0-71『氾濫』直前とか
『アイギス』のメンバーはギルドで魔石の買い取りをしてもらい
道すがら露店巡りをしながら帰る事にした
「焼き串とと焼き鳥は買うとして・・・」
「『氾濫』があるのに露店が出店してるか不安だけどね」
クラシスがそんな不安な事を言うものだから、ノノとココが不安そうにリウのマントを掴んでくる
リウは「大丈夫、大丈夫」といいながら2人の頭をぽんぽんと撫でる
5分も歩くと露店街に近づいてくる
露店の数はいつもよりも減っている気がするけど
「おぉ、焼き串と焼き鳥の露店がちゃんとある」
リウのそこ一言でノノとココが露店まで駆けていった
それを見てジャンヌも2人を追いかけるように駆けていった
「クラシスとリズもお好みのお酒と肴を購入してもいいからね」
「「♪」」
それを聞いたクラシスとリズは露店街をきょろきょろしている
クラシスは目当ての露店を見つけた様でリズと2人で向かっていった
「購入したら、こっちに戻ってきてね」
「「は~い」」
2人はにこにこしながら露店でお酒と肴を購入していく
リウは串焼きと焼き鳥の露店に到着すると、ノノとココとジャンヌが焼き串と焼き鳥を購入し、アイテムボックスに保存している所だった
「焼き串と焼き鳥は多めに購入しても大丈夫だからね」
「はい、野営でもキャラバンでもダンジョンでも食べれますからね~」
「それに美味しい~好き~」
「私はパンと野菜で包んで食べるのが好きです~」
3人は露店では焼き串と焼き鳥が好きみたいで、街で生活している時は毎日の様に食べに来てたからね
そんな事を思っていると、クラシスとリズがお酒と肴を購入して戻ってくる
「こっちは完了~」
「今日も寝る前に家で飲みましょ~」
「それじゃ、家に帰ってお風呂に入ってから『ひよこ亭』に行ってみようか~」
「「「はい」」」
「そういえば『ひよこ亭』やってるのかな?」
「『氾濫』前でやっていない可能性もあるけど・・・」
「ギルドへ向かっている時に『ひよこ亭』の前を通ったら、看板が出ていたから大丈夫じゃないかな」
「それなら家へ帰ってお風呂に直行だね~」
「家のお風呂久しぶり~」
クラシスとリズは『ひよこ亭』がやっているかを不安視していたか
まぁ、こんな時だからな
一軒家に戻ったらお風呂の掃除か~
『アイギス』の面々は一軒家のお風呂でリフレッシュ後に
『ひよこ亭』で久しぶりの晩ご飯を食べることとなる
次の日、『ひよこ亭』での食事を堪能し、一軒家の布団で寝る
ただ、リウが目を覚ますと隣にノノとココがいるのが普通じゃなかったが・・・
キャラバンでもダンジョンでも一緒だったしリウは気にしてなかったが
「2人とも起きて、起きて」
リウはそう言いながらノノとココを揺らす
暫くすると「ん~」という感じで「むくり」と起きだす
ノノとココは「おはよう」と声を揃えリウに挨拶する
「おはよう、2人ともいつのまに布団に入ったの?」
「なんとなく?」
「昨日まで一緒に寝ていたし」
「布団狭くなかったか?」
そういうとノノとココが
「そんなことないよ~」
「それとも大きめの布団買う~」
「そっか、また2人が来てもいいように大きい布団を買ってもいいかもなぁ」
それを聞いたノノとココは「それなら買ってきます」といいながら部屋を出ていった
それを見たリウは「今日でなくていいからね」とだけ伝える
寝起きだったので生活魔法ですっきりしてから部屋を出る
1Fには寝起きのメンバーが揃っていた
「おはよう~」
「「「おはよ~」」」
「やっぱ家はいいわ~」
「久しぶりにリラックスした~」
「それじゃ、『ひよこ亭』で朝ご飯食べに行こうか~」
『アイギス』のメンバーは『ひよこ亭』で朝ご飯を食べに行く事になる
『ひよこ亭』までの道すがら、やっぱり街の住民の姿は少ない気がする
門の前で店を構えている『ひよこ亭』は開店はしているみたいだが
「おはようさん~」
リウはそう言いながら『ひよこ亭』の扉を開ける
『ひよこ亭』の中にはアライズさん、アリサさん、アンナさんが仕事をしていた
「「「おはようございます」」」
「「「おはよう~」」」
「朝ご飯大盛りで~」
「大盛りで~」
ノノとココとジャンヌは挨拶をしたが、クラシスとリズは食欲の方が勝った感じだな
「すいませんが、朝ご飯6人分お願いします。3人分大盛りでお願いします」
「わかりました、それでは、お待ちください~」
そう言ってアライズさんは料理場へと向かっていった
『ひよこ亭』の中から外を見てると、冒険者が街の外へ駆けているのが見える
「やっぱり冒険者は街の外で何かやってるみたいだね」
そういうとクラシスとリズは
「そりゃそうでしょう、『氾濫』が始まるんだし」
「まぁ、冒険者が何をするのか私たちは知らないだけなんだけどね」
「それについては食べ終わったら、街の外へ行ってみるか」
そんな会話していると、アライズさんとアリサさん、アリサさんがテーブルに料理を運んでくる
「は~い、朝ご飯お持ちしました~」
そう言って1人1人の前の料理を並べていく、リウとクラシスとリズは大盛りを、ノノとココとジャンヌには普通盛りの料理が並べられていく
「それでは、いただきます!」
「「「「「いただきます!!」」」」」
声を揃え食べはじめる、やっぱり『ひよこ亭』のご飯は美味しいなぁ
キャラバンやダンジョンで食べたノノとココの料理も美味しいけど、料理人の料理はやっぱり違うなぁ
「そういえば『アイギス』のみなさんは『氾濫』が起こるというのに落ち着いてますね」
「他の冒険者さんは街の外で色々やっているみたいですし」
「それに『氾濫』の事を聞いて街を離れた方もいると聞きましたし」
「そうなんですね~、落ち着いてるというより、『氾濫』の騒ぎに乗り遅れたといいますか。キチンとギルドから話を聞いてないといいますか・・・」
リウは食べながら『アイギス』の現状を話している
もっともギルドで魔石を売っただけで、『氾濫』に関して何も聞いてないし、何も言ってこなかったし・・・
「それで『ひよこ亭』の3人は『氾濫』の時はどうするんですか?」
「私たちは避難するしかないですが、街の中で安全な場所など無いのかもしれません」
そんな事を言うアライズさんにアリアさんとアリサさんは不安そうにリウを見ていた
「それなら家の一軒家へ避難しませんか?多分、今日の夜から明日の夜明けまで隠れてれば大丈夫だと思いますよ?」
「いいんですか?」
「ええ、知り合いが安全な所にいるだけで安心して戦えますから~」
「それならお願いします、今日の夜には『アイギス』さんの一軒家へ伺いますから、よろしくお願いします」
そう言うとアライズさん、アリアさんとアリサさんはぺこりと頭を下げていた
これで『ひよこ亭』のメンバーを守る事が出来る
「それでリウは『アイギス』の一軒家で安全を確保するの?」
「まぁ、一軒家の正面を土壁で塞いで、裏庭の方にキャラバンで作成した簡易陣地を堅甲に作成すれば大丈夫じゃないかな」
「それなら夜は裏庭から一軒家へ来てもらった方がいいかもね」
リウとクラシスとリズは一軒家の要塞化について話し合いを始める
ノノとココとジャンヌは朝ご飯を食べ終わり、紅茶を飲みながら3人の話を聞いていた
話しながらの食事だったので、いつも以上に時間をかけた気がするが無駄じゃなかったと思う
「ごちそうさまでした、アライズさん今日は『ひよこ亭』はお休みですか?」
「はい、今日と明日はお休みの予定です」
「それなら一軒家の方の準備が終わったら、裏庭から避難をお知らせしますね」
「わかりました、今日は『ひよこ亭』の中にいますので、お待ちしてます」
「はい、それでは、また後で~」
そう言ってアライズさんに朝ご飯の支払いをし『ひよこ亭』を後にする
『氾濫』の防衛よりも『ひよこ亭』のメンバーと一軒家の要塞化をしなきゃ
『氾濫』直前、『アイギス』は通常通りの生活をしています
次回、一軒家の要塞化と『ひよこ亭』メンバーの避難へ




