0-76街を離れるまで3日後とか
次の日、リウは『アイギス』のメンバーを連れ道具屋へ向かっていた
新しい荷馬車を見せる為と、メンバー各員からの要望を聞く為であった
道具屋で店主を連れ、『職人横丁』の馬車職人の工房へと向かっていた
馬車職人に挨拶をし、完成した荷馬車のある倉庫の前でメンバーは集まっていた
集まったメンバーにリウは
「これが道具屋さんに注文し、馬車職人さんとで設計し、完成した荷馬車です!」
そういってリウは倉庫の扉を開ける
ゴゴゴゴゴ・・・、倉庫の大きい扉を開け、倉庫の荷馬車に光が当たる
荷馬車は幌馬車ではなく、木箱のような作りになっており、一見して馬車には見えない感じになっていた
そして、木箱のような荷馬車の後ろに大きさ半分くらいの荷台が設置していた
大きい木箱と小さい木箱が連結している感じかな?
「これは荷馬車?」
「木箱?」
「大きい木箱と小さい木箱?」
ノノとココとジャンヌは荷馬車を見て、一般的な馬車で無い事に驚いていた
その中でクラシスとリズは荷馬車に近づき、荷馬車の頑丈さに驚いているみたいだった
「これはすごいね、魔法は無理でも弓矢くらいは防げるんじゃない?」
「それに車輪の数が多いから、速度よりも安定性を重視してるし」
荷馬車を触り、下部の方もしっかり見て荷馬車の性能を確かめていた
それを見たリウは荷馬車の説明を始める
「この荷馬車は普通の馬車よりも車体が低くして、後輪の前にある扉から階段を上がる感じで馬車に乗れるようになってます。内装は未完成だけど内部は10人くらいは寝れるスペースを確保してます」
ノノ達は馬車の扉からみんなが乗り込んでくる
荷馬車は完全木製の作りにしていたので、光の取り入れには窓を開ける様にしていた
開けれる窓の個所は、左右に4か所天井近くに細長い換気窓や、景色が見れるように大きめの窓も完備していた
そして、後ろの荷台へ行ける扉を開け、後ろの荷台を見ている
それを見たアライズさんとアリサさんとアンナさんは
「これは厨房ですね、『ひよこ亭』の半分のスペースですが、機能的な作りになってます」
「それにコンロの数が3つ?」
「壁に調味料がいっぱいあります」
厨房荷台は前の馬車のより小型だけど
調理専用に作ったので満足のいく作りになっている
調理場で料理を作り、馬車でみんなで食べる。もしくは、外で食べる
「リウさん凄いですね、この調理荷台はいつでも美味しい料理を提供できます!」
アライズさんは興奮したようにリウの手を掴んでぶんぶんと握手していた
調理荷台はこのままで大丈夫だとして・・・
馬車の内装は・・・、ノノ達は何やら相談をしている
「どうかした?何か要望があれば教えて欲しいんだけど?」
「この馬車の上には上がれないの?」
ノノは馬車の上を指さしてそんな事を言ってきた
それを聞いた馬車職人さんは少し考え
「屋根の部分は防水加工はしているが、人が乗れるようには無いいてないな。もし、
人を乗れる様にするなら、2~3日待ってもらえれば大丈夫だよ」
「それと上へは馬車から上がった方がいい?」
「それとも馬車の中から上がれるようにする?」
ノノとクラシスのどちらから上がる問題に対してリウは
「それなら馬車から上がれるようにお願いします。上には木製のイスが欲しいですね。それと組み立て式の屋根をお願いしてもいいですか?」
「組み立て式?必要な時に屋根を設置する感じかな??」
「ですね、今の木箱にもう一段屋根を作るとしたらバランスが悪いので、夜の宿泊時のみ屋根を設置する感じがいいです」
「それなら簡易屋根としてなら、2~3日で作成できるよ。イスは3列で6人くらいは座れるようでいいかな?」
「はい、馬車の御者+助手以外の人達で座れれば大丈夫です。馬車での長旅を予定してるので、出来るだけ外の景色やリフレッシュできる工夫はしていきたいです」
「この要望以外で何かあるかい?」
道具屋の店主は馬車の変更や要望を聞いてくる
「それなら大きな布団を2つお願いします」
「それは前に注文したやつと同型でよろしいですか?」
「はい、お願いします」
「では、馬車の方に載せておきます」
馬車職人さんは木箱の上の入り口とイス・簡易屋根について職人さん達で集まって相談を始めている
「そだ、屋根は防水加工という事ですが、全面防水加工も可能ですか?」
「それは可能ですが・・?」
「お願いします」
「それでは、屋根の上に乗る事とイスを3列に馬車の前面の防水加工と・・・、それでは3日後には完成すると思います。完成時は馬を繋いだ感じで引き渡します」
「わかりました、3日後に『アイギス』が取りに来ます。よろしくお願いしますね」
そう言ってリウは馬車職員に頭をぺこりと下げる
それを見た『アイギス』のメンバーもぺこりと頭を下げる
これで3日後には、旅に行ける事が可能になった
「次はギルドへ行こうか~」
「ギルド?」
「クエストでもするの?」
「違うよ、街を離れる事と『ひよこ亭』の解体を教えに行かないと・・・・ね?」
そう言ってアライズさん達を見る、彼女達はギルド系列の宿屋を運営していたので
宿屋を閉める事と、『アイギス』の加入も知らせないといけない
冒険者ギルドに着き、リウはアライズさんと連れ添って受付嬢のもとへ向かう
「すいません、少しいいですか?」
「はい、久しぶりですね。どうしましたか?」
「3日後に街を離れようと思いまして」
それを聞いた受付嬢は驚きはしたが、顔に出すことなくリウの話を聞いていた
「そうですか、『アイギス』さん達も街を離れるんですね」
「はい、ランクも上がりましたし、次の街へ行こうと思います」
「わかりました、『氾濫』の時はギルド一同非常に助かりました。『アイギス』さん達の門前の土壁のおかげで被害ゼロになったようなものです」
「それに関しては、冒険者一同の連携でしょ?僕たちの力なんてほんの一部ですよ」
「『アイギス』さんは一軒家を所有してますが、一軒家はどうしますか?」
「一軒家に関しては、ギルドに返還します。3日後には旅に出ますので、後の事よろしくお願いします」
「了解です、副ギルドマスターの方にはそのように伝えておきます」
これで『アイギス』の3日後の旅については大丈夫だな、一軒家も3日後にはギルドへ返還っと、次はアライズさん達の事を伝えるか
「それと最後に1つ報告があります、アライズさんとアリサさん、アンナさんを『アイギス』に加入します。それに伴い『ひよこ亭』の閉店をお願いします」
受付嬢は今度は驚き、予想以上の事を言われた為か
「え、アライズさん達も街を離れるんですか・・・?」
それを言われアライズさんはにこりと笑顔で
「はい、『アイギス』さんに加入して街を離れます」
後ろのアリサさんとアンナさんも頷きながら受付嬢を見ている
受付嬢は「甘味処がなくなる・・」とぶつぶつしている
「あの、大丈夫ですか?」
「ダイジョウブデスヨ・・・」
受付嬢の焦点が合っていない気がするが・・・、気にしちゃダメだろうな
「それとアライズさんとアリサさんとアンナさんのギルドカードを作りたいんですが?」
「わかりました、では、3人ともこちらにおいで下さい」
そう言って受付嬢の前にアライズさんアリサさんアンナさんがカウンターの前に並ぶ
カード発行まで『アイギス』のメンバーは邪魔にならない様に
ギルドの壁際で待機する、クラシスとリズはクエストボードの前でクエストを見ている
『氾濫』後なので討伐クエストは、数が激減しているみたいだ
薬草採取は少しだけあるみたいだな(=_=
ランクは上がったけど薬草採取はいつでもやりたいな
暫くするとギルドカードを手にした3人がリウの前に戻ってきた
「「「出来ました~」」」
「おめでとう~、それじゃ、帰ろうか~」
「「「「「はい!」」」」
『アイギス』のメンバーは馬車の注文も終え、アライズさん達の『アイギス』加入も完了し、これで3日後には街を離れる事になる
3日後の間にアイテムボックスの整理をしたり、装備を整え、食材を揃え、万全の状態にしなきゃなぁ~
馬車の注文終了、アライズさん達のギルドカード完成




