Episode 28 "スーツ姿の女性が魅力的なのは何故だろう?"
「お出迎えに参りました、一様。」
逆転世界に置ける瀬名の家は一民家とは言えないほどの豪邸なのだが、現実世界では一流マンションの一室に住んでいた。そして、家の鐘が鳴り、一はそれを答える為に玄関へと向かい開けると複数の黒服の男達が一同に頭を下げ外の通路へと待機していたのだ。
「ジョンきゅんー行くわよー!」
身体のラインがくっきりと見える白いカッターシャツにミディアムスカートに身を包む一は先に家を後にし、エレベーターまで先に向かった。
「待って、母さんッ!」
瀬名は急いで家を出ると黒服一同は驚きの声を上げ、中には腰を抜かす者までもいた。
「い、一様が言っていた事は本当だったのか....」
「う、美し.....過ぎる」
「人....なのか?」
「.....北ヨーロッパの民間伝承に登場する種族のようだ」
「一様の後継者はご子息であるこのお方になるのか......私は死ぬまで瀬名家に着いていくと決めました!」
「わ、私もっ!」
特に女性の黒服には尋常ではない熱を浴びせられる瀬名。その熱に当てられ、瀬名は家へと後ずさりかける。
「おい、お前ら、ジョンきゅんに卑猥な視線を浴びせてんじゃあねぇぞ?」
一はすぐに瀬名の元へと戻り手を取ると黒服達をギロリと睨みつけ此れは私の物だと言わんばかり瀬名の頭を自分の胸に持っていきその状態のままエレベーターへと向かった。
「う、羨ましい......」
「一様もお美しいが、ご子息のお方は最早、我々とは異なる異質の存在......羨ましい。」
「私も抱きしめ自身の鼓動を聞かせて差し上げたい!」
「貴様は男だろうがっ!」
黒服達はエレベーターに乗り降りて行く瀬名達を追いかける為に階段から急いで一階へと向かった。しかし、彼等彼女らも急いでいるとは言え、瀬名の余りの美しさに私語が耐えなかった。
「一様がお出でになさるぞ!並べ!」
エレベーターの扉が開くと黒服達がロビーから車の止まるマンションのフロン卜までズラリと並び瀬名達を出迎えた。
(す、凄い......母さん、マジで何もんなんだよ!?)
瀬名の腕に自身の腕を絡める一は瀬名自身をエスコートする様に先に歩を開始した。瀬名も母である一の歩調に合わせ歩く。
「あれが、一様のご子息.....」
「くっ、直視が出来ない。ご無礼は承知だが、私には刺激が強すぎる。」
瀬名達が住む階層にて出迎えた黒服とは別に一階で控えていた黒服達も同様、瀬名の鋭くも触れれば脆く崩れてしまいそうな美しさ、そして優雅さに厳格な態度が崩れてしまう。黒服の大半は女性で形成されている為かそれとも仕事上、異性との出会いがないのか耐性がないのかもしれない。
「リ○ジンなんて初めて乗る.....」
「本当はこんなダサい車に何か乗りたくなかったけどね。いかにもな所が嫌じゃない?それに車は自分が運転をした方がいいのよ。」
「........いや、それよりもお母さん、流石に外では膝枕は止めて頂きたいのですが、」
広大な車内の中、瀬名は一により強制的に膝枕をされていた。そしてそれを抜け出そうにも一の圧倒的膂力により膝にねじ伏せられるのだ。
「分かった母さん、ならポジションを反対にしよう、」
すると母は拘束を解き瀬名は身体を起こすと即座に一は頭を瀬名の太ももへと本来とは逆さまに下ろす。
「スーハー......スーハー.....」
太ももとは名ばかりの堂々のセクハラ(股間に顔を埋め匂いを嗅ぐ)である。
「ヤメイ!」
母の頭にチョップを入れると痛いっ!と可愛いく叫び、顔を瀬名へと向けると嬉しそうに笑った。
「い、一様にあのような......」
「通常ならば死んでいたぞ.....」
「此処ら一体は更地になっていただろう.....」
車を運転する黒服と護衛の為にと二人程乗り込んだ黒服達は三人で瀬名達の現場を見てそう言葉を漏らす。
「だが、何よりも」
「あ、あぁ」
「そうだな、」
三人は唾を呑み込むと互に頷き同じ事を言った。
「「「羨ましいぃなぁ」」」
「一様がもうじきに会場へと到着なさるそうだ。」
既に瀬名家以外の有権者達は会場に足を踏み入れて下り中には各国の首相などもいると言う世界的な行事に近い物になっていた。外には噂を聞きつけた数多のジャーナリスト、テレビ局が動向を知ろうと中に入れろと騒ぎを立てていた。
「それにしてもガルニエ宮に模した会場を東京に作るなど、いくらの金が注ぎ込まれたのやら。」
「世界的に有名な資産家達も複数出席している。それに今回はあの一様のご子息がご出席なさると言う。この様な機会は二度とないやもしれぬ。お金の投資など些細な事だ。それに、貴方のお家もご出資されたのでしょう?」
「はは、当然だよ。」
などと言う会話が煌びやかな会場で繰り広げられるていた。そしてその会場の中に九条家もいた。
「本当に一様のご子息の方が来るのですわね.....」
「そうだ、香久夜......私が必ず話が出来る様に機会を作る。その時に何としてもご子息様との接点を作るのがお前の仕事だ。瀬名家とのパイプが出来れば生涯、いや、未来永劫、九条家は安泰となる。覚悟して掛かれ。」
「はい、お父様。」
九条の父自身も冷や汗を流し緊張をした表情でワインを手に瀬名家の到着を待つ。父同様に格有権者の代表は緊張した面持ちをしていた。優雅に食や踊りを舞うのは妻子、そしてこの日の為に雇われた一流の踊り手、歌手のみだった。
「一様がご到着なされました。」
九条家に使えるSPが耳打ちで父へと告げる。各代表も同じ様に情報を受け取り緊張した表情に更に曇りがかかり会場其の物が一度、静寂へと包まれた。
ブクマ150件ッ!?凄いッ!
でも、お前らの力はこんなもんじゃあねぇーだろぉ!
目指すなら逆転世界TOP!!(いや真面目な話、なろう産逆転世界もので一番面白くね?)
だが、悪魔でもこの作品は〜不屈の英雄へ〜の宣伝作品!こっちもブクマをしてくれ!




