0-6初クエストと薬草
空腹からか次の日は目覚まし無しで目が覚めた、しかも、早朝なのか窓の外は薄暗い。ベットから身体を起こし柔軟し昨日の疲れを確認、少しだけ足が筋肉痛っぽいのでクエスト前にストレッチは必須だな。
よし、顔洗いにギルド裏の井戸に向かう。朝早くて誰もいない井戸で顔を洗いサッパリしてから、生活魔法の『呼び水』の練習しよ、小冊子には手のひらで水をすくうイメージで『呼び水』と唱えればいいはずだけど・・・。
「お、水が両手の上でふよふよと浮いてら。無重力で水が浮いてるイメージなのは小冊子で書かれているのと違う気がするが」
30秒くらいで浮いていた水が地面に「バシャ」と落ちた。
「30秒は『呼び水』は空中で浮いていて、時間経過で落下か・・・。使うときは注意が必要だな」
このスキルがあれば水筒いらずだな、『呼び水』MP2消費か使い勝手はイイかも
部屋に戻り身体に『清潔』を唱え心身ともに綺麗にしてから、杖をリュックに結び背負い部屋を出る。施錠しつつギルドの受付に向かう。
早朝にも関わらずクラシスさんが受付で作業してる
「おはようございます、クエスト1つお願いします!!」
クラウスさんは作業の手を止め驚いた様子で
「おはようございます、朝早いですね。リウさんはGランクなので一番右のクエストボードに貼られているクエストをお勧めします」
Gクラスのクエストボードの前で討伐系は怖いので無しの方向でいくと・・・
採取系のクエストが3つあるけど、そのなかでもポーション(回復薬)用の薬草採取クエストがあるのを見つけ
「クラウスさん、薬草の採取クエストは受けたいです」
「薬草系の採取クエストは常時クエストなので各10個採取で50Lです」
「10個で50Lということは、100個で500Lと考えて大丈夫ですか?」
「そうです、できれば薬草は刈りつくすと次の採取に影響があるので気を付けてください」
「了解です、クエして今日は晩御飯のために頑張ってきます」
「そだ、リウさんちょっと待ってください」
っといって机の下からミカン箱サイズの木箱を出してきた、中にはナイフやマント・皮袋などが多数入っている
「過去に冒険者が装備の切り替え時にギルドに置いて行った装備が多数あるので、初心者冒険者の手助けになればと置いてあるアイテムです。とりあえず、ナイフとマントは装備してください」
そういってナイフとマントを手渡された、使い込まれた感じのようで手にしっくりくる。リュックを降ろしマントを着けナイフはリュックに結び準備万端
「ありがとうございます、村人装備から少しだけ冒険者装備になりました」
街を出る前に杖を持てば大丈夫でしょ
「薬草を入れる袋や籠があればいいですが、この袋を使ってください」
箱の中にあった布の袋を手渡される。大きさなので座布団が入るくらいの多いさなのでいくらでも入りそう
「助かります、暗くなる前に戻ります。いってきます!!」
「いってらっしゃい!」
門番まで来てもあまり人とすれ違わなかったな
「おはようございます」
っとギルドカードを門番さんに見せ
「おはようさん、朝早いね。森の中には野犬がでるから気をつけるんだよ」
「大丈夫です、見つかる前に逃げます!全力で!!」
門番さんは苦笑いな顔で見送ってくれます
街道を超えリュックから杖を手に装備し、MAPを展開して昨日から考えていた事をやってみよう。小冊子から薬草の詳細を見てMAP上で薬草を検索するイメージでやれば・・・。よし、MAP上に黄マーカーが発現した。多分、黄マーカー=薬草になってるはずなんだけど現在地からは黄マーカーにむかってみよ。300m先に黄色だらけ所があるから警戒しつつ歩いてみるか
「おぉー、あっさり薬草みっけ!」
採取前にMAPをみて赤マーカーが近くにいないことを確認してから、小冊子を広げ目の前の薬草とイラストを見比べて・・・よし間違いなし採取しよ。目標は100個で500L獲得を我が手に!!
薬草を10個採取したらMAPを見て危険がなかったら、また10個単位で一度MAP確認をして赤マーカーが近付けば風下に離れて遠目で赤マーカーの正体を確認して隠れるを数回繰り返し、太陽が真上になるころには60個以上の薬草が集まり夕方前には100個は集まりそうなので、MAP展開しながら携帯食を食べる。さっき確認した赤マーカーは大きな犬っぽかったので、あれが野犬というやつなんだろなぁ・・・今の自分では勝てる気がしないな、戦える力が無いうちは戦闘は避けようギルドで戦闘訓練できないかなぁ
「なんとか100個達成!!」
採取の途中からスキルの鑑定眼を収得した、MAP上で見なくても視界上で検索できる便利スキルで「薬草・薬草・・・」と思いながら探すと薬草の上に矢印のアイコンがでるみたい。ギルドカードにも記載されていないようなので一般スキルじゃないみたい、MAPと同じで固有スキルなのかな?
まぁ、便利なのでスキルという建前よりも人よりも勘が働くと言っておこう
「帰るか~、お腹減った~、疲れた~」
夕方前に採取完了したので街へ帰ろう、門番さんにギルドカード見せて、ギルドに直行~。ギルドに入ると受付にはリズさんが座っており
「クエスト確認お願いします、薬草採取してきました」
採取した薬草の入って袋を受付の机の上に置くと
「袋の中身は薬草だけですか、いっぱい入ってるみたいですが?」
「とりあえず100個集めてきました!」
「・・・100個ですか、確認しますので少しお待ちください」
リズさんは周りの受付嬢さん達と薬草を10個単位で数え始めている、10個づつ紐で結べば良かったかも(=_=;暫くすると数え終わったみたいで
「リウさん確認作業終わりました、薬草100個確認しました」
「一人で集めていたので数が足りないか不安でした」
「一人で採取は気づいたら野犬に囲まれたりする場合もあるので気を付けてくださいね。では報酬の500Lです。お確かめください」
銅貨50枚入った小袋を手渡される、通貨のことも知らないことを今気がついた、銅貨50枚で500Lなら銅貨1枚で10Lということか・・・。
「これでご飯食べれます、リズさんお勧めの食堂とかありますか?」
「そうですね、安くていっぱい食べるならギルドの隣のギルド酒場『ナイフとフォーク』。少し高くてもいいなら向かいの宿屋兼酒場『愁いの森』。ギルド職員としてはギルド酒場を勧めます。おまかせセットは25Lお代わり自由です」
「では、となりのギルド酒場でご飯食べてきますね」
「いってらっしゃい」
さぁーさぁー、こっちに来て初めてのご飯タイムです!!
Lvは変わらず、スキルは鑑定眼を覚えた。