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器用貧乏な漂流者  作者: 與吉
87/354

0-87『アイギス』のポーション作成とか

シルキーとミルキーが『アイギス』に加入して1ヶ月後、リウとノノとココとジャンヌは森へ薬草採取へ出かけていた

ポーション作成の為に大量の薬草を確保する為と、ノノ達に薬草採取場所を覚えてもらうために連日森へ出かけていた


「ノノとココとジャンヌは薬草の採取場所を覚えておいてね、僕がいつも一緒とは限らないし、それと周囲の警戒はきっちりお願い~」


「了解~」


「周囲の警戒は任せて~」


「採取場所は街の近辺は覚えたと思うけど・・・」


「今度はノノ達とクラシスとリズが一緒に薬草採取に行ってもらうから、その時に道案内をお願いするから~」


「がんばる~」


「採取場所はどうやって覚えたらいいやら~」


「そういえばリウはどうやって採取場所を覚えてるの?」


ノノ達はリウの採取場所の覚え方を聞いてきた、MAPを教えてもノノ達が使えると限らないので、道筋に目印をつけるやり方や、小冊子の簡易地図に手書きで採取場所を覚えたと言っておいた

リウのMAPについては、『アイギス』のメンバーに教えるか悩んでいたが、これについては時期を見てメンバーに知らせるつもりでいた


この日の薬草採取は、2種類の薬草を採取し、解毒用の薬草はギルドに売り渡し、回復用の薬草はポーション作成用にリウのアイテムボックスに保存した

ランクCのクエストとしては、報酬額の少ないクエストのみをしているので、受付嬢は『アイギス』のメンバーが怪我でもしているのか心配しているみたいだった

リウは苦笑いをしつつ、「大丈夫ですよ」と告げ、ギルドを後にするのだった


ギルドを出てからは、ノノ達は露店巡りがしたいという事で、露店を巡りシルキー達に串焼きを購入したり、果物を購入したりした


一軒家に着くと、クラシスとリズがアライズ・アリサ・アンナ・シルキー・ミルキーに魔法の修練を行っていた

5人とも無属性の『身体強化』『速度強化』を修練し、今は『ボルト』の修練に励んでいた

5人は一列に並び、魔力を圧縮し、維持し、回転しを繰り返し繰り返し行っていた

クラシスとリズは魔力の流をみつつ、魔法を教えていた


ちなみに、5人は両手棍Lv1になっており、やっと初心者冒険者の仲間入りを果たしていた


そんな7人の魔法の修練を確認しつつ


「ただいま~、帰ったよ~」


「「「おかえり~」」」 


リウのその一言で魔法の修練は終了した、シルキーとミルキーはMPが少ないのでもう少しで枯渇しそうな感じがしたし、アリサとアンナもMPに余裕がなさそうだった

アライズは「ふぅ」と呟き、「そろそろご飯?」と言っていたので


「今日は僕らが晩ご飯を作りますよ、アライズ達は少し休んでて」


リウはそう言いながら、7人に生活魔法を唱え、ノノ達と調理場へと向かう

ノノ達も疲れてはいたが、MP枯渇の状態で料理をするのが危険な事を知っており、リウの手伝いをすすんでやってくれた

調理場にはアライズ達が下ごしらえした料理があり、ノノ達は時間をかけることなく晩ご飯を調理する事が出来た

それと今日購入した果物もカットし大皿にのせる


「よし、晩ご飯の準備が出来た」


「それじゃ、みんなを呼んできますね~」


そういうとノノ達はみんなにご飯の準備が出来た事を呼びに行ってしまう

リウはテーブルに料理を並べ、少しだけ酒の肴の準備を始める

干物を食べやすい大きさにし、コンロで炙り小皿にのせ、クラシスとリズの席の前に置く


メンバーが揃い食事が始まると、今日の採取した薬草を教え、明日は薬草からポーション作成をお願いする

それとシルキーとミルキーに薬草の種類や調剤についても、リズやココから教えてもらうつもりでいた

メンバーの中でポーションの作成をした事のないのは、シルキーとミルキーのみなので、早く作成をしてもらい、ポーション作成を修練してもらいたかった

アライズとアリサとアンナはポーション作成は修練済みだが、成功率があまり高くないので5人には魔法修練と同じ時間をポーション作成をしてもらっていた


「そういえば、回復用のポーションはアライズ達はやった事あるんだよね」


「一応、スキル調合Lv1になってるよ」


アライズのその一言でアリサとアンナは頷いている

調合Lv1なら解毒用のポーションも作成可能のはず、明日からのポーション作成が楽しみだな


「そっか、これでアライズ達はポーション屋の初心者調合師と同じスキル持ちになったね」


「もともと私達は料理スキルがあったし、器用も高かったのが良かったのかも?」


「それでもしっぱいもあるので修練なるのみです~」


「薬草採取で回復用の薬草しか知らないから、もっと覚えたい~」


アライズ達も森の薬草採取に連れていったもいい頃かもしれないな

料理と調合が相性がいいかはわからないが、3人とも器用が高いのはいいことだ


「シルキーとミルキーは明日からポーション作成するから楽しみにしててね」


「はい~」


「がんばります~」


シルキーとミルキーは明日からのポーション作成を楽しみにしていた

2人はもともと仕事の覚えるのは早いし、アライズ達と一緒に料理をしているので、器用は高いはずなので、1ヵ月ほどでスキル調合を修練するかもしれないな


明日のポーション作成組は疲れてはいるが、明日からの修練について楽しそうに話している、5人は新しい事を覚えるのに一生懸命だった

それは冒険者としてはめずらしい事なのかもしれないが、生きていくうえでは有意義なことなので、リウはにこにこしながらアライズ達を見ていた


クラシスとリズが静かだと思ったら、2人はちびちびと酒を飲みつつ、リウの用意した肴を食べていた、明日からのポーション作成をどうするかも相談していた


晩ご飯も食べ終わり、リウ達は果実酒を飲んだり、カットした果物を食べたりしていた

クラシスとリズとアライズは、酒を飲みつつ、今日の魔法操作について話し合いをしていた、アライズは今日の修練でMPに余裕があったので、魔力障壁についても2人に聞いていた


ノノとココはシルキーとミルキーに、小冊子を見つつ薬草の事を教え、薬草の特徴や採取方法を教えていた

ジャンヌは果実酒を少しだけ飲んでしまい、リウが隣で介抱していた




次の日は『アイギス』のメンバー全員で、一軒家の倉庫でポーション作成を行っていた

講師役にリズとココ、助手にノノとジャンヌが担当し、リウとクラシスは作成したポーションをギルドや道具屋へ運び、また空き瓶を購入する役目をしていた


アライズとアリサとアンナは、回復用ポーションと解毒用ポーションを作成し、その日のうちに回復用ポーション60個と、解毒用ポーション20個と納品する事になる

シルキーとミルキーは、回復用ポーションの作成をノノとジャンヌが隣でやり方を見せつつ行っていた、最初こそ失敗していたが、午後になると少なからずポーションの作成を成功させていた


「アライズ達の回復用ポーションは5個の(並)があった、他の回復用ポーションは55個の(下級)だった、解毒用ポーションは20個で性能はわからないな」


「それでも回復用ポーションの作成は疲れます」


「回復用のポーションはなんとか成功するようになったけど、(並)がどうして出来たかさっぱりです~」


「解毒用ポーションは作成手順が、回復用と違って大変だけど、こっちの方が作成好きかも~」


アライズは調理よりも調剤の方が緊張しているみたいだな、几帳面なところがポーション作成にはいいはずなのに、緊張しっぱなしで疲れでいるみたいだ

アリサはポーション作成での緊張とかは無いみたいだな、作成手順は覚えているみたいだし、(並)と(下級)の僅かな違いに気づけば、調合Lvが上がるのかな?

アンナはポーション作成が好きみたいだな、作業手順は覚えたみたいだし、これからのポーション作成に期待できるかも


シルキーとミルキーは最終的には20個の回復用ポーションを作成出来たみたいだ

リウも最初の成功率はこんなものだったし、2人も気にしないでポーション作成をしてもらいたいものだ、しかし、2人はポーション作成の難しさを実感していた


「シルキーとミルキーは初めてのポーション作成は、どうだった?難しかった?」


「初めてづくしで難しい」


「むずかし~」


2人はぐったりとテーブルに身体を預けていた

そんな2人をノノとジャンヌが頭を撫でている、2人は嬉しそうに撫でられていた


「僕が最初にポーション作成した時と同じくらいの成功率だよ、2人はこれからいっぱい修練して成功するんだから、気にしちゃダメだよ」


リウの最初は失敗が多いという話を聞き、2人は少しだけ「ほっ」としていた

それとこれからの修練を楽しみにしている感じだった


この日から、午前は魔法の修練をし、午後からはポーション作成をしていく


薬草採取は、リウとノノとジャンヌとクラシスが担当し、森の採取場所を簡易地図に書き込む作業も同時に行っていく

4人は周囲を警戒しつつ採取を行っていたので、未だに森の中での戦闘は経験していなかった


「ノノ達は周囲を警戒してるけど、山犬とかの反応ある?」


リウがノノ達にそう聞くと、周囲を見ながら首を振る

クラシスは森の奥を見ながら、僅かな反応をとらえてはいたが、何が奥にいるかはわからないみたいだった


「周囲には反応は無いです」


「同じく反応を感じる事は出来ない」


ノノとジャンヌは周囲に反応が無い事に気がついている

クラシスだけは周囲の反応というよりも、その先の森の奥の反応を感じていた


「森の奥に反応があるけど・・・、向かってくる気配は無いし大丈夫でしょ」


ノノとジャンヌも森の奥の反応を知ろうとしてるけど、距離があるので2人には感じる事が出来ないみたいだった


「やっぱり森の奥に反応あるけど、他に反応ないよね・・・。今の状況は前の街でもあった、緊急クエストに繋がったりしないよね?」


「それは山犬が大量に森から溢れたり?」


「それともキラーハントが森から溢れたり?」


「多分あるとしても、その逆じゃないかな?山犬やキラーハントが何者から狩られていると考えた方がいいかもね」


「それで森が静かすぎるのか・・・」


クラシスの森の異常にリウ達は少なからず不安を覚えていた

1ヵ月前には大猪の反応があったはずなのに、今はその反応すら感じない

また、緊急クエストが発令する様な事になったら、アライズ・アリサ・アンナ・シルキー・ミルキーは一軒家で留守番を頼まないといけないな


「薬草は少なからず集まったから戻りましょ~」


リウの掛け声で『アイギス』は街へ戻る事になる

森の変化が気になるし、明日は森へ出かけず、露店で食材を買い込んだ方がいいかもしれない、それと、一軒家の土壁の補強もしたほうがいいな




次の日は、『アイギス』のメンバーに森での変化を話し、ココとシルキー、リズとミルキーは食料の買い出しに、クラシスとジャンヌとノノとリウで一軒家を囲む土壁の補強をしていく

土壁を地下室で固めたみたいに、石材の様に加工し、外部からの侵入を防ごうとした

アライズとアリサとアンナは、地下室に食材の整理をし、緊急時に避難できるように地下室を掃除していた


夕方には食材の買い出しや土壁の補強も終わり、その日の仕事を終える事になる




次の日は、森へ行かずに魔法の修練をし、ポーション作成をしていた

リウはリズとココとで馬小屋・馬車置き場などの土壁を石材に加工する、一軒家全体を補給するには無理があるので、壊れても困る調理場と倉庫とトイレにも石材による補強を行う事になる

一応、大猪の突進でも耐えれる強度は確保したとリウは思ったが、クラシスやリズからは過剰防衛だと言われ少しだけ凹んだ(=_=;

それと倉庫にも地下室を増設し、調理場の地下室との通路も作り、収納スペースが10倍以上にも広くなった

これにより避難するのも容易になり、何があっても『アイギス』は生き残れそうな雰囲気になっていく、この時代に地下に避難場所を作成する事自体無い事なので、地下室の完成を見て、クラシスとリズは驚きを隠せなかった・・・


ポーション作成回です

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