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器用貧乏な漂流者  作者: 與吉
74/354

0-74『氾濫』終局とか

『アイギス』のメンバーは、晩ご飯後に街の外へと向かう

その前に家の中にいるアライズさんに家の玄関も土魔法で塞ぐ事を伝えきっちり塞ぐ

これで『氾濫』の時に魔物が街に溢れても怖くないし

なにより『氾濫』の時に何があるかわからないので、やれることはやらないと・・・


「よし、『ひよこ亭』と一軒家はこれで大丈夫!」


「要塞化~」


「陣地完成~」


ノノとココは一軒家の前で要塞化した建物を前にテンションを上げていた


「後は私たちが頑張れば大丈夫です」


「早く行きましょ」


「多分、街の外には副ギルドマスターのランプがいると思うから」


「それじゃ、いこっか」


「「「はい」」」


『アイギス』は忙しそうに駆けている冒険者の後ろについて行く

街の外の『氾濫』対策の外壁は3mの高さになってはいたが

壁の厚さが厚い所で50cmに対し、薄いところが20cmとバラバラな事に気がつく


「ねぇ、クラシス、リズ。これは土壁やりなおした方がいいよね・・・」


リウは土壁をぺたぺた触りながらそんな事を言う

クラシスとリズも土壁を触りながら厚さのバラつきに気がついたのか


「そうねリウ達は土壁の補強お願いしていいかな?」


「どうするの?」


「ちょっと副ギルドマスターに外壁の補強の必要性について助言してくるわ」


そういってクラシスは副ギルドマスターに土壁の補強について話をしに行った


「それじゃ、僕とリズとココで薄いところの補強をしよう」


「周囲を警戒します」


「私も周囲を警戒します」


リウとココとリズで土壁をぺたぺた触り、土壁の薄い個所から補強していく

ノノとジャンヌは近づきつつある『氾濫』を警戒し、周囲の反応を調べようとしている

暫くすると、クラシスが戻ってくる


「土壁の補強の重要性は教えてきたよ~」


「もう少しで補強終わるし、次は何をしようか?」


最低限の土壁を補強し、『アイギス』は門の前まで戻ってくる

土壁は門を囲むように土壁を構築していた

もちろん入口は無く3mの土壁が目の前に建っていた


「それじゃ、正面の土壁のから攻撃できるようにしよっか~」


「ダンジョンで最後に作った陣地みたいに5mの幅があればいいかな?」


リズがダンジョンの最後の夜の事を思い出しながら聞いてきた

あの時は土壁と盛り土を同時で作成したけど、今回は盛り土のみの作成だし

前回よりは効率よく作成できるはず・・・


「そうだね、盛り土を幅5mでやってみようか」


「後は数か所階段かスロープを作った方がいいかもしれない」


そう言うとクラシスとリズは正面の土壁の後ろに

土壁で幅5mの盛り土で足場を作成していく

ノノとココは盛り土で作成していく足場に、階段を作成していく


リウはMAPを展開し、周囲を警戒する

MAP上にはキャラバンから街へ向かう無数の赤マーカーの反応があった

まだ、1時間は大丈夫だと思うが・・・

ジャンヌも街道の方を見ながら難しそうな顔をしていた


「よし、ジャンヌ僕たちも盛り土で足場を作成しようか」


「はい、手伝います」


そう言って門から右手の土壁を2人で幅3mで盛り土し足場を形成していく

こっちの方は階段を作る事無く、最低限の追撃用として作成した

次に同じく左の土壁も同じく幅3mの盛り土を作成し足場を形成していく


「これで両側は土壁も厚くなったし、足場からの攻撃も可能になった」


「『氾濫』接近までもう少しだけど・・・」


ジャンヌは近づいている『氾濫』について心配しているみたい

多分、クラシスとリズには近づいている『氾濫』目視出来ているはずだ


「大丈夫だよ、これだけ堅甲な作りなら突破されないでしょ」


そういってジャンヌの頭をぽんぽんと撫でていく


暫くすると正面の土壁の足場が完成してみたいだ

クラシス達は街へと向かってくる『氾濫』を見ていた

街を取り囲む魔物の群れを見ているのかもしれない


「お~い、降りてきな~」


そういうとノノとココが階段をゆっくりした足取りで降りてくる

街の外の魔物の群れを見て怖かったのかリウにギュと抱きつく

リウはノノとココの頭をぽんぽんと撫でてリラックスされる


それを見ていた副ギルドマスターのランプは


「あんたたちはいつもあんな感じなのかい?」


「いつもって?」


「土魔法で土壁を作ったり、足場を作ったりするやり方さ」


「え、普通じゃないの?」


盛り土の足場から降りてきたクラシスとリズは、そんなリウとランプの会話を聞きながら


「うちのリウはそんなことは知らないから」


「そもそも『アイギス』の野営ではこれ以上に堅甲な作りの簡易陣地だしね」


「そうなんですか・・・、それで上から見て『氾濫』はどうですか?」


土壁の上から下りてきたクラシスに副ギルドマスターは聞いてきた


「まぁ、30分しないで魔物の足音が聞こえてくるわよ」


「それと遠距離可能な冒険者を集めた方がいいわよ。追撃するにしよ、静観するにせよ・・・ね」


「それについてはギルドマスターが動くと思いますが・・・、『アイギス』はどうするんですか?」


「それについてはギルドで聞いたけど、街の外で対応にあたれと言われたけど・・・」


「まぁ、『アイギス』はMPを回復したいので、少しの間休憩してますね」


「あまり遠くに行かないでくださいね、すぐに呼びに行けるところで待機お願いします」


「『ひよこ亭』の前で座ってますので、『氾濫』の対応が決まり次第教えて下さい」


そういって副ギルドマスターにぺこりと頭を下げ街へと戻る

『アイギス』のメンバーは『ひよこ亭』の前で土魔法でイスを作成し紅茶を飲み始める

土壁の補強と盛り土での足場の作成で魔物の侵入は防げると思うけど・・・

紅茶を飲み、ノノとココは焼き串を食べながらまったりとしている

リウもMAPを展開し、街の周囲の警戒をしている

どうやら街を囲むように魔物が押し寄せて来ているみたいな感じがする

街全体の外壁の硬さは十分なのかは・・・わからんな


暫くするとギルドマスターが冒険者と一緒に門のところで『氾濫』に対して何かを話していた

何かをというのは『アイギス』のメンバーはギルドマスターの話を全く聞いていなかったからなのだが・・・

まぁ、聞かなくても上からの攻撃しか手は無いんだけどね


リウは隣を見ると疲れていたのかノノとココが少しだけ寝ていたので

イスから降ろしマントで包んで寝かせてやった


「そろそろ『氾濫』の対策が決まるはずだけど・・・」


リウのそんなつぶやきにクラシスは


「対策といっても門前の足場からの魔法攻撃しかないんじゃないかな?」


「それだって私たちが作らなかったら、どうやって攻撃をしてたか・・・」


「そのへんはギルドで考えていると思うけど・・・どうなんでしょ」


「まぁ、足場を活用して魔物を倒すにしても・・・夜明けまで戦い続ける事が出来るかが問題だよね」


そういいながら『アイギス』は紅茶を飲み、MP回復に努めるのだった




リウ達はぼんやりしながら冒険者の流れを見つつまったりしていた

暫らく紅茶を飲み、林檎を齧りながらMAPを眺めていた


「こっちにいましたか、ギルドマスターがお呼びです」


そう言ってきたのはギルドの受付嬢だった

なんかギルドマスターが呼んでいるみたいだな


「それは『アイギス』として?リウ個人として?」


「『アイギス』として来ていただけませんか?」


「それでどちらに?」


「門の前の土壁にお願いします」


「少し待ってくださいね、ノノ・ココ起きて」


「「ん~、おはよ」」


「おはよ」


そういってノノとココに生活魔法を唱える

2人はリフレッシュした様でシャッキリしたみたいだ


「それじゃ、いきましょうか」


「「「「はい」」」」


門の先に土壁のところには300人近くの冒険者とギルド関係者が集まっていた

みんな遠距離用の杖を持ち集まっていた

集まった冒険者を前にギルドマスターのグランドは


「今現在、街は『氾濫』の影響で魔物が取り囲んでいる状況にある。これを打破する為に、君たち冒険者の手を借りたい、街の外は数千の「アント」「影犬」「角うさ」が溢れている。門前の土壁の足場から遠距離での魔法攻撃を加えてもらいたい」


グランドの『氾濫』の対応に遠距離魔法攻撃の不向きな冒険者が


「それじゃ、魔法が使えない俺たちはどうしたらいい?」


「君たちには街に外壁を監視してもらいたい、もしも、街の外壁が破られる事があればここと守っても意味がなさない事になる」


「わかった、俺たちはパーティーで外壁を見てまわろう。不審な点があったらギルド職員が土魔法で補強してもらう」


そういうと魔法の使えないパーティーが10組60人が街へと戻っていった

これでここにいるのが240人くらいか・・・


「ここにいるメンバーでここを守ってもらう。MPが消耗したら休憩をしつつ、魔物の討伐をしてもらう。まずは高ランクのパーティーから順に攻撃をしてもらうので、足場での攻撃順は副ギルドマスターに聞いてくれ!それじゃ、みんなでこの困難な現実をぶち破るぞぉぉぉ!!!」


「「「おおおおぉぉ!!!」」」


冒険者の声が街に響き渡る

それは『氾濫』に対する冒険者の抗いなのかも知れない


副ギルドマスターのランプが冒険者に攻撃の順番を教えていく

1回の戦闘でパーティーが3組担当し、大体24人くらい

それで30組でローテーションを組むみたいだ

どうやら『アイギス』はかなり後半の順で10番目なので・・・いつになるやら


『アイギス』は攻撃の順番でいったら最後の組なので

暫らく門の傍で他の冒険者の攻撃を観察していた


最初の1組目3パーティーの攻撃を見ていた

パーティー全体での魔法攻撃が出来るみたいで多彩な魔法攻撃をしているのがわかる

リウはMAPを展開し、外壁の向こう側を見ているのだが・・・

攻撃をしているはずなのに、魔物が減っている気が全くしないな

これは討伐するよりも大変な事をやっているのかもしれない


30分しないうちに最初の1組目3パーティーがMPを消耗し階段を下りてくる

そして、次の2組目3パーティーが階段を上がっていく

このままだと夜明けまでに3回は攻撃する事が出来そうだな


その後、真夜中までに『アイギス』は1度の攻撃の機会があった

『アイギス』の魔法攻撃はメンバーのMPの6割で攻撃をし

MP4割になると攻撃を止めていた

完全にMPを消耗するともしもの時に対応できない可能性があるからだ

リウ達はMPを抑える事と討伐を考え、『ボルト」のみで攻撃をしていた


時間的に30分で『アイギス』は1回目の攻撃を終える


それから夜明けまでに2回の攻撃を加える事になる

冒険者の方もMP回復が万全じゃない状態での、次の攻撃をしているみたいだ

ローテーション通りなら1回の攻撃のはずなのにな・・・

今回の『氾濫』では『アイギス』のメンバーの魔法攻撃の修練にもなったし

このクエストは得るものが多かったな


3回目の『アイギス』の攻撃を始めるかと思ったが・・・

どうやら夜明けの様だ・・・、土壁の足場から魔物の群れを見ていると

夜明けの光で魔物が消滅していくところだった・・・


魔物が光になって空に消えていくのを


『アイギス』のメンバーは消え去る光を見上げながら見ていた



リウはその場に座り横になる


「あぁ~、終わった~。これで寝れる~!!!」


『アイギス』のメンバーもその場に座り、リウを枕にするように横になる


長い『氾濫』の夜がようやく終焉を迎える事になる

その事を待ちの冒険者が知るのはもう少し後になる

なぜなら冒険者はその場で横になってるのだから

『氾濫』を一気に書き上げました

『アイギス』は疲れてその場で寝てます

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