Episode 44 "登校"
人の心理と言うのは簡単だ。複雑に決まってんだろ!とか思い込んでる阿保は根本から見直すべきだと思う。人とコミュニュケーションを取る上で人は空気を読む場合もある。いや、社会に出てからは常に空気を読まなければならない。何故なら、それが今後に関わるからだ。これは学校や部活、恋愛でも然りである。
人は頼まれると嫌がる。いや、表面上では笑みを浮かべていても内心ではメンドくさいと何処かで思う筈だ。喜んで人の助けをする人は偽善ではあるが世界には必要な存在である。そうしなければ社会は堕落し回らなくなるからだ。
要するに区別をつけているからこそ嫌でも頼み事を引き受けてしまうのが人なのだ。仮に頼み事を断った時、貴方は少なからず罪悪感を感じるだろう?感じないと言う人もいるのは確かだ。それが金銭面に置いての場合が大多数だろう。だが仮に勉強を手伝って欲しい、一緒に遊びに行って欲しいなどを断った場合の貴方は少なからず罪悪感を感じる筈だ。
そう、例えばある人物がなろうと言う二次小説投稿サイトに物語を投稿しよう。そしてその人物がブックマークをして欲しいと頼む。だが人と言うのは頼まれれば頼まれる程したくないと言う生き物なのだ。だからこそ切実な書き手の方が読者、ブックマーク数を増やす事になる。
だからブックマークしろ!←これを言う作者は大概、ブックマークをされないだろう。分かっていて言っている作者は頭が可笑しいかどMのど変態なんじゃないのかとつくづく思う。
「伊都叔母さん........これって母さんが書いてるんですか?」
未だに自身の太ももをイヤらしく触りながら鼻の下を伸ばす伊都。その行為を無視して瀬名は昔連れられた社交界で見た母の携帯の投稿小説を見せる。
「あ〜.............あ、あれ?ジョンくん、学校に行く時間よ!」
伊都はその投稿小説を目にすると冷や汗を流し、瀬名の太ももから手を離す。
「あ、あらやだ。私も時間だわ!行かなくちゃ!」
慌てる様に家を飛び出す伊都をジト目で見る瀬名。
(逆転世界に来ても内容が一寸変わらずこの投稿サイトに綴られてるけど.........百パー作者は伊都叔母さんだな。)
瀬名は携帯をしまい食器をシンクへと持って行く。
「ジョン、いくデスよ」
小さい声で言うケイト。どうやら自分へと飛び火しない様に行きたいらしい。⚠︎アルセと一の取っ組み合いに。
「う、うん」
何となくケイトについて行く瀬名。玄関を出て通学路へと着く二人。すると何処からともなく女子の集団が自分達を包囲する様に歩き始めた。
「......え、えっと、此れは.......何?」
何時もは母に学校まで送ってもらう為現状が理解出来なかった。
「「は!我ら親衛隊!命を賭して瀬名様をお守りします!」」
「ジョン、こいつらi3とか言うナルシス、ブ男どものガードしてた女どもデース!あ!でも、一度前に家までお迎えに来た事があるデスが一叔母さんに泣かされて帰されてマシたヨー」
瀬名は顔を引きつかせながら隣に立つ親衛隊の一人を見る。親衛隊は皆、黒い制服を纏いスラリとした美形が揃っていた。視線に気づいた親衛隊の隊員は視線を泳がせ赤面すると下を俯いた。
(マスクも伊達メガネもしてるのにこの世界の女性は男に免疫が無さすぎるだろ!)
取り敢えず瀬名は話しかける事にした。
「ねぇ、君たちのリーダーって君だよね?」
以前、素顔を見せ耳を噛み付いた(甘噛み)女性だって事は覚えている。
「は、はっ!わ、私でありましゅ!」
先頭を歩くその女性は挙動不振となりあわあわとし始めた。
「......落ち着け、取り敢えず深呼吸」
両手を彼女の方に置き深呼吸をする様に言う。
「うぅ.....この戦闘服はもう洗えないよぉ.......は!?も、申し訳ないであります、瀬名様!ご無礼を何卒お許しを!」
「「お許しを!!」」
触れられた肩に手を置きだらしない顔をすると瀬名の視線に気づいたのか正気に戻りその場で土下座するリーダー。そしてリーダーに続き隊員達も頭を一斉に下げる。
「ちょ、こんな所でそんな頭を下げないでよ、」
通行人達は男子である自分と彼女達の行動を見てまたセクハラかと白い目で親衛隊の彼女達を見ていた。
「誠に申し訳ないであります!何度も何度もご無礼を働き...........腹を切りましょう。」
「「腹を切ります!!」」
鞄からハサミを取り出し瀬名へと差し出す。
「えっと、何これ?」
「いえ、ですから瀬名様に殺されるなら本望です、はい。」
「「本望です、はい」」
腹切って人にやって貰うものだっけ?と疑問の目をリーダーの女へと向ける。
(そのリーダーの台詞の後にリピートするやつヤメろ、面白いだろうが)
「まぁ、腹は切らなくて良いからさ。それよりも君たちってもしかしていつもオレを待ってたのか?」
「勿論でございます!瀬名様への忠義は我らが死ぬ迄滅びません!」
「「永久不滅」」
(いや、怖いんだけど、それ。)
助けを求めようとケイトの方に視線を向けると楽しそうに親衛隊の隊員とお話を楽しんでるし。
「じゃあさ、男の人に告白をされたら?身体を好きにして良いって言われた?どんなプレイでもしてあげるって言われたら?如何するの?ねぇねぇ?」
瀬名は悪い顔で煽る様に言う。
「「断るであります!」」きっぱり
1秒も待たずして皆はそう言葉に出した。
(.............忠誠が如何のこうの以前の問題だな)
翻訳すると死ぬ迄自分へと付き従うと言っているのだ。このままで母方グループ、秋山グループ、そして此奴らのグループに生涯付き纏われる事となる。
「は!?忘れていた!皆の者!準備に取り掛かかれ!」
リーダーの女がそう号令をすると大きな巻物の様な物を取り出し広げ始める。
(何してんだ此奴ら、学校は直ぐ.......................おいおいおいおい!!)
何と巻物の正体はレッドカーペットで校門までの道のりへと敷いたのだ。そしてレッドカーペットの周りで左右に隊列を組み瀬名へと道筋を作る。
(こんな事したらめちゃくちゃ目立つだろうがぁ!!てかケイトぉ!!お前も何隊列の一人に入ってんねん!!)
レードカーペットを歩きながら瀬名は憂鬱とした気持ちになり涙目になる。
「うぅ、俺の平穏な日常が遠のいていく........」
最近、シャド◎バースにめっちゃハマってる!さてさて新パックが今日解禁されるぞー(嬉)




