表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
器用貧乏な漂流者  作者: 與吉
96/354

0-96野営3日目はポーション作成日とか

次の日は、森の散策として昨日に引き続き、ノノ達がアライズ達を指導しながら歩きはじめる


今日の薬草採取では、一番前をジャンヌとし、次にアライズ・アリサ・アンナとし、最後にノノとココが続いた

ジャンヌが周囲を警戒し、アライズ達も両手棍で周囲を察し、毒蛇やら毒虫を警戒しつつ歩きはじめる、各自解毒用ポーションを1つづつポケットに携帯し、何があっても大丈夫なようにしていた

アライズ達は昨日よりも緊張をしてはいないみたいだが、周囲の警戒で少しずつ疲れが見え始める、シルキーとミルキーも疲れ気味なので、30分おきに休憩をし少しずつ森の中を散策していく

2時間後には今日最初の薬草採取場所へ到着し、ジャンヌが周囲いを警戒し、ノノとココが土壁で休憩場所を囲みはじめる、土壁完成後はアライズが紅茶の準備をし、アリサが周囲を警戒し、アンナとシルキーとミルキーは薬草採取をしていた

この採取場所では、解毒用の薬草と虫除け用の薬草が生えており、街へ戻ってからポーション作成や、そのまま薬草での納品をするのもいいかもしれない


リウ達はノノ達が出発した後に簡易陣地を解除し、ノノ達が歩きはじめ方向とは別方向へ向けて歩きはじめる

リウの肩には『白銀龍』がぐてりとした感じで乗っていた

どうやら昨日楽しみ過ぎて寝不足でふらふらしていた

リウはMAPを展開し、森の中の黄色マーカーの薬草採取場所を調べる

どうやらノノ達が進んだ先には薬草採取場所があるみたいだ

リウは『白銀龍』が腐敗の呪いで倒れていた場所を目指そうとしていた、MAPで見ても今は黄色マーカーの反応を示していた

リウ達がその場所へ着くと、一面の花畑は変わらず、花に隠れて数こそ少ないが、MP回復用の薬草が生えていた、もともとは森の深部でしか育たない薬草が、この場所で生えていた事をクラシスとリズは驚いていたが、リウはそんなは事を知らずに、MP回復ポーションが作成出来るかもしれないという事で、頭がいっぱいだった


その日は、昼ご飯の時までに合流する事が出来ず、夕方頃にリウ達がノノ達の採取場所へ赴くという事になった

ノノ達は解毒用の薬草を150個に虫除け用の薬草を200個採取した

それはパーティーでの採取数ではいえば、数倍の数になるがノノ達にはそんなことは知らなかった

リウ達もMP回復用の薬草を100個採取し、その後、回復用の薬草を120個採取し、その日の採取を終える

薬草はココとリズのアイテムボックスに半分ずつ分けて保管した


とりあえず、2日間の採取をしたので、明日は簡易陣地で1日休む事にする

それは宿屋や荷馬車以外での生活を体験する為だった、ダンジョンでの生活にも似てはいたが、森では夜通しの火の番や、街でやっていた修練、ポーション作成などを明日やるつもりだった


晩ご飯の準備をしている間、クラシスとリズは土壁の補強をし、リウはポーション作成用にもう1つ『かまくら住居』を作成する、内部に大きめの机と人数分のイスを設置し、ホコリが舞わないように、内部の壁を石材しようにした


晩ご飯はアライズ達がメインで調理し、シルキー達が助手として手伝いをしていた

『ひよこ亭』の料理をシルキー達に教えようとしているのかもしれない

12才と10才という事で、何事にも興味を持ち、そして、教えた事を覚えて行く、シルキーとミルキーは今一番面白いと思える時期なのかもしれない


晩ご飯は昨日と同じく、『ひよこ亭』の料理と3角牛のサイコロステーキだった

目の前に並べられた料理を見て『白銀龍』は前のめりでテーブルを凝視していた、そういえば3角牛の料理は初めてかな?塩コショウのみで焼かれたサイコロステーキはシンプルながら抜群の美味しさがある、きっと『白銀龍』も気にいるはずだ

テーブルに料理が並べはじめると、クラシスとリズも酒と肴を並べていく

アリサとアンナも果実酒入りのカップをノノとココとジャンヌ、アリサとアンナの前に置く、シルキーとミルキーには果実酒は早いという事で、カットした果物を置いておく

料理などが並び終え、各自席に着き、リウは手を合わせ


「「「「「いただきます」」」」


そういい食べはじめる、やはり今日の晩ご飯も肉料理がメインで、全部食べるには多すぎる気もしたが、リウ以上にノノ達がすごい勢いで食べはじめたので、1時間後にはきれいさっぱり食べてしまった

リウは隣に座っていた『白銀龍』にサイコロステーキを1つずつ食べさせてあげていた、野うさぎの角煮よりも気に入ったみたいだ、『白銀龍』はお腹がいっぱいになるとリウの膝の上で寝始める


リウは料理を食べつつ、果実を飲み、昨日今日との薬草採取について考えていた

『アイギス』での今回の薬草採取で、森の採取場所6か所を回った事になる

リウはMAP上に黄色マーカーを10か所確認していたが、2日間で6か所巡った事になる、全部の場所を巡るのも可能だが、そこまでやる必要が無いのでリウはこの森での薬草採取を辞める事にする


「明日はポーション作成をするから、みんなの飲み過ぎ注意ね~」


「「「「はーい」」」


ノノ達は元気よく返事をしたが、クラシス達はニコニコしながら飲んでいた

リウは『白銀龍』を撫でながら、果実酒を飲み、周りを見るとシルキーとミルキーが眠そうになっていたのでノノ達にお風呂に入れてもらう。ジャンヌは飲み過ぎなのかふらふらしていたので、昨日と同じく膝枕をし、『白銀龍』と一緒に撫でてやる、暫くするとノノ達はシルキーとミルキーを眠らせ戻ってくる、代わりにアリサとアンナがお風呂に向かう


リウはノノ達に明日のポーション作成でもアライズ達の指導をお願いし、クラシスとリズにはMP回復ポーションの作成をお願いする、これはスキル調合Lv3の2人にしか頼めない為だった

明日リウは『白銀龍』と一緒に簡易陣地の周囲を警戒するつもりでいた、リウは警戒と同時に具現化魔法の紐の修練を行うつもりでいた

具現化の紐の耐久について『白銀龍』に協力してもらい、龍の一撃でも耐えうるかを知りたかった、そして、『白銀龍』にも具現化魔法の修練を秘密裏に行うつもりでいた


その後は交代でお風呂に入り、最後に火の番をリウと『白銀龍』が担当する事になる、ジャンヌも一緒に火の番を希望したが、寝落ちしそうなジャンヌを火の番にすることは出来なかった


コンロ焚火を前に座り、リウは『白銀龍』に話しかける


「なぁ、『白銀龍』君は魔法を修得できるのかな?」


『白銀龍』は質問の意味がわからず首を傾げているが、暫くして話し始める


「リウのいう魔法の修得はわからないが、龍も魔法は使えるぞ。人間の使う魔法じゃなく、魔力を纏い、魔力に意味を持たせ、魔力を行使する。それが龍の使う魔法だが・・・そういえばリウは見た事無かったな。使えば最強だがここでの使用は無理だ、森が崩壊し街が滅んでしまう、龍の魔法は破壊しか生まない・・・。使う時は相手を滅ぼす時だけだ・・・」


『白銀龍』は悲しそうに自身の使う魔法について話し始める

そんな『白銀龍』にリウは撫でながら話す


「それなら僕の使う具現化魔法を覚えないか、破壊では無く、全てを守る盾の魔法を、君を救った魔法を・・・」


『白銀龍』は腐敗の呪いの魔法の事を思い出していた、それは龍の知る魔法では無く、未知の知識だった

その魔法が使えれば、腐敗の呪いに負ける事も無かったと『白銀龍』は思っていた、ただ人間の使用する魔法の修得が龍に可能なのか・・・それだけが心配だった


「『白銀龍』が人間の魔法を修得可能かはわからないけど、やってみる価値はあるでしょ?魔力を纏うのが魔法の前提なら、僕の使う魔法を使える可能性があるしね、それに『白銀龍』に呪いをかけた相手に対する手段としては最高の手段だと思わない?」


リウはそう言って『白銀龍』を抱き上げ


「やられっぱなしじゃいやでしょ?」


そういって抱きしめ、『白銀龍』の目の前で『イージス』を展開する、それは小さな具現した盾だったが、『白銀龍』は『イージス』を見ながらぺたぺたと触りながら、これを覚えたら破壊以外の魔法を使えるかも知れない・・・と思いはじめていた、次に具現化した紐を見せ、『白銀龍』に触らせてあげる、切れす壊せずの紐を不思議そうに見て


「これは具現化した紐ね、切れず壊れず縛る紐、使い方次第では面白そうな魔法でしょ?」


「これも魔法なのか・・・?攻撃でもなく、守るでもなく、不思議な魔法」


やはり具現化魔法の紐を、龍でも知らなかったか・・・

それともこんな変わり種の魔法を作ろうとは思わなかったのかもな


思いを形に出来るなら、魔法はもっと多彩で多様な種類があるはずなのに、この世界の魔法は数も少ないし、種類も少ない・・・魔法を教える者はいないのだろうか・・・


「魔法の修得は、明日やるとして今日はもう寝よう。『白銀龍』のおかげで森の動物は見当たらないし、土壁があるから住居のみんなに危害をくわえるのは不可能でしょ」


リウはそういうとコンロ焚火の傍に寝袋を敷き、『白銀龍』と一緒に横になる

『白銀龍』は先ほど見た魔法に興奮しすぐには寝れそうになかったが、リウは構わず隣で寝始める




森の散策3日目、クラシスとリズはMP回復ポーションの作成をし、

ノノ達はアライズ達と一緒に回復ポーションの作成をやることになる

『かまくら住居』でのポーション作成は初めてだったので、最初こそ失敗もあったが、すぐに部屋の中での作成を同じく成功率を上げていく

リウと『白銀龍』は簡易陣地の外で周囲を警戒していた、リウはMAPを展開し周囲を見渡す、赤マーカーは見当たらないが、警戒だけはしておく


リウは『白銀龍』に具現化魔法の盾『イージス』についてのイメージを伝える

最強の盾にして邪悪や天災を祓う盾の事を、『白銀龍』に伝え、リウは実際に『イージス』を展開し、『白銀龍』に指導していく

そして、魔法の創造にはイメージが大切である事を伝え、『白銀龍』はこの日から具現化魔法の修練に明け暮れる事になる

『白銀龍』が具現化魔法を使えるようになるのは、少し後になってからだあるが、魔法=イメージをいうリウの魔法原理を聞き、魔法障壁は堅甲で強力、そして、無敵な性能を誇る事になる


その頃、『かまくら住居』ではポーションの作成をしていた

シルキーとミルキーはポーション(下級)ではあるが失敗することなく作成する事が出来た、これはスキル調合Lv1の恩恵と器用が向上した為だった

アライズ達はポーション作成で、回復ポーションのの作成で完成したポーションを見てみると、4割ほど回復ポーション(並)が見つかり、3人ともスキル調合Lv2の恩恵を受けていた

クラシスとリズはMP回復ポーションの作成をしていたが、スキル調合Lv3なのに成功率3割でMP回復ポーションを作成していた、これはスキルLvと器用以外の要素が必要と考え、クラシスとリズはMP回復ポーションを10個ほど作成し、その日のポーション作成を終える事になる

1日かけてポーション作成をし、回復ポーションは(下級)が210個で(並)が35個と、MP回復ポーションが10個となる

一気にそれほどのポーションを納品出来ないので、街へ帰ってから冒険者ギルドと商業者ギルドと道具屋へ分けて納品することにした


ポーション作成はMP消費は無いが、精神的に消耗し、休憩を取りつつ進めていたが、みんな疲れ切っていた

疲れていたので晩ご飯の前に全員交代でお風呂に入ってから晩ご飯の準備をする事になる

アイテムボックス内の出来あいの料理をテーブルに置き、その日はあまり手の込んだ料理は作らずに食べる事になる、その中で干物をコンロで炙ったものが一番酒に合っていたので、街に戻ってからの干物の買占めを決定してしまう

『白銀龍』も肉は好きでいたが、干物は初めて食したと言い、炙った干物を「はふはふ」いいながら食べるのを見て、毎食干物の準備をしてもいいかと思った


お風呂を先に済ませたという事で、みんなは酒を飲み、散策3日目までの事を話し合っていた、シルキー達はリュックが欲しいとか、アイテムボックスに出来あいの料理をもっと保存するとか、酒の種類を増やそうとか、色々な意見が出ていて、これだけでも今回の野営は成功だとリウは思っていた

『アイギス』は11人いて、みんながみんな自分の意見をはっきり言えないみたいな感じがしていたが、今回の野営を気にはっきり自分の意見が言えれば、これからの旅にもいい影響を与えると思う


クラシスとリズとアライズは、ノノ達が自分たちの意見を話しているのを嬉しそうに見ていた、手には酒杯を持ってはいたが・・・


リウはノノ達がはっきり意見を言っていたのは・・・酒の影響かと思っていたが・・・、そんなはずはないなと思い、『白銀龍』を撫でていた

暫くすると話し合いは静かになり、ノノ達はテーブルに寄りかかり寝始めていた

リウは『白銀龍』をイスに降ろし、ノノ達を1人ずつ、『かまくら住居』の布団へと運んでいく、7人を布団へ運び、再び戻ってくると今度はクラシスとリズとアライズも寝落ち寸前だったので、クラシス達も1人ずつ布団へ運ぶ事になる

リウはテーブルに戻り、1人で後片付けをし、コンロ焚火の前で果実酒を飲みはじめる

ひょっとしたら『アイギス』の中で一番酒が強いのは僕なのかと錯覚していたが、リウの飲んでいた果実酒はアルコール分の低い酒なので、クラシス達が飲んでいた酒は匂いの段階で無理だと後で知る事になる


リウはコンロ焚火に薪を投入し、寝袋を敷き、横になる

『白銀龍』もリウの寝袋に入り横になる

リウは寝る前に『白銀龍』に具現化魔法の紐で、土壁を起点に紐を展開する、それは空中に紐を展開し網目状になっていた

リウは紐の具現と接合、そして、多重の展開をし、それを維持していた

『白銀龍』は半透明に光る紐を見ながら眠る事になる、それは次の日に『アイギス』のメンバーも驚く光景になるが、それはまた別な話

リウは具現化魔法の攻撃でも防御でもない使い方を『白銀龍』に見せる為だけに展開していた

キラキラ光る景色を見ながら『白銀龍』は眠る事になる

自身も使いこなせるのを夢見ながら・・・

野営3日目終了です

『白銀龍』に具現化魔法を教えます

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ