0-48野営の飲み会とか
ジャンヌとの修練を終え、簡易小屋へ戻ってみると
小屋の内部に床が出来ていた
「すげー、ちゃんと床がある!」
「ふふふ、リズと2人で相談して床と寝る場所を作りました~」
「リウは寝る場所の高さはこれでいいかな?」
寝る場所に寝袋を置いて、試しに寝てみる
ただの土の塊なので敷物を敷き横になる
「敷物があれば、布団で寝る事も出来そう・・・」
「それなら特注の布団を発注した方が良いですね。6人で使える大きさにしたら寝るのも楽しそうですし~」
「キャラバンでの宿泊は夜の見張りは、野営よりも気にしなくていいので、『アイギス』の場合は小屋の周りの土壁を高く厚くすれば大丈夫だと思います」
「これで簡易小屋の方は万全だね!」
「布団の発注は私たちに任せて下さい」
簡易小屋の構想はリウ・クラシス・リズで住みやすい環境を構築していった
ジャンヌは3人の会話を聞きながら、冒険者の会話では無いな・・・と思っていた
暫くすると食事の用意が終わったみたいでノノが4人を呼びに来た
「晩ご飯の用意が出来ました~」
「それじゃ、いこうか~」
「「「はい」」」
「今日は保存食を使った料理にしてみました。楽しみにして下さいね~」
コンロの上には鍋と鉄板が並んでおり、鍋の方は干し肉と野菜のスープと、鉄板の方は人数分の干物が焼きあがっていた
保存食材での料理はノノとココは初めて調理したので、食べた感想が気になるみたい
「それじゃ、頂こう~」
「「「「「「いただいます」」」」」」
6人で一斉に食べ始める、スープは干し肉からのイイ出汁が出て野菜と合って美味しかった
干物もおいしい・・・この辺では新鮮な魚介類は食べ事が無いという事で、干物が豊富に露店で取り扱っていた
干物は大量に購入してもイイかも~♪
「ノノとココの料理はうま~」
リウははむはむと干物を食べている
ノノとココは嬉しそうにリウを見て、一緒に食べ始める
「そういえば、クラシスはお酒を持ってきてる?」
「お酒ならリズのアイテムボックスに保存してますが・・・」
「それなら安い酒でいいからさ、何本か購入してもらえるかな?」
「それくらいなら戻ってから購入しますけど・・・なんでかな?」
「キャラバンで使えるかと思ってね~♪」
「プレゼントとか?」
「まぁ、そんなとこ。クラシスとリズも酒を羽目を外さない程度に飲酒はしてもいいからね」
「それなら食後に少しだけ飲んでも・・・」
「許可します、みんなで飲むんだよ」
「はい、食後にみんなで飲みましょ~♪」
クラシスとリズは嬉しそうだ
『アイギス』での野営の時の定番になりそうだな・・・
みんなで楽しく過ごせるならいいかぁ~
その日の夜はコンロを囲み『アイギス』は野営初の飲み会を開催した・・・
ノノとココはお酒に強くないのか、ちびちび飲みつつ焼き串を食べていた
クラシスとリズは酒を飲み笑い楽しそうにしている
リウは一口飲んで眠ってしまったジャンヌの介抱をしていた
「ジャンヌは酒に弱いみたいだから、あまり酒を勧めないでね」
「「はい~」」
「リウに介抱してもらえていいなぁ~」
「まさか一口で寝ちゃうとは・・・見かけによらないわ~」
「ジャンヌは可愛いとこもあるんだから~」
そういいながらリウはジャンヌの頭を撫でていた
「みんなも飲み過ぎは気をつけてね~」
「リウはジャンヌに甘いです」
「私も撫でて」
ノノとココは悪酔いしてるのか、リウにからんでくる
しょうがないなぁっとリウはノノとココの頭を撫でる
「「えへへへ~」」
2人はにへらと笑いながらリウに抱きつく
「そろそろノノとココはジャンヌも一緒に寝てもらえるかな?」
「まかせて、ジャンヌと寝る~」
「それじゃ、あとかたづけおねがいします」
リウはジャンヌを抱きかかえて小屋へ運び、ノノとココへ後の事を任せた
リウはノノとココ、ジャンヌが使ったコップや皿を片づけ
クラシスとリズと再び飲み始める
「リウはあの3人に対して過保護すぎる」
クラシスから指摘されたリウは
「そう?うちのこは可愛いから過保護といわれても嬉しいだけだよ~」
「リウ、それは親バカ的なセリフだよ?」
「それに、うちのこには私たちも入ってるのかしら?」
クラシスとリズは、リウが何というかドキドキしながら待っていた
リウは「ん~」と考えてから
「そりゃ、2人とも可愛いよ。言ったでしょ、うちの5人は可愛いから過保護すぎるくらいで丁度いいの~」
「そっか、3人と一緒に思ってくれて嬉しい~♪」
「それにしてもリウ、私たちはリウよりも年上だと思うけどいいの?」
「そうなの?僕は28才だけど・・・2人は何才だっけ?」
「えー、ちょとまってリウは28なの?」
「どうみても15・6才にしか見えないんだけど・・・」
あれ、こっちに来てから鏡も見てないけど・・・
そんなに若く見られた事は無かったけど
「ギルドカードに年齢も書いてあったっけ?」
「書いてありますけど、どうして?」
「いあね、ひょっとして勘違いしてたらはずかしいし・・・」
リウはギルドカードを取り出しカードを見る
カードは名前とランク以外を非表示にしていたので
リウは年齢は28だと思い気にもかけていなかったが
2人にそこまで言われ年齢を表示する・・・
「・・・あれ、おかしいな表示が16になってる(=_=;」
「ギルドカードは正確に表示するから、間違ってはいないと思うよ?」
「それにリウは本当に28才なの?」
「・・・そのはずなんだけど、まぁ、いいか。若返ったと考えよう」
「リウ少し酔ってるね、いつもよりもおかしくなってるし」
「それにリウが16才なら、私たちの方が少しお姉さん~♪」
「そうなのクラシスとリズは何才?」
「2人とも18よ、ノノとココが15だからパーティーとしては若い部類に入りるかな」
「ジャンヌも15才だっけ?」
「ジャンヌは今年で16のはずだから、リウと同い年かな」
「それでノノとココがいつもべったりなのか~」
リウはノノとココがジャンヌといつも一緒にいる理由を初めて知る
それにしてもジャンヌは年の割にしっかりしているイメージがあるな
ノノとココが子供っぽいのか・・・?
「クラシスとリズは年齢以上にしっかりしてる気がするんだけど?」
「私たちはギルド職員になるために14才で冒険者になったし、17才でギルド職員になったので色々な経験を経てるからかな?」
「それにランクを上げるために、クエストの日々でしたからね」
「あの頃が一番つらかったなぁ」
「今はどうです?『アイギス』は2人にとって居心地がいい場所なら嬉しいんだけど」
「ギルド職員より新鮮で楽しいですよ~♪」
「それに14で冒険者になった時より、今の方がクエストにしても修練にしても充実してます~♪」
クラシスとリズは酒を飲みながら、『アイギス』での生活を語り始める
14で冒険者になった事や17までのクエストでの成功と失敗など
それに初めてリウがギルドに訪ねてきたときの話などを酒が無くなるまで話し続けた
酒の席なのか、いつも以上に饒舌なクラシスとリズはこの日話した内容を
次の日には忘れていたが、リウは再び聞く事は無かった
そのかわり『アイギス』を大事に育てようと思うリウだった
リウの年齢が、ここでは16才になった




