Episode 29 "一話、千文字くらいで話数増やして読者獲得って狡いよね?”
_タイトルの通りなろうの書き手には読者を獲得する為に文字数を減らして話数を増やすずる賢い奴らがいる。自分はこいつらの行動を見て.........頭がいいなと思った。
(何だよ、これ?)
「タイトルはChaos:Demerit....かっこつけてるなぁこいつ。そもそもセミラミスって誰だよ?」
会場に着いた瀬名は自分の携帯を忘れたので母の携帯を借り、ブックマークを覗くと逆転世界に自分が迷い込む物語が綴られていたのだ。
(作者って......母さん?)
既に支給されたスーツを着用し、スタイリストの方に髪型や化粧などのコーディネートもされ終えていた。後は母の準備が整えばメインホールへと行くのだが母が駄々をこねているので未だに瀬名様専用と書かれた化粧室にいる。
「あーん、やっぱりメンドくさーい!キャンセルにしよぉ?私利私欲の為に私の所に集まる溝鼠の姿なんか見ても嬉しくもないわ!」
一はスタイリストやメイド達を押しのけ瀬名が座るソファへと向かい飛びついた。
「ジョンきゅ〜ん、帰ろうぉ?ねぇ?......む!?ジョンキュン.....かっこいいわね//」パシャパシャ
瀬名は飛びつかれたので顔を一の方へと向けると一は驚愕をした表情となり瀬名の持つ自分の携帯を取り上げカメラを起動し連写した。
「ダメだよ、母さん。この大きな会場って母さんの為に建造したんでしょ?なら、出席しないと!.....それと鼻血拭いてくれ。」
一はハンカチで鼻血を拭くとイヤだイヤだと赤子の様に駄々をこねた。
「え〜!ジョンキュンのケチぃー!こんなチンケな会場くらい私が買い取るわよ〜、そしたら溝鼠共もなっとくするでしょう〜?」
「もう!母さんの為に集まってくれたんだから我儘を言わないの!」
母は瀬名が怒るとはぃ、と涙目になりながら瀬名の隣へと正座をした。
(あの一様に......)
(一様のあのような生き生きとした表情を初めて見た.....)
(私もジョンきゅんに怒られたい....)
(私も.......)
黒服のSP達が化粧室の前から聞き耳を立てていた。すると、
(私がいつ、ジョンきゅんと呼んで言いと許可を与えた?)
「ひッ!?」
一の声が黒服一同の脳内に聞こえドアの隙間から覗くと鋭い目指しで此方を睨んでいた。
「も、申し訳ありません!)
黒服の一人はその場で土下座をするが一は既に興味がないのか瀬名との会話に花を咲かせていた。
「さて、ジョンきゅんに免じて行きますかね!」
「その前に母さん、......下ろして貰える?」
お姫様だっこをされ瀬名は顔を紅くした。
「瀬名家の方々がご来場なされます。」
会場の進行を任される司会者がマイクを手にそう口にする。
「一様が.....気を引き締めねば....」
「あぁ、私など、見てみろ、鳥肌がこの通りだ。」
「これが、武者震いと言う物かっ....」
などと戦場を前にする兵士の様な会話が右往左往していた。その中でもまた、九条家も周り同様に緊張を積もらせていた。
「お、お父様.....」
「心配するな、私がいる。必ず一様との機会を設ける。これこそが私に託された神託なのだ。九条家の誇りに掛けて必ず一様に」
父の言葉は途中で途切れる、父の視線に合わせ眼を動かすと先には瀬名一本人がいた。彼女はこのホールでもっとも高き場所に位置するレプリカの王座へと腰掛けつまらなそうに此方を見下げていた。
「やぁ、こんばんわ。」
会場はすぐに静寂に包まれ一のセリフに耳を傾ける。
「あれ?何でみんな黙っちゃうの?社交界なんでしょ?楽しまなくっちゃ。」
その一言で皆は慌てた様に周りとの世間話に戻る。九条は今の一の行いだけで異常性、皆の畏怖の理由を理解する。
(何ですの、あの化物.....)
身を揺らしながら息を荒くする九条。父は彼女の異変に気づき、頭に手を置く。
「最初は誰だってそうだ。だが、お前の理想はあの方であらねばならぬ。」
九条は首を横に振り、私には無理だと言う。
「あぁ、確かに無理だな。だが、目標には出来る。並ぶ事は到底出来なくても近づく事は出来る。九条家の次期当主ならば、勇ましさ持て。私が女王なのだとな。」
九条は父の言葉に頷き胸に手を当て、覚悟を決める。
(勇ましさを持て、ですわね)
すると、一は王座を立ち、皆へと今一度、話をかける。席を立つだけで一同は世間話をしつつも視線を一へと向けていた。
「そろそろ、私の愛おしい息子の紹介でもしようかな?」
鼻に親指を当て、照れくさそうに言う一。一同は私語を止め、拍手を始めた。九条自身も周りに合わせ拍手をする。
「何という熱、プレッシャー......ねぇ、母さん、何でこんなにハードルが高いですかね......」
瀬名は奥で小さく出たくないと言うが一は無理矢理腕を引き、ホールへと連れ出す。
「「「.................」」」
連れて来られた瀬名、一様のご子息のお姿を見て一同は言葉を失った。余りにも美しいのだ。人形の様に精巧な顔づくり、高身、凛々しいさも兼ね備え、幻覚を見ているのではないかと錯覚した。
「皆様、今晩わ。私は瀬名一の息子、ジョンと申します。以後、お見知り置きを。」
綺麗に一礼する瀬名の姿にまたしても一同は息を呑み、見とれてしまう。婦人方は腰を抜かす者までもがいる始末。余りにも美しすぎるのだ。触れてしまいたい、だが触れてしまえば雪の様に溶けて消えてしまう、そんな感情が周りを渦巻いていた。
「あ、あの、わ、私は、く、九条、ざ、財閥の代表、つ、努めて、九条家康で、でしゅ、」
緊張の余り呂律が回らぬ九条の父、だが唖然とする一同を先おいて先に名乗りを上げた勇気に感服する。九条自身も貴婦人方同様、腰を抜かしていたが父の勇姿に置いていかれんと根性で父の後を追う。
「わたくしはぁぁ、九条家康の娘ぇ、ですわぁ!」
言葉を上手く出せず、不躾な紹介となってしまった事に涙目になる九条。
「ぷぷ、ねぇ、ジョンきゅん、聞いたぁ?この人達の紹介、ぷぷ、噛み噛みで面白いねっ、ぷぷ」
笑いを抑える様に笑う一に瀬名はため息を吐き母の変わりに謝罪する。
「ごめんない、内の母が申し訳の無いことを口にして。ほら、お母さんも」
瀬名が頭を下げると一は何で?と言うが睨みつけると嬉しそうに頬を染め自分も頭を下げた。その一の反応に周りは驚きを隠せないが一番は瀬名の容姿と、その完璧なまでの仕草だ。
(この人、九条家って言ったよな.......)
瀬名は顔を上げ父の娘と言った女性に顔を向ける。九条は顔を紅くし視線を下げるが父がその反応に気づきジェスチャーで視線を合わせろと指示をする。
「君、もしかして、九条香久夜さん?」
瀬名のその唐突な発言に一含める一同は眼を見開いた。
ブクマ160ッ!!てか、ホンマに一話短くて何話もポンポン投稿してる人はずるいわぁ!そんなん、絶対、観覧者増えるやん......
 




