Episode 47 "全校集会_前編"
「ねぇ、前々からマスクの中身気になってたけどさぁ、i3の親衛隊が瀬名くんを守るって事は......つまりそいいう事だよね?」ヒソヒソ
「てか親衛隊の一人が私の友達なんだけど、i3の親衛隊じゃなくて瀬名くんの親衛隊になったぽいよ?」ヒソヒソ
「あのイケメン三人衆を捨ててまで瀬名くんを選ぶって、もうそれ.......」
「「あのマスクの中身、超絶イケメンって事じゃん」」キャキャ
全校集会の為、体育館へと入場してみれば自分を見るなりこの様にヒソヒソと自分へと舐める様に視線を向けられ噂話を展開されていた。
(はぁ....帰りたい)
瀬名は正直そう感じた。
「ジョーン!元気がないデスがぁだいじょうぶデスかぁ!元気があればナンデモ出来るデース!」
顎をしゃくらせ言うケイトに思わず拭いてしまう。
「ようやく笑いましたデース!ジョンは笑ってた方がキュー卜デースよぉ!」
にししっと笑うケイトにありがとうと言う。秋山は二人の会話を優しく見守っていた。
「瀬名ぁ!おまえはこっちだ!」
クラスメイトと共に体操座りをして待機をしていたのだが担任である女教師に呼ばれる。
「どうしたんですか?」
「どうしたんですか?って....男子生徒の座席はこっちだろう?」
教師は男子生徒達が集まる椅子群へと指を指した。
(男子は特別って事ね。)
男子の数は約10人くらいだ。いや、正確には新海の事故死の影響で九人に下がった。
「やぁ瀬名くん、久しぶり?」
優しい笑顔を向ける男子生徒。自分は彼の隣へと座る。
「あ、うん.....」
胸元の名札を確認すると“佐藤”と書いてあった。どうやら彼がi3とは別に人気のある男子生徒のようだ。
「はは、君は前と変わらず恥ずかしがりやだな。」
彼はどうやら以前の自分と会話をしたことがあるようだ。
「お互い忙しくて全校集会のこの場でくらいしか話せないけど、ボクは楽しみにしてるんだよ?」
友達が少ない自分としては嬉しい言葉だが、少し寒気が。
「あぁ、君が新海くんと仲良くし出したと聞いたときは.........ふふ、まぁでも彼はもう....あ、そろそろ集会が始まるね。」
唐突に虚ろな目をする佐藤くんはすぐに正気に戻り前を見据える。
(........こいつとは距離を取った方が良さそうだ。)
瀬名は佐藤から眼を離し、周りの男子生徒へと視線を向ける。
(あれは、i3達か......他の生徒は凡庸な面だな。だけどこの世界だと高貴に扱われるのか。まぁ、だからこそオタク達は逆転世界に憧れる訳だ。)
校長の話が始まる。欠伸をする生徒、隣と談笑する生徒などいろいろな生徒達がいた。自分はと言うと時計を見ながら終わりを持っていた。
(何か男子だけ、この扱いって不公平な気がするなぁ。)
女子生徒達は冷たい床に体育座りされている。と言うか、女子達の視線が常にチラチラと自分達男子生徒へと向けられているのはツライ。
「.......それでは全校集会を此れにて終了いたします。各自、勉学に励む様に。」
校長はそう言うとステージを降りる。生徒達は腰を上げ教室へと各自戻ろうとするのだがi3の叫びで一同は動きを止めた。
「.....あいつ、今、何ていった?」
叫びの台詞が自分には信じられないものだった。いや、信じたくない物だったのだ。
「瀬名くんが素顔を見せるからぁーみんなぁーまってぇー!」
アホみたいな声からアホ見たいな内容に殺意が沸く瀬名。
(....あれは確か、レンとか言う三バカの一人だった気が)
瀬名は周りを見渡すと立ち止まった女子生徒達により包囲されていた。
「やった!我が校の三大謎である瀬名くんの素顔が見れる!」
「i3の方々が言うんだから見せるんだよね!」
「楽しみぃー!」
今か今かと待ちわびる女子生徒達に対し尋常ではない冷や汗を流す瀬名。
(ふざけんな、こんなところで見せられるか!くそ、ハメられた!)
周りを見渡すが自分のクラスメイトや親衛隊達がいない。瀬名は焦る。すると後ろから誰かに肩を組まれる。
「やぁ、瀬名くん。いつぶりかな?」
i3のまとめ役であるケイの登場に女子生徒のボルテージが上がる。瀬名は恨めしくケイを睨みつけるとケイはしたり顔で瀬名を見下した。
「さぁ、皆さんに君のお顔を見せてあげましょう。」
この作品(笑)も50話付近だけど、あと、20話くらいで完結させたいよね。
逆転ものの次はそうさな、Chaos:Demerit 〜ヤンデレの美学~ってのを書きたいよねぇー。




