Episode 40 "黒髪眼鏡こそ至高"
同窓会に行った時にまず最初に感じる事は何だろうか?
A.女子、微妙に......なってね?(or逆パターンも存在
A.ぜってぇ自分の事をイケてるって思って奴がいる(ex.ブランド物を着用する
素朴で可愛いルックスだった子も何故か下手くそな厚塗り化粧プラス髪染めで印象は変わり、男も同様、醜面に合わない髪型、服を着用しドヤ顔を決めている。
それと疑問なのだが.......何故、大学デビューは髪を染めたがるのか.....不明だ。
まぁ何はともあれ自分はそんな事とは無縁であろうこの世界で家を飛び出した。女性がどれ程自身の魅了に対し耐えられるかを身内で試した所、犯されかけたので、やはり一線を引いている学友に試した方が良いだろう。
普通、一線を引いてるのは血が繋がる身内ではとツッこまれた貴方、アレは普通ではない。
「取り敢えず、何時もの装備で外に出たわ良いけど........秋山の家が何処にあるのか、分からねぇ。」
携帯も忘れてしまい今は近くの無人の公園でブランコに座り空を見上げていた。
「何だろうなぁ......皆んな、優しいけど、やっぱり現実世界と比べると、ちょっと違うんだよなぁ。」
ため息を吐きブランコを降りる瀬名。
(今日は天気も良いし、海辺の道通りでも散歩しようかな?)
住宅街を歩きつつ瀬名はそう考える。通行人の女性達からはチラリと視線を受けるが、マスクをしている事によりそこまで露骨な視線を受ける事は無かった。だからと言って胸や尻に視線が向かれていないと言えば嘘になるが。
(逆転世界の主人公ってかなりアクティブだけど、アレは本来不可能な行為だと思う。こんな世界でちょっとでもセッ◯スアピールしてみろ?簡単に拉致されて、逆レ◯プされるのは確実だぞ。)
瀬名は裏道を使い海沿いへと出ようとする。勿論、その道通りは人が少なく本来ならば男性は好んでその道を通らないだろうが、瀬名は現実世界時によくこの道を使っていだので特に気にした様子もなく歩いて行く。
「お、おい、アレって男じゃ?」
「う、嘘でしょ、」
タバコを吸いながら談笑していた二人の三〜四十代くらいの女性が獲物を見つけたと言わんばかりに瀬名へと視線を投げる。
(や、やっぱりあの身体付きは男!)
(やっちゃいますぅ?やっちゃいますぅ?.............やっちゃいましょう!」
瀬名はやっちゃいましょうと言う台詞を聞き取り急ぎ足になる。
(ヤバイ、考えるのに夢中で此処が危険地帯だって事を忘れてた、)
だが、もう手遅れだ。一人が自分の前へと塞がるように立ち塞がる。
「あれれ〜?坊や、一人かぁい?」
(くっ、知ってる癖に!)
瀬名は無視をし通り過ぎようとするが、腕を掴まれる。
「は、離して下さい、」
まるでセクハラをされる女子高生の気持ちだ。
「こんな所で一人でうろつくって事は一つしかないよねぇ?」
ニタニタとイヤラシい顔つきで自分の全身を見る女に瀬名は吐き気がする。
「私にも後で譲れよ、ふふ。」
もう一人の女もニヤケ顔でそう言う。
(ノクターン工房じゃあねぇんだぞ、此処はっ!)
腕を振りほどき全力でその場から走り出す。
(伊達に陸上もやってた訳じゃあないッ!)
「おっと、逃がさないよぉ?」ガシ
(はっ!?嘘だろ!)
瀬名はこの世界の仕組みをミスジャッジしていた。逆転世界に置いては身体能力も逆転する為、比較的、女性の肉体の方が男性よりも強靭なのだ。
「ねぇ、抑えといて。」
「しょうがないなぁ。」
一人が瀬名を抑えもう一人が正面に立ち舌舐めずりをする。
「や、止めて下さい!叫びますよ!」
まるで同人誌にて強姦をされる女性のソレと同じ台詞だ。
「構わないよ?まぁ、まずはそのマスクと眼鏡に隠れるお顔を見せてまらいましょうか。」ニタァ
女性の手が自身の顔へと近づいていく。
「!?」ドス
「バカが、何回こんな目にあって来たと思ってんだ。」
瀬名は即座に蹴りを女性の股目掛け放つと自身を掴む女性へと向け肘打ちをみぞおちへと叩き込む。
「ぼへぇ」ゲロり
みぞおちをくらった女性はその場で胃液を吐き膝を着く。もう一人の股を蹴られた女性は.........何処か嬉しそうな表情をしていた。
(...........見なかった事にしよ)
瀬名は二人を放置し海辺が見える歩道へと出ると身体を伸ばした。
「はぁ〜気持いぃー!」
海風を感じそう言葉を漏らす。それと同時に後悔も感じた。
(正直、女性への暴力はしたくなかった......)
海辺を見ながら歩道を歩いていると、
ドンッ!
「うっ」
人とぶつかってしまった。
「ご、ごめんさい、」
頭を下げ顔を上げると其処には黒髪眼鏡の美少女が自分を無表情な顔で見ていた。
「セナ........見つけた」
眼鏡美少女は背を向け歩き出す。
「今、オレの名前を.....」
(いやそれよりも.....あれ、本物か?)
眼鏡美少女の手には日本刀らしき物が握られていたのだ。
「此れは、傘」
「さ、さいですか.....」
(何で脳内で考えた事が分かるんですかねぇ、)
そして眼鏡少女は後ろを振り向き瀬名へと告げる。
「今からセナの家に行く。」
「.......は?」
瀬名はそう返事を返す事しか出来なかった。




