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器用貧乏な漂流者  作者: 與吉
72/354

0-72『氾濫』直前②とか

『ひよこ亭』を出てから急ぎ一軒家の城塞化に着工する

一軒家の正面、屋根までの壁を50cm程土壁で厚くし

入口の扉の部分だけはそのままのしておく

各窓は半分だけ土壁で塞ぎ『氾濫』時でも魔物の侵入を防ぐ様にした

『アイギス』のメンバーは全員で土魔法で作成していく

裏庭の方はキャラバンで作成した簡易陣地を築いていた

それと裏庭に面した一軒家の壁も50cm程厚く、窓も塞ぐようにした

『かまくら住居』を壁厚で構築し、外壁の土壁も250cmx50cmの堅甲な作りにした

『かまくら住居』は裏庭から入口と一軒家へと繋がる扉を取り付けた


「よし、こんなものでいいかな?」


リウは要塞化した一軒家を見上げながら、そんな事を言う


「やりすぎじゃない?」


「街より頑丈にしてどうするの?」


クラシスとリズはやりすぎ感のある一軒家を見てそんな事を言ってきた


「これでアリサさんとアンナさんが安全です~」


「アライズさんも一緒に家にいてくれば安心できます~」


「『ひよこ亭』によって避難を勧めますか?」


「そうだね、明るいうちに避難出来れば忘れ物も無いし、裏庭で繋がってるから『ひよこ亭』の正面も土魔法で補強も出来るでしょ」


そう言いながら『アイギス』のメンバーは一度『ひよこ亭』に向かう

相変わらず、街中は冒険者が駆けまわっていたり、ギルド職員も忙しそうだ

『ひよこ亭』は休店の立て札を掛けており、今日と明日は休店みたいだ

扉は鍵がかかってはいないみたいで、扉を開け中へ入る


「こんにちは~、一軒家の準備できたので呼びに来ました~」


「は~い」


そう言ってアライズさんが調理場から出てくる

休みな為に『ひよこ亭』の制服を着てはいなかった

どうやら休店の為、調理場を掃除していたみたいだ

アリサさんとアンナさんも一緒に調理場から出てきた


「避難の用意が出来たので裏庭から一軒家へ入ってください。それと『ひよこ亭』の正面も土魔法で壁を厚くしますので、入口の扉の鍵をかけて下さい」


「それじゃ、街へ買い物は出来ないんですか?」


「一軒家の方から街で行けますので、そっちを使ってください」


『アイギス』メンバーと『ひよこ亭』メンバーは、裏庭から一軒家の簡易陣地へと向かう

簡易陣地の外壁は裏庭の方に扉をつけてあるので『ひよこ亭』からでも入る事が可能


「では、個の扉から入ってください」


リウがそう言うと『ひよこ亭』メンバーは250cmの外壁の扉から中に入り

『かまくら住居』をめずらしそうに見ていた


「これも土魔法で作成したんですか?」


アライズさんとアリサさん、アンナさんが『かまくら住居』のぺたぺたと触りながら聞いてきたので


「そうですよ、これと同じものをキャラバンで作成し生活してました」


リウはそう言って『かまくら住居』の扉を開ける

『かまくら住居』の内部は布団を敷く場所を高くしており

布団でも寝袋でも寝れるようになっていた

奥の方の扉を開け、一軒家へと案内する


「こっちが一軒家になってます。トイレに調理場、お風呂は使ってもらって大丈夫です」


『ひよこ亭』の面々は、初めて入る一軒家をめずらしそうに見ていた

そして、窓が土魔法で半分ほど塞いでいるのを見て安心したのか


「すいません、我々3人の為にここまでしてもらって・・・」


そういうとリウはにへらと笑いながら


「何を言ってるんですか、僕が街に来てから色々してもらった恩返しです。それに、この街でできた最初の身内ですよ3人は~」


それを聞いたアライズさんとアリサさんアンナさんはぺこりと頭を下げ


「「「ありがとうございます、それでは甘えさせていただきます」」」


「そこまで気にしないで~」


リウはアライズさんのそんな態度に慌てる、それを見たクラシスが助け船を出す


「アライズさん、そんなに気にしないで大丈夫ですよ。リウは身内には甘いんです。『ひよこ亭』の3人もリウにとっては大事な人って事でイイと思いますよ」


「そうそう、リウは結構な寂しがり屋なので気にしちゃダメです」


リズも一緒になってリウの事を言ってきた

ノノとココも何かいいそうだけど、2人もリウと手をつないでいた

ジャンヌはなでなでとリウの頭を撫でている


「なんで3人で僕を慰めてるの?」


「「「さみしそうだから?」」」


「さみしくないよ、みんないるし」


リウはそう言ってにへらと笑う

それを見たノノとココとジャンヌはにこにこしていた


『ひよこ亭』の3人は、『アイギス』のやり取りを羨ましそうに見ていた


「それでは少し街へ買い物に行ってきます。アリサとアンナは店から3人分の食器とカップを持ってきてね」


「「はい」」


「では、少し行ってきますね」


「僕たちは『氾濫』の対応に向かってみます、一軒家には夜るなる前に戻りますので、それでは行ってきます」


「「「いってらっしゃい~」」」


リウ達はアライズさん達に手を振りながら一軒家を出る

まずは、ギルドに行った方がいいみたいだな


「こういう時はギルドへ直行かな?」


「普通は昨日のうちにギルドで話を聞くのが一般的だけどね・・・」


「うちは普通じゃないからいいんじゃない?」


クラシスとリズはそんな事を言いながら歩いている

街の中は今夜が『氾濫』かも知れないからか冒険者が大勢駆けまわっていた


冒険者ギルドに着くと、扉は完全に開いており冒険者の行来ですごい事になっていた

さて、こういう時は誰に聞けばいいんだろうか・・・?

とりあえず、ギルドに入り受付嬢に現状を聞いてみた


「すいません、『氾濫』について聞いてみたいんですが」


「はいはい、現在は門の周りと外壁を土魔法で補強し、見張り台も外壁の上に作成中です。冒険者のみなさんはランクによって、街の外での魔物の討伐、街の中での魔物の討伐など多種ありますので・・・」


「『アイギス』のみなさんは街の外での、魔物の討伐をお願いします。時間的には夕方から真夜中には街の外で警戒をお願いします」


「わかりました、夕方までに街の外で待機してますね」


時間は夕方、場所は街の外、それまでは仮眠をとった方が良さそうだな

どうせ徹夜での警戒だろうしね、時間的には昼ご飯のはずだし・・・


「それじゃ、家に戻ってご飯にしようか~」


「「「はい~」」」


「食べたら仮眠だね~」


「そだね、寝なきゃいけないね~」


『アイギス』のメンバーはこれから起きる『氾濫』について全く不安な事と思っていなかった

それは6人いれば『氾濫』も怖くないのを感じているのかも知れない

『ひよこ亭』の3人が一軒家に避難完了

『アイギス』は夕方から真夜中までに街の外での警戒をする

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