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器用貧乏な漂流者  作者: 與吉
88/354

0-88拡張した地下室と草原での薬草採取とか

地下室の拡張も終わり、数か所の空気穴(換気口)を設置し、調理場の下には食材を、倉庫の下にはポーションや寝室を作り、部屋の隅に簡易トイレも設置する


地下室の完成で、リウは満足した顔で部屋を見渡し、ノノ達は地下室を秘密基地でも見るようにわくわくした表情で見ていた

アライズとアリサとアンナは、地下室は貯蔵庫と思っていたので、寝室とトイレを設置した事に驚いていた

シルキーとミルキーは、地下室という概念は無く、屋敷の一部として考えていた。その為、危険があればすぐに地下室に逃げるという事だけを覚えていく

クラシスとリズは、地下室の避難所を見て、ギルドでも同様の地下室の設置を考えていたが、ギルド職員で無いのでどうやってギルドへ教えたらいいかを悩んでいた


一軒家の補強お終わり、『アイギス』は普通の日常へ戻っていった


クラシスとリズは、アライズ達5人の修練に勤しみ、リウ達4人は街道そばの草原で薬草採取をしていた

森の異常は、街でも聞くようになり、なるべく街から離れた場所への移動を控えるようになっていた

リウは薬草採取をしつつ、MAPを展開し周囲の警戒をしていた、街の周囲を拡大して警戒していたが、赤マーカーの反応は無かった

ただ、草原も静かすぎた・・・

動物も鳥などの反応おなく、どこか遠くへ避難している感じがしていた


「やはり草原も山犬の反応ないな・・・」


リウのそんな呟きに、ノノ達は少しだけ安心した半面、やはり山犬が逃げる状態が異常である事を感じていた


「山犬が逃げるような動物ってなんだろ?」


ノノはそんな事を言った、それに答えたのはジャンヌだった


「山犬を狩るのは、黒熊じゃないかな?黒熊は人も襲うし、肉食でとても危険な動物です。群れる事は無いですが、単体でも巨体からの攻撃に耐えれる冒険者は少ないと思います・・・」


「小冊子にも記載していた気がするけど、そんな危険なのか・・・」


「魔法障壁で攻撃を防いでも、こっちからの攻撃を与えるのは難しいと思う。私の槍では黒熊の外装を破壊する事は無理だし、クラシスとリズの魔法でなんとかダメージを与えるかどうか・・・」


「うむ~、それなら早めに土魔法で新しい魔法を考えないとダメだな・・・」


「リウ・・・なんで土魔法なの?」


「普通に火魔法とか風魔法とかじゃないの?」


ノノとココはリウの土魔法に対するこだわりを理解できないでいた

それにリウは無属性魔法と土魔法しか覚えていないのをメンバーは知らないのかもしれない


「僕は無属性魔法と土魔法と具現化魔法しか覚えてないからだよ」


「クラシスやリズ、ココみたいに多彩な魔法を使えないんだよ」


リウは苦笑しつつ、ノノ達に使える魔法を告げる

ノノ達はリウはどんな魔法でも使えると思っていたみたいで最初は驚いたが、それでも創意工夫で魔法を駆使しているリウに尊敬のまなざしで見ていた


「それでリウは土魔法でどんな魔法を考えてるの?」


「リウは土壁と土魔法で住居と地下室を作る魔法を使ってたよね?」


「それ以外の魔法・・・?」


ノノ達はリウの使える土魔法を上げていたが、どれも攻撃向きの魔法は無く、どちらかというと商業者向けの魔法の様な気がしてきた


「戦闘向きな魔法は1つも無いな・・・土魔法は 一応は、土魔法で落とし穴を作れないか考えている」


「前に大猪の新しい討伐方法を考えている時にいってたやつ?」


「そうそう、突進してくる大猪の前足の付近の地面に穴を開け、動きを封じる事が出来れば大丈夫」


「それを黒熊にもやってみようと?」


「少し違うね、巨体な黒熊の周囲の地面の土を地下3m消滅させるか、圧縮して穴の周囲を石材に変化する事が出来ればいいんだけど・・・」


「動きを封じる事は出来ますが、倒すのは無理じゃ?」


「まぁ、動きを封じれば、土魔法で穴に土を入れて圧縮して倒してもいいし、他のランクの高い冒険者に討伐をお願いするよ」


「それでは前の街の緊急クエストの様に、手柄を譲るんですか?」


「ジャンヌ、それは違うよ、冒険者は一人ではダメなんだよ。協力し、連携し、そして、冒険者は他の冒険者に敬意を払い、そういうふうにやっていかないと」


「そうですか、リウはやっぱり変わってます」


「冒険者なんだから多少変わった方がいいんだよ、普通の冒険者ほどつまらないものは無いと思うよ」


「まぁ、討伐クエストだけとか、危険を顧みずダンジョンへ行くとかは嫌ですが」


「うちの『アイギス』は無理な討伐も、無謀なダンジョン挑戦もしないし、戦闘よりも街でのポーション作成で無理のない生活を送れたら最高じゃない~」


「それにポーション作成でスキル調剤も覚えたし、『ひよこ亭』でスキル料理も覚えたし、冒険者らしくないけど毎日が楽しいし~」


「そそ、街の冒険者みたく、討伐クエストばかりをしているのはイヤ~」


「私はこの街の冒険者を見てきたので、ここの殺伐とした冒険者が普通と思ってましたが、リウと会って冒険者の事を考えなおす事が出来ました。クエストよりもスキルに重点を置き、メンバーの育成をしっかり行うのは『アイギス』だけだ思います」


ジャンヌはそんな事を言ってるが、リウとノノとココは冒険者になってから、今まで普通にやってきた事を褒められたが、どれがすごいのかわからないでいた

スキルも無しで討伐クエストを行うのは自殺行為だし、初心者がダンジョンで生き残れるはずが無いのも知っていた、それなのに他のパーティーではやっていないのに驚いていた


「僕とノノとココは、最初から今みたいに冒険者をやってきたから凄いのはわからないけど、ジャンヌは今の状況は満足してるの?」


「もちろん、リウに誘ってもらって良かったと思ってます。私は槍しか使えなかったので、今の色々なスキルや知識を教えてもらい、中堅冒険者の高みまで来れました、あの時クラシスとリズに相談して良かったと今でも思います」


「それなら、難しく考えちゃダメだよ。『アイギス』は僕がノノとココを誘い、ジャンヌを誘い、クラシスとリズの加入や、『ひよこ亭』の参入、見習い留守番の加入で今があるんだからさ」


「そうですね、ある意味リウに拾ってもらいました。最後まで面倒みて下さいね」


ジャンヌはニコリそう言い、薬草採取を再開した

ノノとココも「私達も最後まで面倒みてね」とリウに告げ、薬草採取を再開した

リウは「最後まで面倒は見るけど、僕方が捨てられそうで怖いよ」とは言えずにいた


3人が薬草採取をしていて、リウはMAPで周囲を警戒し、赤マーカーの反応を調べていた

相変わらず、森の奥に赤マーカーの反応はあったが、動いてはいないみたいだ

ただ、白マーカーが赤マーカーに接近しているのが気になるな・・・

リウは少しだけ嫌な予感がし、薬草採取を切り上げ、街へ戻る事にする


あの白マーカーは数日で赤マーカーに近づくと思うが・・・

ギルドの調査か、討伐クエストの冒険者かは不明だな、この接触で赤マーカーが移動する事になれば、一気に緊張感が増す気がする


『アイギス』は街へ到着すると、ノノ達に露店で串焼きや食料の買い出しをお願いし、リウは1人ギルドへ向かっていった

ギルド内は森での討伐クエストが完遂できずにいる冒険者が溢れていた、リウは薬草採取のクエストを完了する為に受付嬢に薬草を渡し、今の現状を聞いてみた


「では、薬草10個を束で6束確認出来ました。こちらが報酬です」


カウンターに報酬が入った小袋を渡される、リウはギルド内に冒険者が多い事を聞くと

森での討伐対象の山犬などが見当たらず、期限までにクエストを完遂できない冒険者がギルドへ押し掛けている事を知る

その為、Bランクの冒険者が森へ調査に2日前に向かった事教えてもらい。4日後には森の調査が終わり帰還する事を知る

リウは前の緊急クエストの様な気がするが、確信の無い事を言う事が出来ず、ギルドを後にする


リウはギルドから出て露店へ向けて歩きはじめる

暫くすると、露店の前でノノ達の買い食いしている所に遭遇する


「3人とも食べ過ぎはダメだよ、それと食材を買うから、お勧めの露店を案内してもらえるかな?」


リウはそう言ってノノ達と露店巡りをし、メンバーにお土産と食材の大量購入をするのだった、今回は小麦粉やそば粉も購入でき、少しは料理の幅も広がりそうで、リウ達はにこにこしながら一軒家へ戻っていった



その日の晩ご飯後の晩酌で、リウはクラシスとリズとアライズに冒険者ギルドで聞いた事を話していた、森の調査として、森の奥の反応に近づく冒険者がいる事、後4日で森の調査が終わる事など話し合ったが、森の奥の反応は『アイギス』のメンバーの中でも、リウとクラシスしか感じては無く、他のメンバーは半信半疑だったが、前の街での緊急クエストの事もあり、何があっても『アイギス』のメンバーを守る事で、その日の晩酌は終了する

そのかわり、次の日の魔法の修練は魔法障壁に重点を置き、個人の防御力の向上に努める事になる


4日後のギルドの森の調査までに、アライズ・アリサ・アンナ・シルキー・ミルキーは魔法障壁を覚え、自身を守る事が出来るようになる、また、『ボルト』を使いこなせる事は出来なかったが、魔法障壁の展開で『アイギス』の防御力の向上に繋がっていく




4日後、街の門番は森へ向かった冒険者が戻ってきたが、8人中4人しか戻っておらず、しかも、4人全員負傷していた

負傷した冒険者はギルドへ向かう事が出来ず、門番がギルドへ駆けこむ事になる

ギルド職員が負傷した冒険者から、今回の森の調査の報告を聞き、冒険者ギルドは緊急の会議を開き、冒険者ギルドと商業者ギルド両名のギルドマスター・副ギルドマスター・高ランクの冒険者で森の状況を知る事になる


それは街はじまって以来の危機的状況なのだが、その事をリウ達が知るのは3日後になる


両ギルドの対応の悪さと、高ランクの冒険者が報告を信じていなかったのが原因なのだが・・・

地下室の拡張完了

『アイギス』は食材の購入を着々と進めています

森の異変にリウが気づくのは、もう少し後です

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