へ一歩踏み出したの


見上げると薄暗い空気の中で過去の残像が


繰り返しもがくように泳いでいたわ



それでも感じて止やむことはない


それはどしゃ降りの雨の中 まるで雷に打たれたように


彼女の、一陣の光を信じて 進みなさいという声が……



来て―あなたの内部に遍在する強大な光が


いつでも太陽のように遍く(あまね)あなたの内側で輝き


行く末を照らし出していることを


今こそ 思い出す時が来たのよ



欠けてしまった手作りの青い壺 そして 反対側には黄金に輝く水瓶


忘れないで あなたは神秘の天秤をその手に持っているの 



たくさんの色が織り成す 虹色の光が放射状に円を描く


時にはそうね…… 暗闇が光を飲み込もうとするでしょう


だけれど 漆黒の影の中に 目も眩むような


あなたの鮮烈な輝きは隠せやしない



光は愛を持って宵闇の空に羽ばたくの


夜空に木霊する光の粒子を振りまきながら 闇を優しく背中から抱き締める



――…どうやら求めている光は 密林ジャングルの奥へ眠って存在あるみたい


もし、意地悪なギザギザの葉が腕を傷付けたのなら


そこから立ち去るよりも ゆっくりとその痛みと向き合うことも必要よ



もし、奇妙な鳥が我が物顔で空を飛び回り、不快な声で歌うのなら――…


耳を塞がないで、心の耳を使ってその背後に秘められた


愛のラインに沿って歩きだすの



彼らはもしかすると SOSを出しているのかもね


そう、魂がね。



やっと分かったの ここは鏡の国。そしてあなた(私)はアリス。



もし、足の裏を刺す悪意のように笑うトゲに傷ついたなら


もし、苔の間に巣くう派手な蜘蛛の糸があなたの行く手を阻んだなら……



来て――……もう一度 


あなたの内部に遍在する偉大なる光を


月と星々が遍く内側から輝き


行く末を照らし出していることを


今こそ 思い出す時が来たんだわ



傷だらけの手で翳かざすの


心の目で尋ねてみて


わたしはいったい 誰?



蛇の鋭く睨んだ目


鼻につく態度の巨大な植物たち


野蛮な紫の芋虫……



ただ、そうSOSを出しているのよ


過去の傷ついた魂が鏡に写る世界に対して


恐れることを恐れるように―――


相互的に 物語っている



内側と外側のリンク先 それは心に嵌めた かつて色の無かった指輪……


いつか 脱ぎ去る日が訪れるまで 


灰のようだった指輪をもっと光輝かせるの


そしてこの森の全てが 癒やされるその時を待ってるわ



 わたしの名前は……〈ジャングル・レディ〉―――……


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