0-95森での薬草採取と野営とか
次の日、『アイギス』は森への薬草採取を含む5日間の野営を実行した
メインはアライズ・アリサ・アンナ・シルキー・ミルキーの5人を森での野営と称し、ノノ・ココ・ジャンヌを野営の指導と護衛をお願いした
リウとクラシスとリズは、森の中で未だに彷徨っている、死骸した冒険者の討伐に向けて準備していた
「それじゃ、僕達が先に森に行って一仕事してくるから、ノノ達は5人の護衛と指導をお願いね、装備は両手棍で予備で杖を持てば大丈夫でしょ。森の中は毒蛇やら毒持ちの昆虫もいるので解毒用ポーションの携帯を忘れないように、では、ノノ・ココ・ジャンヌ、みんなの事をお願いね。こっちは用事が済めば追いつくからさ~」
そういうとリウとクラシスとリズは、「身体強化」と「速度強化」を唱え、魔力を纏い、森へ駆けていった。『白銀龍』はこっそりリウ達の後をついて行った
リウはMAPを展開し、死骸した冒険者の反応を調べ、討伐に向かう
クラシスとリズも死骸した冒険者の反応を捉えており、リウの後ろを駆けていく
『白銀龍』もリウ達の邪魔にならない位置で駆けて行く
ノノ達は森へ一気に駆けていく、リウ達を見送りつつ、アライズ達に移動前に「身体強化」と「速度強化」を唱える事を教え、魔力を纏いながら移動する
「魔力を纏うのは、魔力操作と攻撃時に攻撃力向上になるからだよ」
「それとMPが3割になったら、すぐに教えてね。森でのMP枯渇は危ないからさ」
「森では周囲の警戒は必須なので、移動中に不審な事があれば、声を掛け合ってね」
ノノとココとジャンヌは森での移動やMP管理、周囲警戒の必須な事を細かく教えていく
アライズ達は両手棍で足元を探る様に歩いていた、シルキーとミルキーも周囲を警戒し、僅かな森の変化をとらえられるようにしていた
森へ入り、30分くらいでシルキーとミルキーのMPの消費により、木々を背に中央にシルキーとミルキーを座らせ、その周りにアライズとアリサとアンナが座り、その周りを警戒するようにノノとココとジャンヌが座る
一応、警戒の意味を込めて座っている周囲に、木々を利用しロープを張っていく、これにより小動物などの接近を防ぐ役割を果たしていた
アライズとアリサとアンナは、背負ったリックから林檎を取り出し、シルキー達に手渡し、休憩がてらMP回復に努める
「シルキーとミルキーは初森の散策だけど大丈夫?」
ノノが疲れた様子のシルキーとミルキーに声をかける
2人は林檎を齧りながら、頷き「んー」と考えてから
「大丈夫、みんないるし、頑張る」
「草原よりも疲れるけど大丈夫~」
どうやらリウとの草原での薬草採取を経験していたので、2人は疲れは見れるが、まだ大丈夫そうだ
周囲を警戒しているココは、紅茶の準備をしているアライズに
「そういえばアライズ達はリュックを背負ってるけど何が入ってるの?」
3人は「ん?」と首を傾げながら、リュックの中身を教えてくれた
リュックには林檎や、水筒に入っている紅茶、木製のカップなど休憩の時に使用する物が入っていた、その中に干し肉や干物などの携帯食も多少入っていた
「休憩の時に使えそうな道具しかないよ?」
リュックの中身を広げたアライズが、紅茶をカップに注ぎながら話していた
紅茶カップを受け取ったココは紅茶を飲みながら
「冷えた紅茶も美味しい・・・」
カップも木製なのでリュックの中で破損する事も無いし、色々考えられていた
アリサのリュックには林檎とパン、それと保存食が入っていた、水筒には果実酒が入っており、休憩時よりも野営時にこっそり飲む為にリュックに入れていると教えてくれた
アンナのリュックには最初から水筒数本分の果実酒と肴用のドライフルーツや干物に干し肉、それに小さめのナイフなどが入っていた、アンナのリュックは酒盛り特化のリュックになっていた
「アリサのリュックは食料とお酒?アンナは酒と肴?」
「そうだよ、私たちはアイテムボックス持ちじゃないから、リュックを背負う事にしたの~」
「そのリュック、欲しい~」
「欲しいかも~」
シルキーとミルキーもアライズ達のリュックに興味津々という感じだった
2人はまだ身体が小さいという事で、腰にサイドポーチを1つだけ装備していた、中には保存食が数個入っていた、もし森の中ではぐれた時用にリウが用意した物だった
「それじゃ、街へ戻ったら一緒に買いに行きましょうか~」
「お揃いのリュックにするのも面白いかも~」
アリサとアンナは、2人にリュックをプレゼントするみたいだな
アライズはニコニコしながら話を聞いていた
ノノ達はここがアイテムボックス持ちなので、自身にリュックは装備していなかったが、今のアライズ達の話を聞き、ノノ達もリュックは必須な様な気がしていた
その後は休憩を数回してから昼前には目的の薬草採取場所へ着き、ノノとココとジャンヌは休憩場所用に簡易陣地を土魔法で作成していく
簡易陣地作成後は、アライズ達が率先して昼ご飯の準備をしていく
昼ご飯準備中は、ノノが周囲を警戒し、ココとジャンヌとシルキーとミルキーは薬草採取をしていた、採取場所は回復用の薬草が一面に生えているので、食事前までに大量の薬草を収集する事が出来た
野営での昼ご飯は、アライズ達の手作りという事で久しぶりに『ひよこ亭』のご飯を食べる事が出来た、ただ、今回は保存食を使用した食事だったので、食べながら保存食でも調理次第ではこんなに美味しくなるのかと思いながらみんな食べていた
昼ご飯までに、リウ達は戻ってこなかったので、リウ達の料理はココのアイテムボックスに保存し、食後の休憩後に森の散策をする事になる
ノノ達は次の薬草採取場所を探す為に、森の散策を再開する
その頃リウ達は、MAPを展開し、森の中で彷徨っている死骸な冒険者を1体ずつ討伐していた、やり方としては向かってくる死骸な冒険者の進行先に落とし穴を展開し、落とし穴に落ちた所にクラシスが火属性魔法で焼却するという作戦だった・・・。死骸な冒険者の死骸も後々、新たな問題になるという事で、落とし穴での完全焼却を施していった
MAPで死骸な冒険者を発見し、1体ずつ焼却していく・・・
リウ達は冒険者に冥福を祈りながら、4体の冒険者を弔っていった
リウ達がノノ達に合流したのは、夕方になった
今日はノノ達の作成した簡易陣地で過ごす事になる
土壁を作成し、『かまくら住居』もキチンと作成し、調理場のコンロもキチンと準備していた
アライズ達は食事の準備をし、ノノ達は土壁の補強をし、シルキーとミルキーは『かまくら住居』の中で布団を敷き寝る場所を確保していた
リウ達は合流後に、生活魔法で綺麗にしてから装備を外し、3人は浴槽の準備をしお風呂の準備をする
『白銀龍』は初野営なので、ノノ達の簡易陣地を見て目を輝かせていた
そして、調理場で調理しているアライズ達に目を向け、美味しそうな匂いがしてくるのを『白銀龍』はイスに座りながら待っていた
料理が出来上がり、アライズ達がテーブルに料理を並べて行く、シルキーとミルキーもアライズ達の手伝いをし、料理を運んで行く
クラシスとリズはアイテムボックスから酒を出し、一緒に肴を大皿にテーブルに並べて行く
『白銀龍』の前にもリウ達と同じ料理が並べられ、多少の酒もカップに入れた物も目の前に置いてくれた、『白銀龍』は宿屋で食べた料理よりも美味しそうな料理から目が離せないでいた
テーブルに料理が並び終え、リウは手を合わせて
「「「「「いただきます」」」」
っと、声を合わせてから食事が始まる。昼ご飯とは違い、晩ご飯はココのアイテムボックス内にある、野うさぎや大猪の肉を使用し、大量の肉料理を準備した
アライズ達は久しぶりの調理の出来に満足し、シルキー達は野営での食事でいつも以上に食事が進んでいくみたいだった、ノノ達は『ひよこ亭』の本気の料理に夢中に食べており、クラシスとリズも酒を飲みつつ、大猪の角煮を頬張っていた
『白銀龍』も角煮や煮込み料理を美味しそうに食べていた、宿屋の料理と違い、美味しい料理に夢中になり、口の周りが汚れているが気にすることなく食べていた、リウは『ひよこ亭』の料理に最初の街の事を思い出し、目を閉じながらゆっくりと食べすすめていた
『白銀龍』は満足したのか、リウの膝の上で丸くなっていた
リウは『白銀龍』の口周りが汚れていたので、生活魔法で清潔にし、『白銀龍』を撫でて行く
リウは『白銀龍』にだけ聞こえる様に小さい声で
「今日はありがとうな、君のおかげで森の中は平和だった。それとご飯美味しかったか?」
「美味いな、宿屋の料理より美味いな♪」
リウは撫でながら、果実酒を飲みながら
「そうだろう、アライズ達は料理上手なんだ。僕が初めて泊った宿屋の料理がこの味だったからね~」
「リウは初めからこの料理を食べていたのか・・・羨ましいな」
「『白銀龍』もこれからはいつでも食べれるよ」
そういうとニコニコしながらリウに撫でられていた
食事がすすみ、酔い始める前にノノ達はお風呂へ向かい、シルキー達も寝る前にお風呂に入る様にうながう、アリサとアンナも野営で疲れていたのか、酒を飲む前にお風呂へ向かい、テーブルにはクラシスとリズとアライズが座っていた
アライズも疲れていたのに、クラシス達と一緒に飲んでいた
リウは今日の薬草採取がどうなったのかアライズに聞いてみた
「今日の薬草採取はどうでした?」
「そうですね、ノノ達の指導もあって大丈夫だったよ。それにシルキー達にも気をかけて休憩もいっぱいしたし、休憩時にはロープを張って安全確保もしっかりやってたよ」
そういえば前の龍騒動でロープはココのアイテムボックスに大量にあったはず・・・、それとキチンと休憩も取ったみたいだし、暫らくはノノ達が主体で森の散策をしても大丈夫そうだな
「そかそか、それなら明日もノノ達を主体で薬草採取出来そうだな」
「はい、大丈夫だと思います」
アライズはそういって酒を飲む、クラシス達も話を聞き、嬉しそうに飲んでいる
初心者冒険者が今では中堅になり、初心者冒険者を指導する立場になった事を嬉しく思っていた
「それと久しぶりに『ひよこ亭』の味を満喫できました。美味しかったです、『白銀龍』も満足したみたいで、これからの食事が楽しみと言ってましたよ」
「そうですか、『白銀龍』が満足したなら嬉しいですね」
リウの膝の上で丸くなっている『白銀龍』を見ながらアライズは微笑んでいる
「それと遅くなりましたが、4人の冒険者を弔う事が出来ました。これで森の異変騒動は完全に終わりました。街を離れる前に弔う事が出来たので、街へ戻ったら商業者ギルドのギルドマスターに報告しなくちゃ・・・」
リウはそういいながら果実酒を飲む、クラシスもリズもアライズも静かに酒を飲む、今回の騒動は4人の冒険者の犠牲の上で知り得た情報で成り立っていた。その情報が無ければ、もしかしたら『腐敗龍』に問題が発展した可能性があった・・・
それに『アイギス』以上に貢献したのは4人の冒険者なのかもしれない
暫くすると、風呂上がりのノノ達が戻ってきて果実酒をちびちびと飲みはじめる、シルキーとミルキーとアリサとアンナは疲れたので、今は布団の中で眠っているとの事だった
ジャンヌは酒に弱いので、リウの隣に座り、向かいにノノとココが座り、カットした果実と果実酒で今日の指導について2人は話し合っていた、ジャンヌは聞いてはいたが、少し眠そうだったので、座っていたイスを3人掛りイスに作成し、リウは膝枕しつつジャンヌを眠らせる、ジャンヌは『白銀龍』を抱きしめつつ眠っていた
クラシスとリズはにやにやしながらリウを見ていた
ノノとココは羨ましそうに見ていたので、ジャンヌを布団に寝かせた後に、順番に膝枕をする事になる
野営1日目は、こんな感じで過ぎて行く・・・
ノノ達の成長とメンバーの団結は少しずつ纏まっていく
メンバー11人での野営をしてます




