0-41新年1日目『アイギス』=6名
新年の準備は修練に後に少しずつ行っていった
掃除をクラシスさんとリズさん、ジャンヌさんに任せ
料理はノノとココに任せていた
リウは露店で小麦粉・卵を購入し、パスタ作りを行っていた
パスタ自体存在はしていたが、短麺のショートパスタしか存在してはいなかった・・・
そこで長麺のスパゲッティのように長いパスタを作ろうと頑張っていた
パスタマシンがあれば楽なんだが構造も知らないので断念した
そこでパスタ生地は『ひよこ亭』のアライズさんに教えてもらい
毎日パスタ生地と格闘していた
新年の料理に食べた事のないパスタを用意していた
作れるのはトマトパスタ、麺とトマトとニンニクで簡単料理~♪
麺は乾燥麺にして保存するのもありだし、大量に麺を作成していた
年末は修練も休日で掃除も料理も準備を終え
6人で『ひよこ亭』で晩ご飯を食べにやってきていた
「こんばんは~、みんなで食べに来ました」
「いらっしゃい~、毎日ありがとうね。来年もよろしくお願いします。それと新年は1~2日は休日なのでご自宅でご飯食べて下さいね」
「はい、今年はありがとうございました。来年は3日あたりから伺いますね。それとこれを・・・」
っと、アイテムボックスから長麺のパスタ麺を渡した
『ひよこ亭』ならリウよりも上手くパスタ料理を開発してくれそうな気がしたからであった
「最近作ってみたパスタ麺です。長麺なので主食としてもいけると思います」
「めずらしいですね、リウさんのところでは長麺なんですね~」
麺をしげしげと見てぼそりと呟いた
「そうですね、こっちでは見かけませんが・・・」
「それでは、この麺に合う料理を考えてみるのもおもしろそうですね~」
「期待してます♪」
『アイギス』+1はテーブルに着き、今年最後の晩餐をする
『ひよこ亭』は酒類のない店なので終始まったりとした晩ご飯だった
料理を食べ、食後の紅茶を飲んでいるとアライズさんがテーブルに来て
「リウさん、それとみなさん、今年はたくさんおいでありがとうございました。来年もよろしくお願いしますね」
リウは席を立ち、アライズさんにペコリと会釈する
「こちらこそ、ノノとココには料理を指導してもらい、毎日の食事ありがとうございました」
リウ以外のメンバーも立ち上がり会釈をする、ジャンヌも一緒に頭を下げてる
「来年も『ひよこ亭』は『アイギス』の大事な場所なので、よろしくお願いします」
「そんなこと言われたのは初めてです、こんなに長期利用してくれた冒険者の方はリウさん達以外いませんでしたし、本職の宿屋よりも喫茶店として充実した毎日でした」
「美味しい料理と紅茶は、大好きなので気にしないでください~♪」
「わかりました、来年も引き続き『ひよこ亭』のご利用お願いします」
アライズさん、アリサさん、アンナさんがペコリと会釈した
「3人も一緒に紅茶を飲みませんか?」
今日の『ひよこ亭』は客が『アイギス』+1しかいなかったので誘ってみた
3人は一緒何を言われたのかわからない様だったが
アライズさんが気がついた様で
「それでは紅茶いただきますね」
「「いただきます」」
と、隣のテーブルについて紅茶を飲み微笑んでいた
次の日、新年になり朝の修練は休みにしノノとココの料理を食べていいた
メインは野うさぎのモモ肉のシチューと野うさぎのトマト煮
どっちも野うさぎ料理でシチューは白でトマト煮は赤で紅白で縁起がよさそうだが
この世界ではそういうことはないみたいだった
「やっぱりノノとココは料理が上手いな、『アイギス』の料理番はノノとココに譲ろう」
「リウさんのパスタも美味しいです。こんなパスタ初めて食べました」
「これは新しい料理ですね~」
「これも乾燥麺なんですか?」
「なんで長麺なのか不思議です~」
「これは作り方を見てましたが、野営でも作れますね」
「パスタは保存がきくからね、ソースで味が変えれるし、みんなにも作れると思うよ」
「今年は、新しい料理にお肉料理がいっぱいあって幸せです~」
「今年はいい年になりそうです~」
「リウさんリウさん、長麺の販売はしないんですか?」
「クラシス、リウさんがアライズさんに長麺を渡してたの見たでしょ。販売は目的では無いのでしょ?」
「そうですね、長麺は考えれば誰でも作れる麺です。麺で売るより『ひよこ亭』で料理として確立した方が、僕としては嬉しいですし」
「前から気になってたんですが、リウさんはお人好しすぎます」
ジャンヌさんはずばりと思った事をリウに言った
「お人好しじゃないよ、誰でもできる事は誰かがやればいいの~」
「そうなんですか、リウさんは目先の事よりずっと先を見てるのかもしれませんね」
「それでリウさんは何をするんですか?『アイギス』はこの先どこへ向かうんですか?」
「それは私も気になってました」
「そうだよね、ギルドに来た時の達観してた気がしました」
ジャンヌさんとクラシスさん、リズさんがリウを見つめていた
これから『アイギス』が何をやるのか期待する様な目で・・・
「そんなこと言われても困るよ、この街に来てから生きるのに精一杯だったからね。メンバーを集めたのは1人では限界を感じたのと、人数が集まればやれる事が増えると思ったからだよ」
「それではメンバーが増えたこの状況で次に目指すのは何です?」
「今ならポーション屋も料理屋も出来そうですけど・・・」
「ランクをあげてダンジョンを目指すとか・・・?」
「『アイギス』としてダンジョンを目指すのはありだと思う。ダンジョンはDランクか挑戦できるんだっけ?」
「そうです。メンバー内にDランクの冒険者がいれば可能ですね」
「クラシスと私がCランクなのでダンジョンに挑戦可能です」
「そっか、みんなの意見を聞きたい。ダンジョンに挑戦してみるかい?」
「みんながいれば大丈夫~?」
「みんなで挑戦する~?」
ノノとココはみんなでダンジョンに挑戦するのに反対はしてないみたいだ
それだけ『アイギス』のメンバーを信頼してるのかもしれない
「私も1度は挑戦したいです」
「ダンジョン制覇は冒険者の夢ですからね~」
クラシスさんとリズさんもダンジョンには思い入れがあるみたいだ
冒険者ギルドの職員の頃から色々聞かされていたのかも知れないな
ジャンヌさんは羨ましそうに『アイギス』の面々を見ていた
そんなジャンヌさんにリウは声をかけた
「ジャンヌさんも一緒にダンジョンいくかい?」
「え、何でです。ダンジョン挑戦は冒険者の夢ですが・・・、私は『アイギス』のメンバーじゃないですよ」
「あぁー、その事で悩んでいるなら大丈夫だよ。改めてジャンヌさん『アイギス』に加入しませんか?」
「私はGランクですけど・・・?」
「ランクを気にしてるなら大丈夫ですよ、僕はランクでメンバーを選びません。家の子が気になる子は誘う事にしてるんです」
リウはノノとココのあたまを撫でながらジャンヌに話しかけた
ノノとココは嬉しそうにリウを見つつ、ジャンヌの返事を待っていた
「いいんですか?」
ジャンヌはクラシスとリズに聞いてみたが
クラシスとリズも微笑みながらジャンヌを見ていた
「みんな『アイギス』に加入してもらいたいみたいだよ。僕も入ってくれたら嬉しいし」
「そんな私はみんなのように料理ができたり、ポーションを作ったり、魔法も上手じゃないですよ?」
「そんなことは関係ないよ、最初から何でもできる人はいないし、努力する子は好きだよ。家の子たちは努力を形にして、今の強さを手に入れたからね。ジャンヌさんは『アイギス』向きだと思うし」
「ふぅ、リウさんもみなさんも強引ですね。これでは断る事ができません。迷惑でないのであれば、私を『アイギス』に加入お願いします」
ジャンヌは深々とみんなに頭をさげた
それを見たノノとココは嬉しそうにジャンヌに抱きついた
「これから一緒」「今日は一緒に寝よう」と3人でじゃれ合っていた
「リウさん、これは最初から考えていた事ですか?」
「ジャンヌさんの『アイギス』加入の事ですか?」
「ええ、ギルドで新人研修をお願いされていた時からこうなると思ってました?」
「まさか、そこまで先読みできませんよ。ジャンヌさんが『アイギス』に染まったと考えた方がいいのでは?」
「それにノノとココが嬉しそうなのでいいのかも知れませんね」
「明日はジャンヌさんとクラシスさんと3人で冒険者ギルドへ行きましょう。新人研修の終了と報酬を貰いに・・・」
「そういえば、ギルドからのクエストできたね。ジャンヌさんの修練が日常的で忘れてました」
「きっちり報酬を頂きましょう!!」
クラシスさんがやる気を出していた
それに新人研修を日常の事と考えていたとは・・・それほどジャンヌさんは『アイギス』にとけこんでいたのかもなぁ(=_=;
「新年2日目でも冒険者ギルドはやってるんですか?」
「冒険者ギルドは年中無休です、朝ご飯の後に行ってみましょ」
「それなら今日は新年のお祝いと、ジャンヌさんの『アイギス』加入のお祝いをしよう」
ジャンヌに抱きあっていたノノとココが嬉しそうにしていた
クラシスとリズはお祝いならと
「それなら軽めのワインでも購入してきます。お祝いですし、祝杯をあげてもいいのでは?」
「新年なので子供でも大丈夫な飲み物もありますから、任せてください」
「それならおねがいします。それとクラシスさんとリズさんと僕で今夜は飲みませんか?」
「いいんですか?リウさんは飲めないとばかり・・・」
「それなら任せて下さい。今夜は大人組でお祝いしましょ」
そいいってクラシスさんとリズさんは買い物へ出かけて行った
ノノとココはジャンヌは、これからも一軒家に泊る事が決まったので
お揃いのマントを買うために出かけて行った、ジャンヌも一緒なので心配はしていない
「さて、新年1日目でお祝い事が続くのは好い事だと思いたいね」
ジャンヌが『アイギス』に加入