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器用貧乏な漂流者  作者: 與吉
68/354

0-68ダンジョンからの帰還④とか

7Fの安全地帯に一泊した『アイギス』だったが

土壁の向こうから聞こえる騒音に驚きつつも

これからどうするかを決めかねていた


事の詳細は、布団に寝始めて暫くしてから


「カサカサカサカサカサ・・・・・」


そんな音が土壁の方から聞こえてきたことから始まる

『アイギス』のメンバーは生活魔法で綺麗にしていたので

土壁のしかも3mの高めにいたので「アント」からは発見されずにいた

リウ達は布団を片付け、装備を整えてから

もう一度、生活魔法を唱え綺麗にした


リウとクラシスとリズは、土壁に小さな穴を開け安全地帯の現状を確認した

そこには安全地帯を埋め尽くす「アント」が溢れていた

リウはMAPを展開し、7Fの赤マーカーを確認する

どうやら7Fの6割は赤マーカーで溢れていた


「これは逃げた方がいいけど、どうする?」


穴をのぞき、メンバーにこれからの事を話す

ノノとココは大量の「アント」を見て言葉をなくし

ジャンヌは少しだけ震えている

クラシスとリズは今の現状をキャラバンに知らせるか悩んでいた


「本来ならキャラバンへ戻って現状を知らせた方がいいと思います」


「それに溢れかえっている「アント」は7Fを埋め尽くすほど増えていると思います」


クラシスとリズは、現状をきっちり理解し、キャラバンへの帰還を進言してきた

それを聞いてノノとココとジャンヌは「ほっ」とした表情をしている

やっぱり戻るのが一番か・・・


「今の感じからいってダンジョンの魔物が溢れた『氾濫』したと考えていいのかな?」


「多分、そうだと思います。私も初めての経験で、はっきりそうですとは言えませんが・・・」


「それと『氾濫』したのが、ついさっきだとしたら魔物が地上に溢れかえるのは・・・、今から2日後といいと考えていいでしょう」


「『氾濫』を鎮めるには、どうしたらいいの?」


「昔の記録では、ダンジョンの魔物は太陽に光で消滅したと書かれていました。今わかる事は、「アント」の大量発生であることは目視で確認できますが・・・」


「問題は「アント」の数が100を超えているという事ですかね、夜にでもダンジョンから魔物が溢れてきたら・・・キャラバンを守りきる自信はありません」


「それならみんなで『戻り珠』でキャラバンに帰ろう、『氾濫』の対応は冒険者ギルドに任せよう。とりあえず、報告をしないとな」


「そうですね、戻ってから対応を協議しましょう」


クラシスの一言で『アイギス』は帰還することを決めた


「それじゃ、一番先にクラシスとリズが戻って、次にノノとココとジャンヌが戻る、僕が最後に戻るから。さぁー、『戻り珠』で帰ろう」


そういって、クラシスとリズが『戻り珠』を使用しキャラバンへと戻っていった

それを見たノノとココとジャンヌも『戻り珠』でキャラバンへと戻っていった

リウは5人が帰還したのを確認し、安全地帯で蠢いてる「アント」に魔法で攻撃を仕掛ける

3mの上からライフル杖を構え、MAPを展開し、赤マーカーをタップする

タップしたマーカーは紫色になり、『ボルト』を発動する

発射された『ボルト』は「アント」の頭部を撃ちぬき一撃で倒していく

リウは3mの高めからの狙撃で反撃を受ける事は無いが、魔石を確保する事は出来そうになかった

すぐそこに魔石がごろごろと落ちているのを、リウは「もったいない」と思いながらも「アント」を狙撃していく

リウは「アント」を50匹近く狙撃し『戻り珠』で帰還する


キャラバンへ戻ると、ノノとココとジャンヌは不安そうにリウを待っていた

リウが『戻り珠』で帰還すると同時に、ノノとココが抱きついてきた

ジャンヌも抱きつこうとしたが、2人に先を越され側に寄ってくる

リウはノノとココとジャンヌの頭を撫でながら


「ただいま、少しだけ「アント」を倒してきたよ」


そういって「つかれた~」とつぶやくと、ノノとココは「おつかれさま~」といいながら抱きつく、ジャンヌはリウの強さを知ってはいたが「無茶しないで~」と言った


「そういえば、クラシスとリズは?ギルドの出張所にでも報告に行ったかな?」


「うん、私たちが戻ったのを確認したらギルドへ走っていった」


「私たちもギルドへ行こう」


ノノとココはリウの手を取り、ギルドへと向かう

ジャンヌも頷きながらリウ達の後ろへついてくる


ギルドの出張所の前では、冒険者がダンジョンの現状を聞きに大勢集まっていた

冒険者の中には、キャラバンから逃げようという者

キャラバンを守るために魔物に立ち向かおうという者

街へ戻り、街の住民を守ろうと意見する者

どうやらまだ、ギルドとしての方針を決めかねているみたいだった


リウ達もギルドへ入ろうと思ったが、冒険者がいっぱいで近づけそうになかった

なのでリウはノノ達と簡易陣地へ戻っていった

寝ずに戻ってきたのと、ノノとココとジャンヌはMPが枯渇気味なので

少しでも寝てMP回復をして方がいいと思ったからだった

簡易陣地の『かまくら住居』でノノとココとジャンヌを布団に寝かせる

3人はこんな時に寝るのには抵抗があるみたいだったが

もしもの時に、MPが万全じゃないと危険だと言い聞かせ

3人にはゆっくり寝てもらう

そして、リウは誰からも侵入できない様に土壁の補強をしギルドへ戻る


クラシスとリズはギルド前でリウが来るのを待っていた

どうやらギルドとしての考えを冒険者へ公表したみたいだった

ギルド前にはダンジョンの『氾濫』についての対策が掲示板に貼られていた

掲示板にはこのように書かれていた


『今日未明、ダンジョン7Fより『氾濫』を確認。2日後に地上へ溢れると予想される。ギルドは『氾濫』に対し、キャラバンを破棄し、街の防衛に力を注ぐ。冒険者は今から街への帰還を命じる』


どうやらギルドはキャラバンを捨て、街の防衛を一番に考えたみたいだな

これについてはクラシスとリズからも反対意見が出なかったみたいだ

キャラバンの外壁はそのままにしておくので多少は足止めにはなるだろう

それと今から歩いて街を目指せば、明日の昼頃には着くはずだしな


「それじゃ、簡易陣地へ戻ろうか。ノノ達が寝てるから、仮眠をしてから街へ帰ろう」


そういうとクラシスとリズは「「寝るんかい」」と声を揃えてツッコミを入れる


「ノノ達のMPが枯渇気味だし、多少は寝ないとダメでしょ?」


「そういえばそうだった・・・」


「色々あって酔いがさめたわ・・・」


「僕たちも少しだけ寝よう・・・」


「「そうだね」」


リウとクラシスとリズはダンジョンから帰ったばかりなのに

これから徹夜して歩いて街へ帰るのは無理だと思い

3人はとぼとぼと簡易陣地へと戻っていった


土壁で堅甲作りにした簡易陣地は「アント」の進撃にも耐えれそうだが

もしものことがあっては困るので簡易陣地は明日の帰還の時にも元に戻さないと・・・


『かまくら住居』の中ではノノ達3人が布団に寝ていたので

リウ達も隣に布団を敷き、3人で同じ布団で横になる

クラシスとリズは少しだけ酒気をおびていたが、リウは睡魔に負けすぐに寝ついた



2日後には魔物の群れが地上を目指しているが

『アイギス』のメンバーはそんなことお構いなしに仲良く布団で寝ていた




ダンジョン『氾濫』、2日後には地上には「アント」が溢れだす

迎え撃つは街、防衛ラインを構築できるか・・・

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