満月の思い出
人の気持ちはすぐに変わる。
潮の満ち引きのように気が付かない間に変わってしまう。
変わってしまった気持ちを変えることは、
月の引力に逆らうくらい大変だよ。
満月の夜に月を見ていると悲しい気持ちになる、
たくさん人間がいるのに、
君じゃないとダメと心がざわざわするんだ。
気が付いたら気持ちが離れていたと君は言ってたね。
僕はまったく気が付かなかったよ。
心のどこかで君は僕から離れることはないと、
安心していたんだ。
人は無くなってから大切だったと気が付くんだ。
そんなこと誰でも知っていることなのに、
僕はまぬけだな。
今日の満月はキレイだね、
君は大切な人と一緒に見ているのかな?
夏の夜風が過去の思い出を連れて来た、
もう昔々のことなのに。
いじわるな風だな。