0-69ダンジョンからの帰還⑤とか
ダンジョン『氾濫』まで後2日、キャラバンから冒険者が昨日の夜から街へ帰還していた
キャラバンに残っていたのは、ギルド関係者と『アイギス』のみとなっていた
その『アイギス』のメンバーといえば・・・
ゆさゆさゆさゆさ・・・、寝坊したリウとクラシスとリズを起こそうと揺らしていた
リウは布団の誘惑に負け、いつも以上に熟睡し、今しがた起きたところだった
「おはよう・・・、また、寝過ぎた?」
「もう朝ご飯の時間~」
「ご飯の準備できてますから~」
「クラシスさんとリズさんも起きて下さい~」
ジャンヌのその一言でクラシスとリズは、むくりと起きたし
「「おはよう~さん~」」
「2人とも、おはようさん~」
そういってリウ達は起きがけに生活魔法で清潔にし
すっきりした表情でノノ達が準備した朝ご飯を食べる事になる
簡易陣地での最後の食事と言う事で、作り置きしたスープと焼きたてパンですませた
「それにしても今日は静かだね~」
リウがパンを食べながら、静かすぎるキャラバンでの食事を満喫していた
「リウ忘れたの、昨日の夜に冒険者は街へ戻ったのよ?」
「残っているのは『アイギス』とギルド関係者だけじゃないかな?」
「そっか、それで周囲に冒険者の反応が無いんだね、『氾濫』まで2日だっけ?」
「予想では2日目の夜には魔物が溢れてくると思う」
「本当は朝ご飯よりもキャラバンから離れた方がいいんだけどね~」
朝ご飯を食べながら、リウはクラシスとリズと『氾濫』について話している
2日後の夜には魔物だらけか・・・
「それなら食べ終わったら簡易陣地を解体して、急いで戻ろうか~」
「「「はい!」」」
ノノとココとジャンヌは、リウ達の話を聞き、急いで食べ終わったみたいだ
リウ達も急いで食べ終わり、『かまくら住居』を解体し、簡易陣地も解体する
これでキャラバンでの住処は戻ってきたら作成する事になる
キャラバンを見渡しても、冒険者のテントも無くなっており
キャラバンは、ギルドの店舗以外はきれいさっぱり無くなっていた・・・
「なんとまぁ~、キャラバンの中がすっきりしてるね~」
「そんなことよりギルドへ行ってみません?」
「ひょっとしたらギルドから定期馬車がキャラバンに来るかもしれないし~」
「定期馬車に乗れたらいいなぁ」
そんな事を考えながら『アイギス』のメンバーはギルドへ向かう
ギルドには職員と店舗の職員が荷物をまとめていた
「おはようさん~、みんな街へ戻って無かったんですね~」
「おはようございます・・、えーと、早めに街へ戻ってください!」
ギルド職員は、『氾濫』が起こるのにいつも通り挨拶をしているリウを見て驚いていた
店舗の職員たちもキャラバンには自分たち以外の人がいないと思っていたのか驚いた表情をしていた
「まぁ、昨日は疲れていてギルドの報告を聞いたんだけど・・・、いつも通り寝てました~、これから街へ戻るので大丈夫でしょ」
「そうですか、我々も今から街へ戻りますが、一緒に街へ帰りますか?」
「いいですね、今から出発すれば夜前には街に到着するでしょ・・・って、定期馬車は来ないんですか?」
「どうでしょう、昨日の夜に冒険者の皆さんが街へ急いで戻りましたが、『氾濫』の対策で定期馬車がキャラバンへは来ないと思いますよ。来るにしても昼頃まで、来るかわからない馬車を待つのは危険すぎますしね」
確かに、必ず定期馬車が来ると思わない方がいいかもな・・・
『アイギス』とギルド職員と店舗の職員・・・、合わせて11人で一緒に街へ戻った方が安心するか
「それじゃ、急いで街へ向かって歩きましょ~」
リウ達は装備を整え、キャラバンの入口へ向かう
ギルド職員と店舗職員も準備が整ったのか入口へ向かう
どうやら職員と店員はアイテムボックス持ちなのか軽装備で歩いていた
キャラバンを出て、街へと延びる街道を歩きだす
リウはMAPを展開し、周囲を警戒している
ノノとココも周囲を警戒し、ジャンヌとクラシスもライフル杖を構えている
リズは後方を警戒し、街道を歩いている
先頭をジャンヌとクラシス、中央にノノとココ、その後ろにリウとギルド職員と店舗の職員、一番後ろにリズが警戒しながら歩いていた
「『氾濫』は2日後に起きるとして、キャラバンに戻ってこれるのは何日後になるんです?」
リウがギルド職員にキャラバンの復旧について質問していた
ギルド職員は少し考えながら・・・
「2日後には『氾濫』予定ですが、とりあえず、7日後にはキャラバンに戻ってきたいですね」
「7日後か・・・、それと昨日までの魔石の買い取りはどうしましょ?」
「それなら街へ戻ってから、冒険者ギルドで買い取りを行いますよ」
「すいません、忙しい時に」
「何を言ってるんですか、『アイギス』の報告が無ければ『氾濫』の対策も取れずに、キャラバンの崩壊につながったかも知れなかったんですよ」
「そう言ってもらえると助かります、僕たち以外で『氾濫』に気がついて冒険者はいなかったんですか?」
「何組かの冒険者から魔物の数が多いと報告は受けてたんですが、昨日の夜には『戻り珠』での帰還する冒険者の数が多すぎると問題になり、その後の『アイギス』の報告で『氾濫』の予兆を知る事が出来たんです」
「それでギルド前に冒険者がいっぱいいたんですね・・・、戻った冒険者たちで街を防衛できますかね」
「どうでしょう、ダンジョン7Fから「アント」の大群が押し寄せているらしいですが」
「それでも太陽の光で消滅するなら、街の守りを強固にすれば大丈夫じゃないですか?」
「今現在で確認している魔物は「アント」だけですが、「キラーハント」も一緒に溢れだしたら・・・街の外壁で耐えれるか心配です」
「やっぱり『氾濫』は何種類の魔物が溢れるんですか?」
「過去の『氾濫』では3種類の魔物が現れたらしいですね・・・」
「今回は10F~1Fの魔物が出現すると予想してますが・・・」
「それでは「影犬」「角うさ」「アント」「キラーハント」の中から3種類とか・・・」
「「アント」は確定して、残りは2日後になればはっきりするか」
リウはギルド職員と話しながら歩いていたが、時間的にお昼近くになってきたので
『アイギス』のメンバーはいつもの様に食事の準備を始める
それを見ていたギルドと店舗の職員達も食事の準備を始める
ノノとココとジャンヌがコンロを取り出し食事の準備を始め、リウとクラシスとリズは食事用のテーブルとイスを土魔法で作成している
テーブルと11人分のイスを作成し、リウは紅茶の準備をする
「ご飯の用意が出来ました~」
ココはテーブルに焼きパンとスープを並べる、ノノは大皿に焼き鳥と焼き串を並べ、ジャンヌはトマト煮のパスタを大皿に山盛りにし、テーブルに置く
リウは11人分の紅茶を淹れる
「皆さんの分もあるのでどうぞ~」
リウはそう言ってギルドと店舗の職員に声をかける
職員の面々は冒険者の食事は大した事が無いと思っていたみたいだが
テーブルの料理を見て、驚いた表情をし、イスに座る
「『アイギス』ではいつも食事はこんなに豪華なんですか?」
「キャラバンでの食事は、いつもこんな感じですよ~」
パンにスープ、パスタに焼き串と焼き鳥と確かに料理は豊富だな
アイテムボックス持ちの冒険者ならやってそうだけどな
『氾濫』まで2日、街道で昼ご飯中




